コメディ・ライト小説(新)

Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.3 )
日時: 2017/11/28 17:44
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://From iPad@

*・.。*──プロローグ




「ねぇ……朝香さんっているじゃん」
「あさかー?」
「ほら! あの無口な……」
「あぁ、あの人ね!」
「……お母さん死んじゃって、やけでお父さんがほかの人との間に赤ちゃん作ってそっちに行っちゃったらしーよ」


世の中は、みんな噂が大好きだ。
本当の情報かどうかなんてどうでもいい。
……ただ、より多くの人間がいる方へいる方へと向かっていく。


「俺聞いちゃったんだけど、朝香って親戚とかも全員いないんだって」
「やば。 まじで?」
「なーんかさ、死神みてーじゃね?」
「言えてる。 死神ちゃんじゃん?」


人を死神呼ばわりして笑ってる。
本当にくだらない。


「正直、死神ちゃんなんかこの学校に必要なくね?」
「次は多分、死神ちゃんが死ぬんじゃない?」
「俺もそう思う。 ジュースかけるわ」……


誰かが笑いながら、汚い花瓶に校庭に咲いているたんぽぽを水と共に挿して入れた。
その花瓶は窓際列の1番前の机に乱暴に置かれた。
ピシャっと水が机に飛び散る。


──その机は、「死神ちゃん」こと朝香巴の席だった。


その後たんぽぽが挿さる花瓶の置かれた席に、死神ちゃんが座ることはなかった。


窓から入った風が、ふわりふわりとたんぽぽを揺らした。