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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった ( No.39 )
- 日時: 2015/01/22 19:38
- 名前: 美奈 (ID: WEFYk.MN)
第20話
・・・・・・・・・・・・・・・
「もうもうもうもうっ!!なんでテスト中までうるせーんだお前はっ」
『いやいや、何よその言い方』
「それはこっちの台詞だっての」
テスト中、悠馬によると"エール"らしいが、彼は、俺にとってはどうしようもなく心を書き乱すような行為を繰り返してきた。そこで帰宅した俺はドアを開けるやいなや、怒りに任せて怒鳴り散らしたのである。10月に入ってもまだ暑さは残っている…いや、俺が怒りすぎて暑いだけか。
そして、ここからは俺×悠馬の見苦しい争いが続いた。
『この式神様が、ずーっと傍を離れることなく文句を言わずに家事を全うされ、テスト中には京汰くんにエールを送り続けられていたと言うのに、何なんだよこの言われ方!』
「あ?!なんで式神如きが敬語使ってんだよ!大事な大事な篠塚華音様をかけたこのテストの真っ最中に俺様の心をかき乱したのは誰だ!お前だっての!」
『敬意の対象が違うよ!それに自敬語使うとかありえなーい』
「…そんな言葉どこで覚えた」
悠馬はしれっと答える。
『京汰の古典の授業』
「そんなこと覚えてどーすんだ、古典なんて役に立たねえぞ、英語でも勉強しとけこの野郎」
『OK. I'll study English harder.』
「…どこで覚えたんだ」
『選択授業』
「ん?俺の選択授業?美術か?」
ちなみに言っておくが、俺は絵を書くのが好きで、それなりに周りの評価も良いため、実技を選択している。
『んーん、英会話』
「英会話?そんなの選択してないけど?誰の選択授業?」
ここで悠馬がどもり始めた。式神には相当似合わない、苦笑いなんぞ浮かべている。その技術、お前には100年早いっつーの。
『か、かのっ…、かっ…』
俺は自覚した。…自分の唇がやけに震えていると。
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