コメディ・ライト小説(新)

Re: 俺の恋敵は憎たらしい式神だった【新】 ( No.9 )
日時: 2014/04/01 15:19
名前: 美奈 ◆5RRtZawAKg (ID: apTS.Dj.)

第2話
そう、僕は人間じゃない。
式神だ。

昨夜、勝によって僕は生まれた。

術を唱え終え、目の前に現れた僕を見て、勝は明らかにほっとしたようだった。

ーはじめまして…。主の勝だ。これから長い間、出張で家をあけるから、君に息子…京汰のことを任せたいんだ。よろしくな。もしあいつが何か危険な目にあったら、京汰を護ってやってくれ

それから勝は少し考え込むようにして、また口を開いた。

ー君に名前を与えよう。…悠馬、そうだ、悠馬にしよう。それから、悠馬。君にいくつかお願いがある

僕は、名を与えてくれた主の顔を見つめた。

ー君には、必ず守らなければならない理(ことわり)がある。……決して人間を傷付けるな。そして、殺めるな

はい、と返事をすると、小さく笑った勝はまた付け足した。

ーあとは、主である俺のいう事を守ってくれ。度の過ぎた行動はやめろよ。無闇に勝手なことをするな。自覚を持て。……これだけだ

そして僕は、主である京汰の父、勝に仕える身として、実際には京汰のお世話係として働くことになったのだった。