コメディ・ライト小説(新)
- Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.13 )
- 日時: 2017/12/18 17:44
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://中3~高1(過去3)
冬真side
地獄の冬が過ぎて俺は、行きたかった高校に合格した。
朝香は……というと、10月頃から急に学校へ来なくなった。 始めのうちはみんな面白がって、「誰か死んだんじゃね?」なんて話題で持ちきりだったクラスもいつの間にか誰も朝香のことなんて気にも留めないまま卒業式がやってきた。
「朝香」と「望月」は席が離れている。 前の方へ視線をやっても、朝香の姿はないし、受験会場でも朝香を俺は見ていない。
もしかしたら、後期で受けたのだろうか。
「高校からは、俺らもバラバラかー」
「バスケの大会で、絶対戦おうぜ! ……それまで負けんなよ」
どこかで聞いたことがあるような台詞にみんなで笑った。
「俺らの約束、果たそう!」
確か最後はそう言って、別れた。
──そこから、俺はみんなに会っていない。
今の俺にバスケはない。 キツい練習と上下関係が上手くいかずにちょくちょくと部活に行かない日が続いた。
そこから、退部届けを提出するまでに日はそう長くはなかった。
「きっと、望月くんなら中学校でも優秀な選手だったし、うちのバスケ部にも中心的存在になってくれると思ったんだけど」
そう言った顧問の先生の言葉は、もうやめると決めた俺の心を少し揺さぶる何かがあった。
もしかしたら嘘かもしれない。
──ただ口先だけの言葉かもしれない。 それでも最後に、誰かにそう言ってもらえたことが嬉しかった。
部活をやらないなら、勉強を……というのが親の言い分だった。
それほど嫌いではない。
中学校でも、先生にもう少し高いところを目指さないかと声をかけられた。
その時の俺はバスケしか目の前にはなくて、部活のため──とここを選んだのに、それも意味がなくなってしまった。
中学生の頃とは別の塾に入り直した。 そこで勉強に力を入れたら次のテストは上から5番以内には入るようになった。
体育も、バスケはもちろんサッカーやテニスもそこそこにはできた。
苦労しないでも人並みかそれ以上にできる。 自慢ではないけれど、クラスメイトにも結構声をかけられた。
中学生時代の俺なら、また合わせてノリを合わせていたかもしれない。
けれど、俺の心に引っかかっている朝香の姿が今でも忘れられない。
どうやっても消えない。
同じ高校を受ける予定だった朝香は、どうしているのだろう。
そしてまた、一つ進級したその年に俺は再会と新しい出会いを果たす。
……中学時代の死神少女が、俺の目の前に現れた……──。