コメディ・ライト小説(新)

Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった ( No.40 )
日時: 2015/01/23 19:36
名前: 美奈 (ID: WEFYk.MN)

第21話
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僕は気づいた。京汰の唇がやけに震えていると。
そして、彼は僕と同じようにどもり始めた。

「か、かのっ…、かっ…」

ここでからかったのが悪かったのかな。とにかく、あの時の諸悪の根源はこの式神様にあったのかもしれない、と結論づけるしかない。

『ん?なになに、カノッサの屈辱?すごいじゃん京汰、ちゃんと試験範囲覚えてる!!』

僕はこの時が初めてだった。
人外のモノが人間を恐れた瞬間だった。

「てめ…今なんつった」

『…ん?!』

「何で華音様の選択授業なんか勝手に参観して授業内容覚えて来てんだよふざけんなよ華音様の授業見たいのはこっちだよだってお前俺の世話役じゃなかったわけなんで俺の傍に隠形してないのねえ何なの俺が授業集中してる時にどこ行ってんのお前いくらなんでも式神として度が過ぎるぞそろそろ消してやろうか?」

こんな弾丸のようなことを言われて、慄かない者はいないはずだ。そうでしょう?…というか、彼のノンストップの台詞よりも、華音ちゃんに対する執念じみた好意に慄いた。

『京汰…』

「あ?なんだ?何かあんなら行ってみろこの野郎ただし俺の逆鱗に触れること言ったら直ちに消すけどなっ」

『京汰、君って、勝の息子でしょ?血縁関係あるんでしょ?恐らく多分高い確率で絶対に陰陽師だよね…?……言霊を雑に扱い過ぎだよ…術者としての意識をもうちょっと…』