コメディ・ライト小説(新)

Re: 晴れでも傘が必要になることがあります。【コメント募集中】 ( No.18 )
日時: 2018/05/06 19:15
名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
参照: http://明日ちょっと憂鬱卍←

#2 「じゃあそういうことにしておく」

「……お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
ハッと目が覚めて視界に広がったのは見覚えのある天井、そして自分よりも整った顔の妹の咲だった。

目をこすりながら、体を起こして時計を見ると家を出る10分前を指している。
「やばい、遅刻する!」
「ちなみに私は結構前から起こしてたから──」
制服を着てから急いで階段を下りる。 上から咲の声がしたけれどほとんど内容は聞き取れなかった。

新聞を読んでいるお父さんの前をバタバタと通って席につくと、またカレーだった。
「あぁ蕾、おはよう」
「お母さん、またカレー!?」
「またって何よ。 昨日の朝はカレーじゃなかったじゃない、夕飯の残りだから早く食べちゃって」
「え? 昨日の朝もカレーだったよ……ね?」

昨日もこのやり取りをしたはず──そうだ、昨日。
星と昨日一緒にいたら、星は……──。



もうこの世に星はいないんだった。
全然信じられない。 実感が湧かないよ。

「ほら、のんびりしてたら時間なくなっちゃうでしょ?」
お母さんの急かす声。
「う……ん。 やっぱいらない」


何か変だ。
星が死んでしまったのに、咲もお母さんも何も気にかける様子がない。
楓からの連絡もない。 いつも通りの日常が繰り広げられている。

携帯を取り出して、メッセージを確認するも通知はなし。
──なんとなくで日記アプリを開いてみる。


……昨日書いたはずの日記がなくなっている。

──そもそも昨日の出来事がすべて夢だったのだろうか。 でももしそうなら、今朝からのできごとは正確にその私が見た夢を再現している。
正夢、というのはこんなにも正確なものなのだろうか。


「咲!」
「どうかしたの? お姉ちゃん」
「私って昨日何してた? 夜」
「そんな急に言われても、いつも通りご飯食べたらそのまま部屋こもってて……」
「何か私に変わったこととかなかった? 例えば泣いてたとか……」
「いや? なかったんじゃない?」

おかしい。
昨日の1連の騒動からあとの記憶がすっぽりと抜けている。


どういうわけか全く分からないけれど。
現実的に考えられないことでも良いのだとしたら……もしかしたら、私は「昨日」をもう1度繰り返している──?

もしそうなら、そうだったとしたら……学校に行けばまた星に会うことができるんじゃ──?


そう思ったらいてもたってもいられず、「行ってきます」も言わずに私は乱暴に鞄を持って前を歩き始めていた咲と陽向ちゃんを抜かして学校へと急いだ。

「そんなに急がなくても学校間に合うよー!」
咲がそう言った。
そんなことは分かっている──でも今の私には1秒すら無駄にはできないのだ。


.*・゚


#2スタートです٩( ᐛ )و
ちょっと過去の文章を読み返しながら追い追い書いているので、矛盾などがあるかもしれませんが見つけたらそっと教えてくださったら嬉しいです笑m(*_ _)m

byてるてる522