コメディ・ライト小説(新)

Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった ( No.43 )
日時: 2015/01/28 21:55
名前: 美奈 (ID: 6FfG2jNs)

第22話
「うるせぇぇぇぇぇ!式神に諭される謂れはねぇよぉぉぉ!!」

…恐らく僕の先ほどの発言は、京汰の逆鱗に触れたようだ…。
まぁでもホントのことを言ったまでであって、僕に非はないと信じる。だって、今時、あんなに有能な陰陽師を父に持つ子どもだもの。色んな可能性を見据えた上で、彼には多少気をつけてもらいたいだけで…

「…悠馬ぁぁ聞いてんのかこらぁぁ、式神と人間様の関係性について述べてたんだぞ俺わぁぁ」

『…あ、ごめん』

…あぁもう、どうしてここまで僕は京汰くんの逆鱗に触れてしまうんだろう。
ねぇ主人、助けて。
ちょっとアナタの息子さんの扱い方が僕はわからない。

「んにゃぁぁあっ、華音ちゃんの授業に行ってるとか許せない!今回は相応の罰を与えなくては…!退治だ退治妖怪退治だぁぁあ」

妖怪じゃないよ、式神だよ。
…と言う間もなく、僕の背後には鬼気迫った京汰がまさに襲いかかろうとしていた。
男の執念も、女同様に怖い。

そしてこの後、僕らは家中を駆け巡り、ノートや新聞を手にして、決死覚悟の激闘を繰り広げたのだった…。

Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった ( No.44 )
日時: 2015/02/01 17:07
名前: 美奈 (ID: 6FfG2jNs)

第23話
・・・・・・・・・・・・・・・
結局、昨日の格闘では、俺が二発、悠馬が一発拳を入れた所で終わった。
…つまり。
この闘い、立派な人間、藤井京汰様の勝利で幕を閉じた。まっ、俺様が人外のモノに負けたらお話にならないよなっ。

そんな訳で、格闘にエネルギーを費やしたため、きちんと勉強できなかった…と思い後悔したのだが、テスト直前期の地道な努力が功を奏したのか、テスト二日目も意外によくできた気がした。
…まぁ、昨日悠馬がたまたま口走っていた、"カノッサの屈辱"がドンピシャで出題されたのには驚いたけど。

〈ほぅら、僕の予想がドンピシャ!京汰、式神様に言うべき言葉は?〉

…父親が作り出した式神は、どうしてこうも学習能力が低いのか。
俺の嫌なことがわからないのか。
こいつは欠陥品なのか。
この欠陥品を生み出したのは、父親の故意か、偶然なのか。
どこまで憎たらしいんだ、と、同じ教室でテストを受けている華音にバレないように、心の中で毒づくしかなかった。