コメディ・ライト小説(新)
- Re: 晴れでも傘が必要になることがあります。【コメント募集中】 ( No.28 )
- 日時: 2018/08/21 08:26
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://夏休みもっと欲しい
「……で、夢の中で俺が死んだってこと?」
「だーかーら、夢じゃないんだってば!」
昨日星と放課後のデートのことで話した場所と同じ、気がついたら廊下で私達はそんなやり取りを何回も繰り返していた。
「でも俺生きてるし──。 死んでねーから大丈夫だって」
「そうだね」
じゃあ私が見たあの夢は……? 妙にリアルで気持ち悪い。
私達の横を通ってクラスに入っていく人達から私達のことを言う声がパラパラ聞こえる。
「え、なになに喧嘩?」
「朝からよく人前でやるよなぁ」
途端に恥ずかしさがこみ上げてくる。
……でも星が死んでしまうということがもし本当だったら?
そう考えたら私はもういても立ってもいられないんだ。
「もう俺行くよ?」
星も今になって登校してくるクラスメイトに紛れて教室に入っていった。
なんでこうも上手くいかないんだろう。
……いや、上手くいくはずないか。
いきなり「お前このあと死ぬよ!」とか「昨日お前は死んだはずだ!」なんて言われてさすがに平然とできるわけがない。
「どしたの」
楓が教室から廊下に来て、当たり前のように私の横に来た。
「あのね、実はさ……」
言葉が喉に引っかかった。
──星が死んじゃうっていう夢を見たんだけど、その夢が妙に今日起きることに似ててさ……。
口にするのは簡単だったはず。
「いや、やっぱりもうちょい話聞いて欲しくなった時に言う」
「ん、わかった。 でもなんか気になるかも」
いつでもいいよ、と楓は微笑んだ。
そうこれは私が昨日見た夢が実際に起こっている。
朝のあの夢と同じ展開。
確か夢では寝坊をして家を出たら風香に会って朝からイライラしてたけど、今日は家を出る時間は遅くならなかったから陽向ちゃんに会ったことでイライラもなかった。
そんな私に次に起こることと言えば……。
「小テスト」
「なんか言った?」
「このあと小テストあるよ、楓」
「え、先生そんなこと言ってたっけ?」
「た、多分」
全然言ってたかどうかなんて分からない。
けれどしっかり信じ込んだらしい楓は最後に悪あがきくらいしないと、と言って
「早く教室入ろ!」
と私の腕をぐいっと引っ張った。
──結果として、私の小テストはけして良いものとは言えなかった。
果たしてこれから先の出来事はすべて私がみた夢と一致するのだろうか──。
.*・゚
ちょっとだけ短めですが、中途半端で終わってしまうよりいいかなと思ったので一旦切ります!!m(*_ _)m
byてるてる522
- Re: 晴れでも傘が必要になることがあります。【コメント募集中】 ( No.29 )
- 日時: 2020/04/20 20:54
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://2年弱。
「蕾の言う通り、先生が教室に入ってきた途端に小テストのことを口走ったからびっくりしちゃった」
抜き打ちだったけど、ついこの前ちょっと確認した問題が出てたから何とかなった〜と軽く伸びをしながら、楓がそう言うのを聞き流して、ただ私は自分が置かれている状況を冷静に分析していた。
星が生きている。
ならあれは単に私が見た、妙にリアルな俗に言う「悪夢」なんて言われるものなのか。
それにしては、先生や家族、自分の身の回りの人達の行動が夢の内容と一致している。
何よりも信じられないくらい夢の内容をはっきりと、鮮明に覚えている自分に戸惑っていた。
……確か2人でいた時に、星の携帯が鳴って……。
あの着信は一体何だったのだろう。
○
「今日のことなんだけど……」
授業の休み時間に私は星に声をかけたら、
「部活あるから少し遅くなるけど、駅で待ち合わせで良い?」
いつも通りに見えるけど、もしかして朝のことがあってからちょっとイラついてる?
「私は全然大丈夫! 星は? なにも予定とかない?」
私のぎこちない質問に若干顔をしかめ、いやだから予定は蕾と……と言いかけて、はっとした表情を浮かべた。
ほらやっぱり。あの時、夢なのかは分からないけど、やっぱり「今日」の星には予定が入っていたんだ。
「俺、予定あることとか蕾に言ってた……?」
なに、何かまずい予定?
もしかして私に知られたらまずかったことだったのかな。
「いやそういうわけじゃないんだけど」
「今日ちょっと行かなきゃいけない、所があって。また今度の放課後でもいい?」
私は頷いて、自分の席に戻った。
行かなきゃいけない所……何だか無理やり引っ張り出した言葉のように聞こえたけど。
私に言えないことって何だろう。
すぐに勘ぐって、怪しんで、確認もしないで。
私って最低、なのかな。
携帯のカレンダーアプリから「星」という文字を消した。
せっかくあった予定が真っ白になってしまうこの感覚はぽっかりと心に穴が空いてしまったような、そんな感じがする。
○
放課後、図書室。
夢の中で私が借りたはずの文庫本が置かれている。
見つけた時の衝撃が夢ではあったのに、今はない。
それでも手にとったのは、借りたは良くても内容を読んでいないから。
このあとも予定はないのに、早々と図書室を出て外に向かう。
視界に入る空、夢の中の空もこれと同じだっただろうか。
と、目の前から見覚えのある男女集団。
たしか私は夢の中でこの集団の中の1人の人とぶつかったんだっけ。
すっと道をあけると、私の横を5人が通る。
ぶつからずに済んだ。
睨まれずに済んだ。
「いいよ、行こうよアキ」
聞き覚えのある声。フレーズ。
振り返ると5人のうちのアキと呼ばれた男子と隣に立つ女子。
私がぶつからなかったからか。すぐ後ろにいた男子とアキがぶつかったらしかった。
自分があの立場にならなくてよかったと思ってしまう。
気づかないフリをしてその場を立ち去る選択をとる私は、紛れもなく最低だ。
.*・゚
ご無沙汰しておりました。
特にこの作品に関しては本当にとんでもない時間が空いてしまいました。
もうスレッドを上げるのもおこがましいくらいですが、上げさせて頂きます。
高校2年になりました。
今までこんなことがあっただろうかというくらい、世の中は慌ただしくて外出を自粛しなければいけないという生活が続いていますが、一刻も早く元の生活を送れる環境に戻ることを心から祈っています。
どうか体調にお気をつけください。
月に一度あるかないかくらいの頻度でしたが、カキコに足を運んでおりました。
小説を書くことがこんなにも難しかったかとこの本文を書くのにもかなり時間を費やしてしまいました。
小説として成り立っているのか否か。
また書き進めて参りますのでよろしくお願いいたします。
byてるてる522