コメディ・ライト小説(新)

初めての彼女は異世界で ( No.8 )
日時: 2018/02/02 07:35
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

2章 聖国ラエル
第7話 初めての街

すぐに街に行きたいと思ったけど、ダンジョンで色々やんなきゃいけないから遅くなってしまった。一応、ダンジョンマスターになったので、管理しなければならない。あの悪魔は、魔獣の王からダンジョンマスターの座を奪ってたらしい。ダンジョンは自動管理設定にしておくか。後は、ダンジョンを建物の中にしよう。管理しやすいからな。建築スキルの出番だ。
「塔みたいなのにするか。よいしょっと。」
インベントリーから材料を消費するので、とっても楽なのです。人で作るよりも効率的で人権費もかからない、なんて素晴らしいことでしょうか。と考えている内に出来た。材料は有り余ってたやつから使った。ダンジョンは特殊な力が働いているようで、壊れない。すぐに再生する。でも、石造りにしといたけど。カッコいい方がいいじゃん。


「さてさて、街はどこかなっ!」
人が恋しい。コミュニケーションをとりたい。…コミュ障だけど。

門みたいなのが見えた。
「門番がいる!人だぁ。嬉しい。」
涙が出てきた。楽しみだな。驚かれたら嫌なので、少し離れた場所で地上に降りる。門に近づいてきた。
「身分証を見せろ。」
うん?身分証など持っておらん。どうしよう。これ、犯罪者パターン?
「えっと…無くしてしまって。」
「再発行か、銀貨2枚だ。」
お金?尚更持っていない。いや、別に本当に持っていない訳じゃない。魔獣狩りでドロップしたのがあったからな。しかしこの国のお金は持っていない。魔鋼国とか、教国とかしかない。困った。
「この国のお金は持っていないんですけど…。」
「ならば、売り物はあるか?買取もしているのでな。」
その手があったか。戦利品は余るほどある。レアぐらいのものがいいか。虎の皮でいいか。
「これはっ⁈炎虎皮ではないか!こんな物、売っていいのか?」
「珍しい物何ですか?レアなのに?」
「入手困難なんだよ。成体だと、強いからな。Bランク以上の冒険者しか、狩れないんだ。上質な物だから、金貨13枚だな。ここから銀貨2枚を抜くと、金貨12枚と銀貨8枚だ。今、持ってくる。」
「そんな高いのか…アレ。」
そう呟いていると、
「これが、金だ。」
「有難うございます。」
お金を受け取ると、水晶玉の前に連れて来られた。
「これは、ステータスを見る道具だ。犯罪者かどうかを見る道具でもある。」
そうなのか。ステータス、見られたら、ヤバイ気がする。隠蔽してみるか。

ユウキ・カトウ
Lv.13
魔力 495
筋力 354
体力 632
精神力 306
素早さ 206
幸運値 50
スキル
水属性魔法スキル、風属性魔法スキル、光属性魔法スキル
職業
魔法使い

さっき、門番さんのステータスを見て、参考にした。これが普通らしい。…Lv.13の時のステータスから俺、異常だったな。
「よし、これで完成だ。もう、無くさないようにな。」
「有難うございます。」
そうして、街へと入って行った。


初めての彼女は異世界で ( No.9 )
日時: 2018/01/08 14:24
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第8話 冒険者ギルド

街を歩いていくと奴隷が多いことに気づいた。ステータスでわかるからなぁ。そういえば、この国のお金の単位は
青銅貨=10円
銅貨=100円
銀貨=1000円
金貨=10000円
白金貨=100000円
金剛ダイヤモンド貨=1000000円
という感じだ。10枚で一つ上の貨幣になる。ダイヤモンドってこの世界にもあるんだな。にしても、人間の人が多い。亜人とかみたい。世界視を使うと亜人差別が酷い。まぁ、人間は未知なものが怖いですから。俺は俺自身が怖いけど。え?今何をしているか伝えろって?今は冒険者ギルドを探している。この国には階級があるらしいからな。だが、冒険者ギルドはその制約を受けない。世界の機関だからだ。入れば税も取られない!お得感ありありプライス!やっぱ定番だよな、冒険者ギルドって。他に話はないかって?作者よ、無理矢理感が半端ない。あとは身分証のことだな。この国は人間しか入れない。差別的だからだ。なので種族がない。また、装備は個人情報や窃盗事件が起きないように書かない。そう考えているうちにギルドへついた。雰囲気は如何にも賑やかそうな感じだ。勇気を出して入る。チリン、中を見ると酒場が併設されていた。賑やかだ。昼間っから酒を飲んでいる。俺、未成年だったから、酒を飲んだことが無い。しかし、この世界では16、17辺りから成人らしい。飲んで見たいとは思うが、酔いそうだ。母親も父親も弱いから。おっと、そんなことより登録しなきゃな。俺は受付カウンターに行く。神様のお陰でこの世界の字が読み書きできる。それも全ての国の。有難うございます。俺、神様信じてます。そんな妄想をしながら歩く。
「なんの御用でしょうか!」
…受付嬢が赤面している。なんか恥ずかしいこと言った?思ってみると俺が入ったら静かになったな…。やばそう。早く用件を済ませよう。
「冒険者として、登録したいんですが。」
「はいっ!畏まりました!」
本当に何かした?俺。すると不意に声が聞こえてきた。
「イケメンだな、アイツ。」
「あんな男に抱かれたい。抱いても良い。」
何を言っているんだ?俺は絶世のブスだ。こんな俺に振り向く人間なんていないから。普通。すると受付嬢から紙を貰った。
「ここに名前などを書いて下さい。必要最低限のことだけで良いです。名前が書いてあれば発行します。」
「有難うございます。」
職業なんかもあるなぁ。魔法剣士辺りでいいか。
ユウキ・カトウ
職業 魔法剣士
とだけ書いた。
「お願いします。」
「はいっ!すぐ出来ますので、少々お待ち下さい。」
嬉しそうだったな。まぁいいや。すると巨体な男が近づいてきた。これはテンプレ展開だ、と思った瞬間、
「にいちゃん、名前を教えてくれないか。」
テンプレ展開などなかった。悲しいよ。俺、雑学だけは詳しいのに。
「ユウキ・カトウって言います。」
「おう、教えてくれてありがとよ。俺はニギルだ。Bランク冒険者だ。宜しく。」
「はい。宜しくお願いします。」
「何かあったら、手伝うぜ。じゃあ、またな。」
手を振った。優しい人だなぁ。良かった、会えて。
「カトウ様、ギルドカードが完成しました。」
いつのまにか受付嬢が来ていた。俺はギルドカードを受け取り、見てみる。
ユウキ・カトウ
ランク G
職業 魔法剣士
最低ランクからか。頑張るわ。ゆるゆると。
「説明させていただきます。カトウ様は新規発行なので、最低ランクからとなります。最高ランクはSSSランクとなります。クエストを10回クリアしますと、ランクが上がります。クエストランクは自分の一つ上まで挑戦可能です。失敗すると違約金が発生しますのでお気をつけ下さい。また、Dランク以上からは試験があります。合格すると、上のランクに上がります。」
カードの縁が光っている。この色もランク順らしい。下から、白<黒<紫<青<緑<黄<赤<銀<金<白金となっている。白からのスタートだ。
「ランク上げが出来ますが、どうしますか?」
出来れば、討伐系の依頼がやりたい。装備とか作りたいし、色んな魔物を見てみたい。
「お願いします。」
そう、頼んだ。

初めての彼女は異世界で ( No.10 )
日時: 2018/01/08 18:54
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第9話 ランクアップ試験

ギルドカードを預けた後、ギルドにあるコートが案内された。
「ランクアップ試験は、Fランクの方と戦っていただきます。お相手はカネーモチさんです。そこの武器をお使い下さい。」
名前からして金持ちだな。早くランク上げたい。
「分かりました。」
どれにしようか。…剣でいいか。
「フン、若僧め。調子に乗るなよ!」
テンプレ展開だ。嬉しい。俺の雑学の出番だぜ。
「では…始め!」
俺は直ぐに相手の首に剣を突きつけた。2秒だ。手加減はした方だ。
「…!あっ、カトウさんの勝ち!」
対人戦なんてしたことないからな。
『《手加減スキル》が《制御スキル》に変化しました。《対人戦スキル》を取得しました。』
久し振り、チートよ。
「何をしたんだ!きっとズルをしたんだ!」
カネーモチがなんか言ってる。きっと誰にも見えなかったんだな。スキルを習得するんだ、頑張って。
「では、カトウ様はFランクに昇格しました。ギルドカードを受け取り下さい。」
上がった。嬉しいな。討伐したいしたい!早速クエストしに行こう!っとその前に宿を探すか。
「あの、すみません。」
受付嬢に話しかける。
「はいっ!カトウ様、何ですか?」
「オススメの宿はありますか?なるべく、お財布に優しいのがいいのですが。」
「えっと、子豚亭という宿はどうでしょう。安くて美味しいです。対応も丁寧ですよ。」
おお、期待出来そうだ。
「後、この街のマップを見せていただけませんか?」
「はい、これです。」
一瞬で記憶する。図書館で、調べ物もしたい。
「有難うございます。」
まだ、お昼も食べてないし。この国の料理を食べてみたい。そう思いながら、ギルドを出て行く。街を歩いて行くと、大通りに出た。出店がたくさんある。いい匂い。せっかくなので食べ歩きをしたい。
「これ、一つ下さい。」
「はい、銅貨3枚ね。おつり銅貨7枚。はいっ、どうぞ。」
「有難うございます。」
サンドイッチみたいなのだ。パンは黒いけど。一口頬張る。野菜の食感がいい。ハムも肉厚だ。
そんなこんなで、食べ歩きをした。

初めての彼女は異世界で ( No.11 )
日時: 2018/01/08 14:23
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第10話 図書館と宿

「図書館へようこそ。入館料は銀貨1枚です。…確かに受け取りました。」
図書館に来た。魔法についての勉強、歴史なんかも知りたい。
「さて、魔法書は…あったあった。」
『全魔法録書』 『究極魔法書』
『黒魔術本』 『白魔術本』
『魔法史』
沢山の本を読む。読めるかどうか心配だが。俺は本を読み始める。
『《速読スキル》を取得しました。《完全記憶スキル》を取得しました。』
やっぱりな。嬉しいけど。試しにパラパラとめくってみる。おお、内容が読める。よく分かる。スゲェ。そういえば、この世界に来てから、記憶力が良くなった気がする。まぁいっか。パラパラめくって、直ぐに読み終わった。
『《黒魔術》、《白魔術》、《無詠唱スキル》、《全呪文スキル》、《精霊魔法》を取得しました。』
魔法に関して、最強になった。多分だけど。魔法史を読んでいて、気が付いたことは、エルフがやっぱり魔法が得意なんだなってこと。ハイエルフ、ダークエルフにも会いたい。
図書館の用事が済んだので、宿に行くことにした。
「子豚亭は…ここか。」
結構大きな宿だった。早く泊まってみたいな。前世では、ホテルとか行ったことなかったし。
「いらっしゃいませ。」
女将さんだろうか。母性溢れる人だ。取り敢えず、1ヶ月くらい泊まるかな。
「1ヶ月、宿泊したいのですが。」
「金貨、1枚となります。」
結構高いけど、これから冒険者として生きていくので、そのくらいの消費はしょうがない。
「お願いします。」
金貨を渡すと、部屋へ案内された。
「食事は1日3食となります。それ以上は料金を戴きます。」
「有難うございます。」
俺は部屋に入り、ベッドへダイブした。

初めての彼女は異世界で ( No.12 )
日時: 2018/01/09 19:14
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第11話
初クエスト&召喚術

「うーん、クエスト何にするか。」
まだ、低いランクだから討伐系が少ない。スライム辺りを討伐するか。

ブルースライム討伐
ランク F
Fランクモンスター、ブルースライムを10匹討伐。場所は黒い森。
報酬 銀貨1枚

掲示板に貼り付けている紙を剥がしてカウンターへ持っていく。
「これ、お願いします。」
「畏まりました。お気をつけて。」
ギルドを出て行く。黒い森は……西門から行くのか。

西門から出て、森に向かっている。かなり遠いので、飛んでいる。さすが、時速100キロ越えだ。直ぐに見えてきた。せっかくなので、色んな魔物を狩ってみたい。そう考えているうちに入り口に着いた。
「黒い森だなぁ…。ライトを使うか。」
光魔法のライトを使う。すると小さな光球が出てきた。俺の周りを照らしている。俺は黒い森に足を踏み入れた。
スライムを探す。世界視スキルは、索敵、マップ、鑑定のスキルが合成したスキルだ。便利過ぎる。さてさて、ブルーなスライムさんはいますかー、といたいた。10メートル先に3匹か、やってやるぞー!歩いて行くと、青いスライムがいた。定番だぜ!俺はライフルを出す。ドロップアイテムを改造したやつだ。ソードタイプにもなる。近接、遠距離対応だ。勿論、誘導銃としても使える。今の俺だったら、流星群メテオシャワーを100発程度は撃てる。魔力なら、誰にも負けない。…ハイエルフなんかは知らないけどね。
「よしっ!」
1発撃って当たった。スライムの討伐の証は、スライムの魔石だ。絶対にドロップするらしい。他の2匹も撃つ。音はしない仕組みだ。煩いし、ライフルはこの世界じゃ珍しいから。この調子でどんどん行くぞー!

「えっと、スライムが2685匹討伐ですか……。今、換金してきます。」
勢い余ってやってしまった。スライムの大群がいたからついつい。他にもドラゴンもいたので狩った。売ってないよ、勿論。材料が使えるし。
スライムの材料も武器作成に使うから、500匹分はある。宿に帰ったら、装備を造ろう。

「何を造るかー。俺の装備は整ってるし、炎帝剣は恒星のライフルソードを造るときに使ったからなぁ。何しよう。うーん。」
この間、召喚術の本を買ってきたので、本を読むか…、うん?待てよ?召喚すれば、装備が必要なんじゃないのか?よし、しよう!

召喚術スキルを手に入れて、魔法陣を早速描く。全魔法陣スキルも手に入れたから、強いのを召喚したい。
「精霊召喚、天使召喚、悪魔召喚、魔獣召喚…どれにしよう?悩むわ〜。うーん…」
召喚したいがどれにするべきだろうか。魔獣召喚は魔獣だ。だが、精霊、悪魔召喚は人型とは限らない。獣型が多い。精霊と悪魔は上級でなければ人型ではない。精霊の一番上は精霊王、悪魔の一番上は魔王なのだ。一体しかいないし。天使は人型しかいないけど。困った。魔獣も、最強は伝説だし…あーもう、全部やればいいんだろ!最初は魔獣召喚から、魔法陣を描いていく。召喚魔法は初めての魔獣なんかを呼ぶ時は詠唱が必要だ。契約すれば大丈夫だ。だが契約も、向こうが求めてくる期待に応ないといけない。どっちもwin-winだってことか。
「我が召喚陣より呼び醒ませ。魔獣よ、我の声に応えよ。」
詠唱すると、魔法陣が輝き始めた。そして、目が失明するほど眩しくなる。身体能力スキルを使い、光量を調節する。少しずつ光が収まり、魔獣の姿が見えてきた。召喚陣は流石に宿でやるのはアレなので、近くの平原でやっている。うん?なんか、でかいなぁ。
『我を呼んだのは汝か。』
ドラゴンみたいな。光を放っている。まぶしっ!
「えっと、そうですけど…。あのーお名前を伺っても?」
なんていうドラゴンなのか知りたい。
『我は天龍、神に力を与えられた、五体の龍の中の一柱だ。』
わあい、俺の幸運値は最強だぁ。
「契約したいんですけど、いいですか?」
契約出来るかどうか怪しいが、言ってみる。
『我と契約したいのであれば、我と戦い、勝て。』
いやいや、無理だろ。人間と龍だそ。天と地の差だ。
『やらなのか?まぁ、勝てる確率など0に等しいが。』
「やります!」
つい、口走ってしまった。負けたら負けたらだ。死ななければよしだ。俺は武器を出す。ソードモードにし、二刀流だ。
『それでは、始めるぞ。』
俺は、直ぐに行動に移す。斬り込みをする。龍が思いもしなかったようだ。隙をつき、片方だけライフルモードにし、麻痺効果のある弾丸を撃つ。急所に当たったらしく、龍が動かなくなった。
『うぐっ…わっ、我の負けだ…なんとか、してく、れ。』
俺はヒーリングをかけた。状態異常を治す治癒魔法だ。
『契約成立です。主人よ。これから宜しく御願い申し上げます。』
ウンウン、ヨカッタナァ。
「えっと、戻っちゃう?元の場所に。」
寂しいから、ボッチは。一人は嫌だぁ。いて欲しい。
『出来ます。しかし、主人の魔力を使うことになりますが宜しいですか?』
「いいよ。どの位使う?魔力なら、250000ぐらいあるけど。」
龍は驚いたような顔をした。
『それ程あるのでしたら、心配ないでしょう。魔法も使えますよ。』
そうか、良かった。そういえば、名前はなんて言うのだろうか。
「名前はなんていうのか?」
『昔は、煌龍と呼ばれておりました。』
「うん、宜しく、煌龍。」
『はい。』
煌龍との出会い。


初めての彼女は異世界で ( No.13 )
日時: 2018/01/12 19:08
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第12話
ジジイ召喚と目的決定

「次は、精霊召喚するか。煌龍、何か知っていることはあるか?」
煌龍は物知りだ。この世界は俺よりも生きているし、年上だし。
『精霊には、階級があります。下から、下級、中級、上級、そして貴族や皇族、そして皇帝となるのです。人間の階級も、精霊からのルーツです。』
それがルーツなのか。人型は確か、上級からだったな。人型がいいなぁ。俺は召喚陣を描きながら思った。

「私達の声にお応え下さい。私達をお救い下さい。精霊様よ!」
なんだか敬う感じだな。精霊信仰もあるみたいだからか。
召喚陣が光り出した。煌龍並みに眩しいんですけど!スキルを使い、なんとかする。チート、謝謝。シェイシェイは中国語ですよ。(発音は知らん)字はあっているはずさ!多分…。
「儂を呼んだのは、君か?」
煌龍とは違う、人間じみた声だ。声のする方を見ると、白い髭を生やした、老人がいた。某魔法学校の校長だ。こんな髭の人、初めて見たわ。
「君、失礼なことを考えていないか?」
バレた。telepathy(テレパシー)あるの?発音良くない?
『貴様は、皇帝⁉︎主人よ。精霊王です。』
この人が精霊王か……。なんか、偉大な感じがしたけど。女の子じゃなかった。前世はモテなかったからな。そうだ、俺、彼女欲しい。目的が決まった!
「オッホン、儂と契約したいのであればステータスを見せるのじゃ。偽装しても無駄じゃ。儂は真実を見極めることが可能なのじゃよ。」
俺の完全偽装は、ステータスを低くすることしか出来ない。本当のステータスより下でなくてはならないのだ。
「なんじゃ⁉︎このステータスは⁈人間離れしておる…‼︎確かに、儂を呼ぶ魔力があるな…。…分かった。貴殿を儂の主人と認めよう。宜しくな。儂の名は、パウアンネじゃ。そこの天龍より長生きしておるから、知識などは頼りにしておくれ。」
やったぜ。契約出来た。なんか、爺ちゃん感しかないんだけど。
「宜しく、パウアンネさん」
やっぱり敬語は使わないとと思ったら、
「あだ名で良い。パウアンネさんじゃと長いじゃろ。」
そう言われた。うーん、何にするか、
「じゃあ、パウ爺で良い?」
半分くらい冗談だ。しかし
「パウ爺か、嬉しいな。君は孫の世代と同じくらいだからかな。それで良いぞ。」
有難い。パウ爺の響きがいいなぁ。
俺は長寿のパウ爺に出会った。

初めての彼女は異世界で ( No.14 )
日時: 2018/02/02 07:36
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第13話 装備作成

「さて、仲間が増えたから、装備作るぞー!」
やっと本題だ。早く作りたい。装備作成が一番楽しい事よね、ホント。彼女がいれば良いのに……。非リアな俺は悲しむ。哀れなり。
『主、私は生身でも支障は御座いませんが?』
そりゃそうですよねー。こんな硬い皮膚ですから。そもそも近づけないから、普通。まぁ、作りますが。
「煌龍はさ、姿を変えられる?」
このデカさだと、街を歩くことが出来ない。兎も角、デカイので。
『可能です。今から変えます。』
ポンッ、と可愛らしい音がすると、煌龍は小さい幼龍になっていた。かなり小さくなったな。俺の顔ぐらいの大きさだ。
『この姿では、いつもの大きさのよりステータスが低くなります。街一つは消せますが。』
いやー、それでも凄いですよ。さらっと言いましたけど、ヤバいですよ。まぁこれで、煌龍の装備を作ることが出来る。
「パウ爺はどんな装備が良い?」
パウ爺も装備を作る。折角の出会いなのだ。記念品みたいな感じで作りたい。
「そうじゃのう。いや、この喋り方はやめにしようか。ウウンッ………
旦那様、執事服などどうでしょうか。」
パウ爺が、咳払いをした後に口調を変えた。そして、伸びていた白髪も結んでいた。執事を意識してるのか?うーん、作ってみるか。
「パウ爺はどんな闘い方をするの?」
闘い方を聞く。魔法なんだろうから、ローブかなぁと思った矢先。
「剣を主に使用します。魔法も使えますが、補うだけです。」
この人は剣豪だったのか…!俺は二人にあった装備を作ることにした。

まず、スライムからドロップした材料を使う。スライムは弱いが、吸収が凄く良い。上手く使えば、攻撃吸収が可能になる。えーっと、あった。『スライムの液体』『ブラックタイガーの皮』『神金オリハルコン』etc…
「おいっしょっ、と!」
こうやって、形を整えて…出来た!


俺はパウ爺の執事服と煌龍の鎧を作った。パウ爺は機動性の高い性能に、煌龍は大きさが変わるので、フィットする様なエンチャントをした。

暗黒空間ブラックホールの執事服
全ての攻撃を吸収する。また、吸収した魔法は魔力に変換し、使用者の魔力を回復する。衝撃も吸収可能。ポケットの中はインベトリーがエンチャントされている。服の中は空気調節が出来る。

煌王の星鎧せいがい
どんな身体にもフィットする。全ての攻撃を吸収する。衝撃も吸収可能。吸収した魔法は使用者の魔力に変換される。光を放つ。鎧の中は空気調節が出来る。

やっと出来た…!10時間くらいかかったと思う。よし、プレゼントするぞー!
「煌龍、パウ爺、出来たぞ!試しに着てほしい!」
二人は快く受け取ってくれた。
着替えてくれたら、めっちゃ似合ってた。やべ、パウ爺イケメンだわ。煌龍は可愛い。うん。
「似合いますかな?私は着たことがないので。」
『主、とても心地良いです。有難う御座います。』
二人共喜んでくれた。良かった。改めて、
「これから、宜しくな。」

初めての彼女は異世界で ( No.15 )
日時: 2018/01/16 20:35
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第14話 移住します

装備作成をした後、宿に戻った。パウ爺には、部屋を用意して貰った。煌龍は俺の部屋だ。身支度を整えて、ギルドに行く。
「パーティを組んでもいいか?」
パウ爺に聞いた。煌龍は俺の召喚獣だし。
「そうですね、そうしましょう。旦那様を守る為に必要ですから。」
OKを貰った。さて、ギルドに行くか。そう思った矢先、パウ爺に話し掛けられた。
「旦那様、余計な事かと思いますが、一つだけ、申し上げたいことがあります。この国を出て行くべきかと。」
いきなり言われたので、驚いた。別にこの国に思う事は無いが、移動する気は無かった。すると煌龍も
『私も賛成です。近々この国は、獣王国との戦争になるでしょう。主の身が危険に晒されるのは、黙って入られません。』
うーん、そうなのか。危険に晒されるのは嫌だけど、行く当ても無い。考えていると、
「魔法帝国は如何でしょう。精霊達も住みよい国です。皇帝も、人柄の良い人ですから。ギルド本部もある国です。」
そうなのか。精霊は基本、心が澄んでいる人としか、契約しない。
「分かった、行こう。」
俺はそう答えた。

初めての彼女は異世界で ( No.16 )
日時: 2018/01/17 20:57
名前: こあく (ID: 9Zr7Ikip)

第15話 馬車で魔法帝国

「有難う御座いました。また、お越し下さい。」
俺は宿のチェックアウトを済ませて、外へ出た。短い期間だったが、お世話になったので、アイテムポーチをプレゼントした。珍しいからな。まぁ、試作品ですがね。品質は保証されてるので、安全です。どんな商売も品質ですから。
「移動するのに、飛んで行くのは大変でしょう。煌龍に乗るのも良いですが、かなり目立ちます。此処は一つ、馬車を購入した方が宜しいかと。」
パウ爺から助言だ。確かに、目立つしなぁ。これからも使うだろうし。うん?待てよ。俺が馬車を作ればいいだけじゃね?うん、そうしよう。
「パウ爺、平原に転移するから。馬車作るからさ。」
パウ爺は正直驚いていたが、すぐに納得してもらえた。煌龍は最初から分かっていたようで、うんうんと頷いていた。

「成る程、馬車本体に空間魔法を付与しておけば、拡張できて、荷物とか生活スペースが出来るのか!」
色々と考えていた。見た目なんかはもう考えているので大丈夫だ。生活スペースが出来るのなら家具も作らないとな。

「本体は出来たのは良いんだけど、肝心の馬がいない……。」
やってしまった。馬がいなければ馬車じゃ無い。うーん、助けてー、パウ爺!
「そうですね、召喚して仕舞えば良いのでは無いでしょうか。旦那様の素晴らしい馬車なのですから、素晴らしい生物が引くべきなのです。」
有難う、パウ爺。お世話になっております。召喚するぞー!

「よーし、俺の気合いで何とか馬よ来い!」
別に無詠唱なので、詠唱は必要ないのだが、気合いを入れている。召喚陣が光始める。相変わらずだな。魔獣召喚なので、きっと馬が来るだろう。馬の魔物、どんなのかなぁ。

「なんでこうなった…。」
目の前にいる魔獣、その名前は、
『我はフェンリル。魔獣の真祖だ。』
いや、俺は馬を願ったのですが。フェンリルなんて望んで無いんですけど。
「流石は旦那様です。フェンリルを召喚するとは。」
パウ爺、慰めになってない。うぅ、ひっぐ、ひっぐ。泣ける。
『私を召喚したのは貴殿か。』
わー、要求を飲まないとなぁ。
『此処は、我にお任せを。』
煌龍が言ってきた。え?何すんの?そもそも、召喚者が何とか普通するでしょ。
『久し振りだな、フェンリル。』
元の姿に戻った煌龍は輝いていた。眩しい。
『其方は、煌龍⁈何故、此処にいるのだ⁈』
驚いた顔をしていた。
「私も、お忘れなく。」
パウ爺もちゃっかり言っている。いや、あんた精霊王だよね。
『天の老人パウアンネ様も何故⁈』
「えっとフェンリルさん、お取り込み中申し訳ないんだけど俺と契約して欲しいんだよね。うん。」
怖い怖い、まじぱねぇ。
『……。分かりました。パウアンネ様や煌龍がいる時点で、契約は決まったものです。これから、宜しく御願い申し上げます、主様。』
仲間が加わったのは良いが、馬をどうするか。フェンリル、何とか出来ないか。
『そうですね、私が呼びましょうか?グリフォン辺りなら良いかと。』
えっと、そんなこと出来たんですか?パウ爺さん、どういうことで。
「旦那様が召喚するところを知りたかったからです。」
笑顔だった。絶対悪意ありましたよね、ありますよね。

「リルで良いか?」
『はい!』
フェンリルだと長いので、リルって呼ぶことにした。後、リルにグリフォンを呼んでもらって、馬車ならぬグリフォン車が出来た。リルは、可愛い犬、日本犬くらいの大きさになっていた。かわええ、マジです。
「では、主発致します。」
パウ爺が運転してくれる。
俺らは、魔法帝国へと向かった。