コメディ・ライト小説(新)
- 初めての彼女は異世界で ( No.34 )
- 日時: 2018/03/07 15:38
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第4章 英雄編
第31話 少女と会話
図書室に行ったが何か役に立つものはなかったな。そんなこんなで夕食会の時間になった。食堂はとても広い。確か伯爵様の奥様と娘さんも同席するらしい。俺は早めに食堂へ向かう。
早く着きすぎたのか誰もいない。困った。まぁ、来てしまったんだし席に座るか。俺は指定されている席に座る。うーん、暇だなぁ。バンッ!音がした。扉が勢いよく開いた。そこには、さっきの少女、伯爵様の娘さんがいた。
「なっ、なんでいるのよ!」
いきなりすぎるでしょ!とツッコミたい。しかし、相手はご令嬢。言葉には気をつけなければならない。
「早めに来た方が良いかと思いまして。」
敬語を使う。目上の人ですからね。やっぱり時と場合によって言葉遣いは丁寧にね。
「その敬語やめてよね。ほんと、私堅苦しいの嫌いだし。で、あんたがエトワール士爵?」
聞かれた。敬語やめてほしいのか。最近の女の子はよく分からん。
「分かった。そうだ、俺がエトワール士爵だ。まぁ、成り立てで貴族感なんてないけど。」
久し振りに女の子と話した気がした。母親となんてろくに話した事もないし。やっぱり可愛いなぁ。
「いや、何行ってんの。そんな顔でよく言えるわね。そもそもそのローブだって魔道具でしょ。私でも見たことないわ。……ねぇ、私に魔法見せてよ。」
急にそんな事を言われた。そもそもこのミソロジー級はオーラがあるのか?今度隠蔽スキルを付与しとくか。そして魔法を見せる。俺はそんなに見世物の魔法は持ってないぞ?まぁ、どんなのが見たいかなやるけど。
「どんなのが見たいの?攻撃魔法とかは使えないけど。」
さすがに流星群とかは見せられない。いやね、王都が破壊されちゃうよ?
「そうねぇ、そうだ!私のこのペンダント、お母様の形見なの。キラキラさせてほしい!いつまでも大事にしたいから!」
それって一応錬金術師がやるものだからね?まぁいいけど。俺は少女からペンダントを貰う。鑑定してみる。
聖母のペンダント
母の愛が詰まっている。守護スキルが付与されている。全ての攻撃を軽減できる。また、一日一回だけ、即死級の攻撃から身を守る。
もう既に付与されてるじゃないか。そう思ったが、これは別だ。きっと誰かの強い意志がこのペンダントに影響を与えたのだろう。しゃ、お兄さんはこれを強化しますよ。
「そうだね、付与強化するよ。」
結果的に無詠唱なので考えるだけなんですが。キラキラかぁ。虹色に輝くのがいいかな。あと即死級のダメージは絶対に防がないと。よーし、これでどうだ?
「凄い…キラキラしてる。有難う!あっ、そう言えば名前言ってなかったわね。私はマリー。」
それが俺の人生初めての少女との会話だった。
- 初めての彼女は異世界で ( No.35 )
- 日時: 2018/02/18 15:25
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第32話 マリーの魔法適性
マリーと話していたら、伯爵様たちが集まって来た。そのあと、夕食会でとても美味しい料理を食べた。めっちゃうまいと思った。高級そうな素材を使ってるらしい。味覚音痴か?俺。
そのあと、夕食会が終わり部屋で寝た。
翌日俺は扉のノックの音に起こされた。ノックじゃなくて叩いている音と表現した方がいいぐらいの大音量に。
俺は変身魔法を使い、直ぐに身支度し、扉を開けた。
「ユウキ!昨日の魔法を教えてよ!」
マリーがそこに立っていた。目をキラキラと輝かせながら、俺を見ている。断りづらい。俺は渋々承諾した。
伯爵様の庭を借りて、魔法を教えることになった。そもそも魔法とは適性が必要だ。俺は何故か全魔法を使用可能だが。まずはマリーの適性を確認する必要がある。適性の水晶を使って調べるか。
「これに手を乗せてくれ。」
マリーは鼻息を荒くして水晶に手を出す。
「うん?えっと適性は…土属性と風属性と光属性な。三属性も持ってるなんて凄いな。」
冒険者ギルドの魔法使いを見ると1属性とか2属性ぐらいしか持っていない人が多い。まぁエルフとかは抜いてだ。そう言えば適性なんて鑑定すればいいだけじゃね?俺はマリーを鑑定する。
マリー
種族 人間
Lv.4
魔力 265/265
筋力 35
体力 238/196
精神力 98
素早さ 65
幸運値 12
スキル
土属性魔法、風属性魔法、光属性魔法
簡単だったなぁ。まぁ、これで魔法の練習が出来るな。
- 初めての彼女は異世界で ( No.36 )
- 日時: 2018/02/20 21:43
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第33話 マリーの魔法練習
さて、練習と言っても何をすべきか。いやね、俺はチートスキルだから練習がいらんのよ。俺は手本にならん。というか手本にしない方が良い。一応インベトリーの中を見てみる。あぁ、本ねぇな。なんか白紙の紙は幾つかあるけど。うん?まてよ、俺の覚えている呪文を模写すればよくね?そう思い、俺は白紙の紙を渡す。
「うーんと、簡単な魔法でいっか。」
そう呟き、俺は魔法を発動させる。白い紙に黒い字が浮き上がってくる。
「わぁ、凄いねユウキ!」
相変わらずマリーは目をキラキラさせている。可愛いなぁ。
「ほら、呪文が載ってるよ。あとどんな魔法かも。簡単な魔法だから直ぐできると思う。」
俺は束ねた紙をマリーに渡す。ウキウキ感が半端ないね。マリーは直ぐに読み始めた。ふむふむ、と頷いている。
「まずはこれからね!
『大地よ、我の心に従え。サンドクラッシュ!』」
マリーが攻撃系魔法を唱える。いきなりだな、と余裕ぶっていたら急に大地が割れ始めた。うわうわ、やばいじゃん。俺は咄嗟にマリーの魔法の範囲を狭める。操作魔法だ。操る本人も巻き込まれそうだったので、急いでマリーを抱え、範囲外に出た。
「えっ…!ちょっと、やめてよ!恥ずかしいじゃない!」
え?いや、お姫様抱っこだけどさ。……?お姫様抱っこ?なんか顔が熱くなってくる。マリーも赤面してる。あちゃーやっちまったな。
- 初めての彼女は異世界で ( No.37 )
- 日時: 2018/02/23 22:07
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第34話 生贄と悪魔
あれからマリーに避けられている気がする。いや、俺も避けてる。というより俺が避けてる。どうしよう。まともに顔が見れない。部屋でそうぐずぐずしていると、扉からノックの音がした。俺は机に出していた、オルゴールの試作品をインベトリーに仕舞い、扉の方へ向かう。
「どなたでしょうか……。伯爵様?どうされたのですか?まずはお入りください。」
伯爵様が立っていたので、そのまま話すわけではいけないと思い、部屋へ案内する。深刻そうな顔をしている。
「すまない、マリーに付き合って疲れているだろうところをわざわざと。」
急に頭を下げてきた。俺は慌てる。
「いえいえ、大丈夫ですよ。頭をあげて下さい。」
そう答えると頭をあげてくれた。良かった。にしてもなんで俺の部屋なんかに来たんだ?
「今日は何の御用ですか?」
俺は椅子に座ってと促す。そして椅子についた伯爵様が一息置いて、俺の方を見た。
「……実はマリーの事なんだ。大切な事だから、君にはちゃんと聞いておいてほしくて。」
低く淀んだ声で話して来た。俺は息を呑む。
「マリーの母親は、私の第1夫人だった。しかし、彼女はこの国の仕来たりによって死んでしまった。そして次はマリーの番なんだ。それをどうにか止めて欲しい。」
俺を伯爵様は見つめる。真剣な表情で。おいおい、質問したい事が沢山あるんだが。
「何故、伯爵様の第1夫人様が亡くなられたのですか?マリーの番とは何ですか?」
質問攻めをしてしまった。しかし、伯爵様は質問の内容を悟っていたかのように、直ぐに答えてくれた。
「この国にはとある上級悪魔が住み着いている。この王都にある、ダンジョンにね。そいつが、『この国を滅ぼさない代わりに女を10年に一度寄越せ。』て言ったんだ。対抗出来る人間がこの国に存在しなかった。勇者を召喚しても、勝つ事は出来なかった。なにせそいつは古参の上級悪魔だったからね。下手したら魔王よりも強い。つまりは生贄を捧げなければいけない。マリーはそれに選ばれたんだ。悪魔が望んだ女の条件に当てはまったから。」
深刻な話だ。そんな奴のせいでこの国の女性が死んでいくなんて、俺だったら許せない。伯爵様は娘さんだ。俺よりも憤怒を積もらせるだろう。俺は
「やりましょう。倒しますよ、絶対。マリーを生贄に捧げるなんて、許せないから。」
伯爵様は安堵した表情になった。
- 初めての彼女は異世界で ( No.38 )
- 日時: 2018/02/28 17:09
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第35話 最強の定義を教えてくれ
伯爵様の話を聞いた後、俺は直ぐにダンジョンへ向かう。全速力で走った。マリーの為に。いつのまにか、ダンジョンの目の前に立っていた。このダンジョンは下層に続くようだ。俺はギルドカードを見せ、早足でダンジョンを進む。パウ爺も煌龍、リルも一緒だ。
「旦那様、このダンジョンは50層あるようです。マリー様が生贄として捧げられるまでの時間は48時間です。」
パウ爺が情報を教えてくれた。
「じゃあ、早くしないとな。」
全員頷いている。マップスキルを駆使して、下層への階段を見つける。寝る暇なんて無い。俺らは無休で進む。そんな事をしているとチートスキルは空気を読まない。ステータスがぶっ壊れていた。
ユウキ・カトウ
Lv.853
職業 チート主人公
種族 神を超えし者
魔力 表示不能
筋力 表示不能
体力 表示不能
精神力 表示不能
素早さ 表示不能
幸運値 表示不能
スキル
創世神スキル、管理神スキル、魔神スキル、剣神スキル、武神スキル、神職スキル、神界スキル、加護スキル、完全隠蔽スキル、手加減スキル、生命スキル、強奪スキル、サポートスキル
職業
錬金術師、魔剣士、魔闘士、魔術師、鍛冶師
装備
星空のコート、彗星のソードライフル、恒星のソードライフル、宇宙の靴
称号
魔法神、創造神、剣神、狩神、闘神、魔物の敵、超越者、管理者、神、究極の存在
遊び過ぎだろ。神様。いつのまにかこうなるんだぜ?いやね、表示不能とか無いよね。神越えなんてもっと無いよね。ぶっ壊れてるよ。色々スキルも合成されたし。サポートスキルって何だよ。
《私です。いつもの脳内アナウンサーです。》
おかしいだろ!脳内アナウンサーなんて職業あるんか!
《えぇ、まぁ言えば神です。貴方の眷属になりましたので、これからよろしくお願いします。弱点などのサポートをします。》
神が俺の眷属になっていいのか⁈困惑するわ。
《ステータスは察してください。アナウンスをするのが大変なので。眷属は管理神スキルから設定可能です。私が代理で諸々しましょうか?》
アナウンス面倒ってアナウンサーとしてどうなの?と疑問に思ったが、こんなチートスキルがまともな答えを出すわけがない。とりあえず、代理は頼んだ。
《今はダンジョンの20層です。50層のラスボス部屋まで転移しますか?》
そんなことできんだったら早く言ってよ……。頼むわ。
《かしこまりました。》
パウ爺と煌龍、リルが微笑んでる。パウ爺は悪意だな。
- 初めての彼女は異世界で ( No.39 )
- 日時: 2018/02/28 17:10
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第36話 ボスさんはあっという間
直ぐに転移した。というかされた。と思ったら目の前にラスボスだし、おかしいだろ!ツッコミどころ多過ぎ!
「…貴様!どこから来た!」
いや、どこかで聞いたセリフ。気にしない。
《ドロップアイテムがあるので討伐証明は出来ます。思いっきりやって下さい。》
丸投げかよ!ビックリマーク多くね⁈困るわぁ。と思っていると悪魔がなんか投げて来た。剣?みたいなのを操っている。
「はははっ、慄いたか人間よ!この私、千刃の悪魔を超えることは出来まい!」
ゴクッ、唾を飲む。そんなカッコいい中二病感溢れる技があるなんて……俺もやりたい。そう思い、インベトリーから聖剣やら神剣を10本程度出す。そして俺の魔力やらを付与して、操る。簡単じゃん!
《剣操の技を手に入れました。どんどんやってください。恨みしかないので。》
どんな私情を挟むんだよ!ほんと、疲れる。なんとなく、剣達を悪魔に向けて、発射させた。相手が千の剣で対抗するも、呆気なく折られる。悲しい事に。そして、悪魔の頭やらにグサグサと刺さっていく。グロい。悪魔はあっという間に光の粒子に包まれ、ドロップアイテムを入手した。神界スキルに収納させられるな。神界スキルは自分の国を作れるらしい。誰にも干渉されずに。引きこもりに最適だよね。
《地上に上がって渡しましょう。王様に。》
転移魔法を使い、俺らは地上に戻る。
- Re: 初めての彼女は異世界で ( No.40 )
- 日時: 2018/02/27 06:03
- 名前: こあく (ID: pmOIN4oE)
第36話 ボスさんはあっという間
直ぐに転移した。というかされた。と思ったら目の前にラスボスだし、おかしいだろ!ツッコミどころ多過ぎ!
「…貴様!どこから来た!」
いや、どこかで聞いたセリフ。気にしない。
《ドロップアイテムがあるので討伐証明は出来ます。思いっきりやって下さい。》
丸投げかよ!ビックリマーク多くね⁈困るわぁ。と思っていると悪魔がなんか投げて来た。剣?みたいなのを操っている。
「はははっ、慄いたか人間よ!この私、千刃の悪魔を超えることは出来まい!」
ゴクッ、唾を飲む。そんなカッコいい中二病感溢れる技があるなんて……俺もやりたい。そう思い、インベトリーから聖剣やら神剣を10本程度出す。そして俺の魔力やらを付与して、操る。簡単じゃん!
《剣操ゾードアーツの技を手に入れました。どんどんやってください。恨みしかないので。》
どんな私情を挟むんだよ!ほんと、疲れる。なんとなく、剣達を悪魔に向けて、発射させた。相手が千の剣で対抗するも、呆気なく折られる。悲しい事に。そして、悪魔の頭やらにグサグサと刺さっていく。グロい。悪魔はあっという間に光の粒子に包まれ、ドロップアイテムを入手した。神界スキルに収納させられるな。神界スキルは自分の国を作れるらしい。誰にも干渉されずに。引きこもりに最適だよね。
《地上に上がって渡しましょう。王様に。》
転移魔法を使い、俺らは地上に戻る。
- 初めての彼女は異世界で ( No.41 )
- 日時: 2018/02/27 19:11
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第37話 英雄
急いで地上へ転移すると儀式が始まっていた。待てよ、こんなに早いとは思ってなかったぞ?儀式を見ると、マリーが豪華な馬車に花嫁姿になり、乗っている。王様が、民衆の真ん中の演説台に立っていた。多分あの人だろう。見るからにそんな感じだし。しかしどう行くか。
《上空からカッコよくマリーさんを救えばいいんじゃないですか?ロマンチックですしね。剣とか掲げて。》
何、そんな英雄くさいことして欲しいの?いや、派手過ぎるよね。
《これからハーレムするんですから、このぐらいしないと。》
おかしいだろ!巫山戯んな!いやだぞ、俺は!
《タイミングはお教えしますので、安心してくださいね。ふふっ。》
最後は悪意だろ!もういやだぁ。……しょうがない。やるか。
「此処に、今回の生贄を捧げる!この国に平和を!」
マリーがダンジョンの上にある穴、通称、生贄の投入口に立っている。伯爵様も泣いていた。マリーはただ静かに時を待つ。とうとう、時間になった。
「さぁ、行け!生贄よ!我々の為に、名誉の為に!」
そう言われ、騎士達がマリーの背中を押す。そしてマリーは突き落とされた。
(このまま死ぬのかな……。)
そう感じたマリーだったが。
「迎えに来たぜ!マリー!」
雷光の如く、彼はマリー目掛けて急降下して来た。そして、彼女の手を掴み、上昇して行く。
「なっ、何者だ!貴様!国家反逆罪だぞ!」
騎士達が叫ぶ。しかし気にも留めずに、彼は王のところへ向かう。そして、何処からか悪魔の魔石を取り出す。
「悪魔は倒しました。これで彼女が生贄になる事はない。国も救われました。」
彼は剣を空に掲げた。天空からの光が彼を照らす。
「英雄だ……!」
その日、英雄は誕生した。
- 初めての彼女は異世界で ( No.42 )
- 日時: 2018/02/28 15:55
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第38話 勇者(らしい)
ちょっと派手過ぎたかな。うん、サポート野郎のせいだ。
《えー、酷いですよ。タイミング教えてあげたのに。私もハーレムに混ぜて貰うのに、いいじゃないですか、仲良くしましょうよ。》
ハーレムになるなんて言ってないし、お前も入るなんて聞いてない。日に日にスキルさんが馴れ馴れしくなってきた。ていうか、この剣を掲げている状態いつまですればいいんですかねぇ。そもそもこんな演出誰がしたんだよ。
《私ですよ。魔力使わせていただきました。》
ですよねー。慣れましたよ。適応早いでしょ。
《あ、王様来ましたよ。剣もう下ろしていいです。和解しましょう。頑張れー。》
ほんとに大丈夫?神様?本当に神様?まぁ、いいけど。俺は剣を下ろして、王様の方を見る。
「…。貴方様が勇者様なのですね……!この国をお救いくださり、本当に有難う御座います。」
頭を急に下げられた。えっ、えっ、勇者なの?俺?
《えー、もう神ですけどね。次元が違うんですよ、王様。私のご主人様は凄いんですからね。土下座ぐらいしてください。》
おかしい、おかしい、上から目線過ぎるんだよ。お前は馬鹿か⁈
「頭をあげて下さい。私はこの国の為にしただけですから。それに勇者なんて、そんな大層なものではありません。」
そうそう、勇者じゃない。
「しかし、古代文書には天からの祝福され、姫を救うと書かれていました。まさに貴方様です。」
おっおう。そうなのか。おい、神様、知ってただろ。
《いや、私以外にもパウアンネさんも知ってましたからね?私一人のせいじゃ御座いません。私もヒロインなんですからいいじゃないですか。許してー、ダーリン?》
笑えねぇ。おい、神界に行くぞ?お前に会いに行くぞ?
《すいません、やめて下さい。ごめんなさい、もうしません。》
反省しろよ、絶対。
「勇者様、是非とも王城に来て頂けませんか。感謝したいのです。」
断る訳にもいかないし、しょうがないな。
「分かりました。」
- 初めての彼女は異世界で ( No.43 )
- 日時: 2018/02/28 17:39
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第39話 王城に
王様の話で、王城へ行くことになったしまった。断る術も無かっただけだ。いや、威厳あるからさ。しょうがないんだよ。考えていると馬車が目の前にあった。
「乗って下さい。勇者様。」
王様が用意してくれたのか。しかし俺たちには相棒がいるからな。
「大丈夫です。」
俺はそう馬車の走者に言うとパウ爺の方を見た。パウ爺はもう出来たと言わんばかりの笑顔だ。いつ呼んだんですか。上空から鳴き声が聞こえる。グリフォン達が来た。
「なんと……!古文書の通りだ!勇者が魔獣車に乗り、王城へと向かう。本当に勇者様なのだ!」
歓声が響く。街の人々が祝福してくれてるらしい。嬉しいんだが泣けてきてしまう。どっかの誰かのせいで。
「ねぇ、ユウキ?凄いね。こんなに人々に喜ばれるなんて。」
マリーが喋った。満面の笑みだ。怪我は無いみたいで良かった。
「そんな大層な事はしたつもりは無いんだがな。」
まぁ、悪魔倒してマリーが落ちたところを救っただけだけど。勇者が倒せないって嘘だろ。
「では、旦那様、奥様、お乗り下さい。」
いつのまにかパウ爺とグリフォン達がいた。あの、パウ爺、さっき奥様って言ったよね。どういう事かな?マリーも赤面してるよ?その腹黒そうな笑顔をやめて下さい!すいませんでしたー!
『主人よ、王城へ向かいましょう。』
煌龍に言われてハッとする。ツッコミどころが多過ぎて時間を忘れていた。俺たちは急いで乗った。
王城に着いたら、メイドさんやら騎士さん達に快くお出迎えしてもらっているんだが。いやいや、そんな事してないですよ。あいつが悪いんです。
《ご主人様、酷いですよ。やっぱ派手にした方がカッコいいじゃないですか。厨二臭くて。》
理由が適当なんだよ!まぁ、過去の事は忘れよう。厨二は要らない。
「勇者様、どうぞこちらへ。王様がお待ちで御座います。」
王城の中に案内され、歩いて行くと玉座の間に招待された。堂々と座っている王様がいた。
「勇者様、お待ちしておりました。」
王様が玉座から立つ。鍵を持っているみたいだ。すると床を見て、なにかを唱える。すると床が開き、地下へと続く階段が現れた。
「どうぞこちらへ。」
俺たち一行は王様について行く。
お知らせ
どうも作者のこあくです。No.40があります。前の話と被っていて消そうとしたのですが、パスワードが違ました。自分に思い当たりが無いのですがもしかしたらバグや、自分のパスワード打ち間違えかもしれません。又、思いたくはないですが誰かが悪戯で投稿したのかもしれません。悪戯で投稿された方は消して頂けると幸いです。読んでいただいている読者様には読み難く申し訳ありません。
これからも宜しくお願いします。
- 初めての彼女は異世界で ( No.44 )
- 日時: 2018/03/01 19:07
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第40話 人造人間
「此処です。」
地下をどんどん進んで行くと大きな扉に行き着いた。これ、どっかで見たことあるな。ドラ◯もんのどこ◯もドアじゃね?あの映画の1号機の奴にめっちゃ似てるんだが。
「古代勇者達が遺した物です。勇者の資格があるものにしか開けられないのです。」
古代なのになんでドラえ◯ん知ってんの?
《時系列的にご主人様がいた世界はこの世界と違うんですよ。察して下さい。》
めっちゃうざい。察しが良くなくて悪かったな。
《いえいえ、ダーリンには頼りなされないと。》
……本当に神界行くぞ。そう考えるとごめんなさいの連呼が聞こえてくる。
「勇者様なら入れます。私達は触る事すら出来ないので、開け方はわかりませんが。」
王様がどうぞと言ってくる。勇者じゃないんだが。
「大丈夫ですよ。旦那様の世界では当たり前の事ですから。」
パウ爺が小声で教えてくれる。なんじゃ?当たり前の事って。まぁ、扉に行けば分かるか。扉に近づく。
「…インターホン?何でだよ。」
押すけど。ピンポーン。普通になる。勇者適当過ぎじゃね。
『どなた様ですか?』
普通の返事が返ってくる。
「えっと加藤勇気と申します。」
久し振りに名乗ったな。本名、覚えておけよ。
『認証完了しました。お入り下さい。』
扉がプシューと煙を撒き散らしながら扉が開く。まんまじゃねえか。というかどうやって認証したんだよ。名前か?それとも対応の仕方か?そう考えていると扉が全開になる。入るか。
扉に入ると転移され研究室みたいなところにきた。マジもんのどこでも◯アだな。研究室の中には液体が入った人が入るくらいの水槽みたいなやつがあった。中には何も入ってないが。あくまで進んで行くと、1番奥にあった水槽の中には女の子が入っていた。テンプレな展開が見えてくる。
《魔力を流すみたいですね。人造人間か、機会人形じゃないですか?この感じだと前者の方だと思います。》
前者って、お前専門家?まぁ一応神様だもんな。水槽の横に変な機械がある。手を乗っけるみたいだな。やりますよ。やります。
「うん?なんか光ってるんだけど……ってうわっ!割れたんですけど!」
魔力を流したら急に水槽が割れた。そして少女が立っている。
「No.532は貴方と契約しました。」
うわー、裸だよ。見てない見てない。
《ご主人様、へんたいー。私の裸も見たいですかー?》
無いわ。にしても青髪ポニーテールで可愛い。マリーとは違った感じだなぁ。ってまずは服を!一瞬で作らなきゃな!おい!サポート野郎!
《酷く無いですか?まぁいいですけど。あの子の服ですね。チョチョイのチョイで作りますよー。》
直ぐに作って彼女に渡す。すると察してくれたかのように着てくれた。
「新しい勇者様。私について来て下さい。」
彼女に案内される事になった。
- 初めての彼女は異世界で ( No.45 )
- 日時: 2018/03/01 20:26
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第41話 呪いの武器
彼女、No.532さんが研究室を出て、階段を降りて行く。何処行くんだ?そもそも地下の奥深くまでいってるよな。気圧の変化が無いが。魔法かな。無効化とか?勇者だから出来るかな、そんぐらい。
「此処に勇者の武器があります。」
おう、そうなのか、小さい扉だけどな。最初のど◯でもドアがデカすぎただけか。彼女が扉を開ける。部屋に入ると強烈な悪寒を感じる。
「…クッ、何だ?」
武器が置かれている方を見ると黒いオーラを放っている。これが勇者の武器か?嘘だよな。負のエネルギーが感じられる。
「歴代の勇者達が使っていた武器です。」
大剣の形をしている。っていうか勇者が使ってたのか?
《勇者の負の感情が取り付いたみたいですねぇ。勇者は勝手に召喚されますから、家族に会いたいとかホームシックになるんですよ。で、魔王を倒したら帰れるとかいうデマを流されて、嘘ですけど。魔王を倒しても帰れないんで絶望するんですよ。それが何千年と重なるとこうなるわけです。強くなれますけど、その代わり暴走します。怖いですねぇ。》
他人事か。俺もそうなりそうなんだが。
《何言ってるんですか、ご主人様は神様なんですから、そんな呪いの武器とか神々しい力で吹っ飛ばされて逆に神器ぐらいになります。》
やばいな神の力って。俺、そんな自覚無いんですが。触れば分かるか。おいしょっと、うん、抵抗があるな。
…カエリタイ……アイタイ……ウソツキ……。
脳内にそんな声が聞こえてくる。煩いな。黙ってろよ。俺は力を込める。するとスッキリした感覚になる。うげっ、光り始めたんだが。これが神器かよ。鑑定してみるか。
勇者の神器
持ち主の体力、魔力を3倍させ、攻撃力を5倍にする。聖属性が使えるようになる。成長補正が7倍かかる。
凄い能力を持つとはねぇ。俺が持っても意味が無いけど。俺は彼女にあげる。
「?勇者様の剣ですが?」
「俺が持ってても意味無いし、これから一緒に冒険するから。」
そうだな、大剣じゃ大き過ぎるか。俺は魔法をかけ、片手剣ぐらいの大きさで、軽量化の付与をした。これオリハルコンだし、丈夫だろう。
「それじゃ、次行こう。」
彼女は少し喜んでくれた。
- 初めての彼女は異世界で ( No.46 )
- 日時: 2018/03/03 20:00
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第42話 ネイレス
大体の部屋は周り、本とか適当にコピーして後で読む事にした。
「地上に出ましょう。」
彼女に一通り終わった後、そう言われたので、彼女に地上への出口を教えて貰う。
「そういえば、No.532以外の名前は無いの?」
出口へ向かう中、そんな話をする。いや、呼びにくいじゃん。
「御座いません。勇者様が付けてください。」
え、俺に振られたんですが。良い名前が見つからない。
「なんか得意な魔法とかある?」
そこから見つけられそう。
「強いて言うなら、水魔法です。」
青いもんね、髪とか目が。勇者は分かりやすいな。
「じゃ、ネイレスでいい?」
神話から引用。確か、水のニンフで、めっちゃ美少女でアキレウスの母親だったかな。
「分かりました、勇者様。」
「勇者様じゃなくてユウキ。ユウキ・カトウ=エトワール。」
エトワール士爵です。どうもどうも、いつのまにか貴族という種族です。って脳内がハイテンション。
「では、ユウキ様と呼ばせていただきます。」
ウンウン、それでよし。
「お帰りなさいませ、勇者様。」
あのなんとかドア一号の前に王様が待っていた。何時間待ってたんですか。
《ご主人様、あそこ時空魔法かかってたんでこっちの時間は止まってましたよ。》
勇者は凄いんだな。そんな魔法は何処で覚えた。
「これから勇者様の叙爵があります。公爵の爵位です。」
おう、公爵か……。うん?公爵って1番上の貴族だよな。あれ?士爵ですよね、俺。そもそもまだ貴族じゃ無いよ。王様に報告してから貴族だよな。いきなりそうなるのか?おかしくない?
《ま、これが神様の実力ですよ。ご主人様は全知全能になれますよ。神界ハイジャックしません?》
おぞましいことを言うな!
- 初めての彼女は異世界で ( No.47 )
- 日時: 2018/03/06 19:06
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第43話 悪神と最高神
《その格好で良いんですか?タクシード作りますよ?絶対似合いますよ。というか話してる間に作っちゃったんですけど。》
現在、公爵の叙爵の為の服決めをしている。まともな服を持っていないからな。ていうか勝手にタクシードを作るな!
《付与しといたんで、大丈夫ですよ。鑑定して確認してくださいね。》
いや、恐ろしいわ。鑑定するけどね。
全能のタクシード
ユウキ・カトウ=エトワール専用
悪意ある物を全て無効化する。色気が倍増する。
すごい万能スキル!でも最後はいらない!
《BL展開ありそうじゃないですかぁ。》
この腐女子め。
そういえば、お前の名前って何だ?サポートスキルに脳内で話しかける。
《言っても良いですけど、条件付きですよ?》
えっ、面倒だから良いや。
《いや、聞いてくださいよ、お願いだから〜!》
……泣かれたら煩いからしょうがない。俺の善意で聞いてやる。
《ご主人様、マジ神様、尊敬します!》
で、その条件とは何だね。気になるから教えてくれ。
《いや、断れないように名前から言います。あ、不幸とか言わないでね。ガイアちゃんとか最高神とかに嫌われてるんで。パウアンネさんは別ですよ?あの人変わってるんで。》
パウ爺には一理ある。分かったから、名前言ったら?
《人様に言ったことないんですよねぇ。恥ずかしくて……。言うから待ってよぉ!》
前置きが長いので、服の方を見るとツッコミが入る。早くしろ、時間が無いんだ。
《分かりましたって。……アンラ・マンユって知ってますか?》
雑学には妙に詳しいからな、知ってるぞ。ゾロアスター教の最高悪神。悪の創造神だったか。
《それが私です。》
そうか、悪の創造神だったのか……?って待て、おかしいだろ!悪神が女だなんて、前例はあるが!
《突っ込むとこそこ⁈いや、他にあるでしょ!怖いとか、怖いとか……。》
何で?強けりゃ良いじゃん。そもそもサポートしてくれたんだし。悪神だったのは驚いたが。
《ご主人様はそんな人だったこと忘れてましたね。すいません。》
じゃ、これからアンラって呼ぶからよろしく。
《はーい。あ、条件言っときますね、召喚して下さい。私の画像、ご主人様の脳内に転送しとくんで召喚するときに思い浮かべて、めっちゃ魔力込めて下さい。大体そうすれば強いの召喚出来んで。》
適当だな。
結局、俺は明日召喚する事にした。疲れたし。ダラダラしてるけど。今日も王城の城のふかふかベッドで眠る。
うん?何処だ此処?見たことあるなぁ。あ、思い出した。転生した時の神界だ。真っ白だよな。暇だろ神様。
「君がユウキ・カトウ=エトワールか。」
名前を呼ばれるので振り返る。そこには正に威風堂々という言葉が似合う爺さんが立っていた。
「どなたですか?」
質問する。気になるから。
「最高神だ。名前など無い。必要も無い。」
アッサリと答えられた。別に良いけどさ。
「……この力、これ程までとは。私をも喰うつもりか。」
え、食べる?どうやって。どこぞの喰◯じゃ無いんですから。フェンリルあたりなら食べてそう。
「我が全知全能を超える存在。偶然の産物とは言え、放っては置けない。アンラ・マンユさえ眷属なのだ。」
おーい、何処かへ行ってますよ。大丈夫ですか?俺は此処にいますよ。
「……神の仲間入りだな、青年よ。貴様は不老不死になってしまったからな。」
不老不死?そんなスキルなかったと思うが。
「種族が神越えなのだ。後で鑑定すれば分かる。さて、貴様は既に創世神だ。まぁ、そこら辺の神と仲良くなればそのうち何とかなるだろう。今度は貴殿から神界へ来るようにな。パウアンネ殿やアンラも連れて来るのだぞ。」
そんな事を言われ、俺は意識を失う。
- 初めての彼女は異世界で ( No.48 )
- 日時: 2018/03/06 19:20
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第44話 お嫁さん
『これから、勇者の叙爵式を始める!』
王様が風魔法で拡声器みたいな事をして、国民全員に伝えた。今日は俺の叙爵。何でも勇者なので、大々的に行われている。前世でこんな経験無いので、恥ずかしい。俺の表情筋、期待してるぜ。
『国を救い出した勇者の栄誉を称え、公爵の爵位を授ける!』
わぁー、歓声が起きる。ヤベェ、汗が出てきそう。体よ、耐えろ!
『此処に、エトワール公爵が誕生した!我が国の永遠の勇者だ!』
拍手喝采。正にその言葉道理だ。歓喜や拍手に包まれ、式は終わる。
……と思ったが。
『そして、マリー・リブナント伯爵令嬢と勇者エトワール公爵の婚約を此処に宣言する!』
えっ、と聞いてないんですが⁈いやいや、おかしいでしょ!そう考えていると、目の前に白いドレスに身を包んだマリーが現れた。
『では、マリーよ。勇者と共に生きる事を誓うか?』
マリーがYESと言う訳無い。ツンデレだもん。
『はい。』
おいおい!待って、誓っちゃダメでしょ!こんなダメ男となんて!
『では、勇者よ。彼女と共に生きる事を誓うか?』
『はっ、はい!』
そう答えてしまった。
- 初めての彼女は異世界で ( No.49 )
- 日時: 2018/03/10 12:17
- 名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)
第45話 少女3人と城
ついつい言ってしまった。マリー、俺が否定しなかったからこんな事に……。不甲斐ない。あの式が終わった後、俺たちは公爵邸の土地、予定だが、案内して貰っている。馬車が一緒なので気不味い。
「何思ってるんだか知らないけど、まぁ私は平気よ。あと、救ってくれてありがと。べ、別に嬉しい訳じゃ無いんだからね!」
ツンデレ健在。あぁ、やっぱりマリーのお陰で元気になれるな。
「これから宜しくな。」
《早く私を召喚してほしんですけど。イチャイチャ羨ましい。》
分かった分かった。此処で召喚してやるよ。
《え?いくら空間魔法で広くしても狭いですよ?》
確かに、この車体の中を広くしても無理があるが俺にはあれがある。
神界スキル
これを使えば良いだけだ。
「マリー、ネイレス、ちょっとだけ行ってくる。」
無言のネイレスとツンデレマリーに言っておく。
「行ってらっしゃいませ、ユウキ様。」
「行ってらっしゃい。」
可愛い女の子に言われると心がきゅんきゅんしますなぁ。
「よいしょ、此処で良いか?魔法陣は面倒だから省略で。詠唱も省略で。はい、アンラ・マンユどうぞー。」
適当に何となく言う。すると紫やら黒やらと不気味な色が光始まる。
「やっと会えましたね!ご主人様ー!」
ツインテール少女がいた。アンラなのか?いや、このテンションからしてそうだろう。紫髪で、ゴスロリドレス。見た目なら可愛い。中身が残念。
「酷く無いですか?悪い事しました?」
「したな。」
酷い酷いとアンラが俺に向かってポコポコ叩いてくる。泣きそうな目だな。あざと。
「私だけ塩対応……。」
「ほら、行くぞ。」
会話にならない言葉を交わす。待って待ってとアンラに言われる。早くしろ。
「どうもどうも、アンラちゃんです!宜しくね、ネイレスちゃん、マリーちゃん!」
元気だな。マリーやらネイレスとかに比べておばさんなのにな。見た目と中身はやはり違う。
「宜しくお願いします。アンラ様。」
「宜しく、アンラちゃん!」
マリーが食い気味だな。同い年に見えたのか?友達少ないって言ってたしな。
「ね、良かったでしょ?」
アンラがこっちを見る。
「楽しくなりそうだな。」
そう答えた。
「此処が公爵様の御屋敷を立てる土地になります。」
なんかデカい。広過ぎるだろ。伯爵様の御屋敷、領地の屋敷と比べても大きい。城一個は建てられる。
「此処に屋敷を立てる手配をしますので……。」
「いや、大丈夫です。」
言葉を遮り、断る。こんなの直ぐに出来る。
「複製。」
そう唱えると王城の模型が出てきた。後は現実世界の城なんかも作る。
「よし、みんなで好きなところを組み合わせてくれ。それを俺が作る。」
みんなに伝えると、分かったと返事がきた。
「ユウキも自分の部屋とか選んでね?玉座の間も必要でしょ?アンラちゃん、これは?」
「これはね、儀式をするところだったはず。まぁ、うちのご主人様には要らないでしょ。ね?」
みんなで楽しく話し合っている。俺にも質問やらが飛ぶ。
「何か信仰したいんだったら作るけど。」
そんな会話が続く。
結局、部屋を大量に作る事になった。俺の模型は部屋ごとに外れて組み替えられるように作ったので、分かりやすいようにはなっている筈なんだがな。結構複雑。見た目は某ネズミ帝国の城とかホテルみたいな感じになってしまった。別に良いんだが。綺麗だし。
「作るか……。複製。」
この魔法は模写魔法を改造したのだ。大きさ、素材なんかを自分で決めることが可能だ。素材は自分のを消費するが。しかし生産スキルがある時点でそれ使えばいいだけなんだけど。
「出来た……!すごいわ!綺麗!お庭もあるよ!」
家具なんかも揃えました。頑張ったよ、俺。
『流石、主人ですね。』
『感動しました。』
リルや煌龍から言葉を貰う。君達は優しいな。可愛いし。
「流石でございます。しかし召使いを雇わなくてはいけませんな。この大きさだとざっと50人は必要かと。」
そこまで考えていなかった……。どうしよう。雇うか?
「そこはこちらにお任せ下さい。王様から派遣するようです。」
案内人の方が教えてくれた。マジか。有難う、王様。
「それとも私の眷属呼びますか?ご主人様の眷属なんで、私の眷属もご主人様の眷属ですから。アジ・ダハーカあたりなら……。」
「いや、絶対ダメだよ。破壊兵器みたいなもんを送るな。」
最悪の龍を送るな。番犬にでもする気か。