コメディ・ライト小説(新)

Re: 片恋.・。*平行線の恋模様*。・. ( No.13 )
日時: 2018/09/01 02:07
名前: Aika (ID: UPSLFaOv)

Episode6:気持ちと向き合うということ。





入学式から1週間あまりが経過して。
授業も本格的に始まった。

色々な部活動を仮入部するも、ピンとくる部活がなくて――――。

入部届は、いまだに白紙のままだった。


「―――ほんと…どーしよっかなぁ」
「吹奏楽、 入んないの?」

入部届を机のうえに置いて、 うなだれていると。
芽生が気づいたらのぞきこんでいて、不思議そうな顔で言葉を並べる。

「達也先輩に…また、アタックするチャンスだよ?のがしていいの?」

その言葉になにも言えなくなる。

達也との距離を縮めたい―――。

そう思う自分も確かに、心のなかにいる。

だけど―――。




今の達也の心のなかに、 まだあたしがいるという保証はなくって。
前に進むことに怖いと感じる自分もいる。


「迷惑、 じゃないかな。一度、フッたあたしなんかが入部して…」
「―――達也先輩が…そんな風に言うと思う?」


言葉を失う。
すると、芽生が優しい顔で言葉を並べていく。


「わたし、さ。柚月にはもう、後悔してほしくない。だから、自分がしたいようにすることが一番だと思う」

真っ直ぐな芽生の言葉が心にささる。
自分のしたいように、 か。




あたしは、 うなずいてから。


芽生と、むきあう。




「ありがとう…達也がどーのとかじゃなくって…あたし自身がどうしたいのかが一番大切だもんね!」



一呼吸をおいてから。
言葉をつづける。



「あたしは…やっぱ、 吹奏楽がしたい。それしか、やっぱり夢中になれるものがない!」




そうだ…。 恋愛に縛られて、 一番大切なことを忘れてた―――。




自分の気持ちがいちばん、 大切なのに―――。



達也がどう思うかとかそんなことばかり考えて、あたしの気持ちと全く向き合ってなかった―――。





そんなんじゃ、ダメだよね。






そう答えを出すと。
芽生は、満面の笑顔をしていた。





「やった!また、3年間、部活でいっしょだね~」
「うん!よろしく!」





高校生活…。
これから、どうなっていくのか分からなくて
こわいけど。



いまは、 自分のやりたいことを一生懸命頑張っていきたい。




素直にそう思った瞬間だったんだ。