コメディ・ライト小説(新)

Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった【新】 ( No.27 )
日時: 2014/07/10 17:34
名前: 美奈 ◆5RRtZawAKg (ID: bUOIFFcu)

第14話
授業中にそうっと俺のペンを取ったり、寝てる間にハッ、と目が覚めたら隣で悠馬が寝ていてぶったまげたり…。
そんなめちゃくちゃな日々が、ここ一ヶ月ほど続いていた。
でも、あいつといて1つだけ良いことがある。

やっぱり楽しいのだ。

楽しいに越したことはない。何度かあいつを本気で消そうと企んだけど、それはやめておいた。
でも、冗談でいう時の"お前消すぞ"というフレーズは俺の口癖になっていた。第三者が聞いたら、恐れおののくだろうが。

『こらっ、集中せいっ!!』

悠馬がぴしゃりと言い放つ。

「はいっ」

俺は慌ててペンを握り直し、数列の問題とにらめっこした。

もうすぐ、中間テストなのだ。

Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった【新】 ( No.28 )
日時: 2014/08/10 02:11
名前: 美奈 (ID: lh1rIb.b)

第15話
・・・・・・・・・・・・・・・
僕は知っていた。
…京汰が恋している女子のことを。

京汰のクラスには、一人、ずば抜けて可愛い女子がいた。
彼女の名前は、篠塚華音。
HRでも、他の授業の時でも、京汰の目がチラチラと華音を追っていることを知っていた。

くるんとした大きな瞳。両手で包んだら、隠れてしまいそうな程の小顔。お日さまのように笑って、その度に良い香りのする長い髪が揺れて。

そんな彼女に…

式神の僕も惹かれてしまった、というのも、当然のことではないだろうか。

だから僕は、なるべく京汰を試験勉強に集中させた。


華音を見ないで。彼女を見つめないで。
これ以上、好きにならないで。

僕は、華音を独占したいんだ…。