コメディ・ライト小説(新)
- Re: 透明なもの。 ( No.1 )
- 日時: 2018/04/28 14:10
- 名前: sara (ID: xStpW3P0)
こんにちは、saraです。
初めてで少し緊張しています……。
趣味程度で書いているので、専門的な知識がわからず、変な書き方をしているかも知れないですが、ご了承ください。
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ピピピピッ、ピピピピッ……カチャッ。
「ふあぁ……」
私は大きく伸びをする。
パンの焼ける香ばしい匂い、すーっとカーテンを揺らすそよ風。私は朝が好きだ。
ラベンダーのボディミストをハンカチに少しだけ。体にも少し。
ふわっと、ほんのり香る。
慣れない制服に腕を通す。
かるーくリップと、チークと、パウダーをつけ、髪を結び、家を出て、電車に乗る。
次はー、新宿ー、新宿ー、お出口はー、右側です。
ああ、もういかなきゃ。
急いでスマホから顔をあげ、席から立ち上がった。
山本はるです。好きなことは、料理と、ショッピングで、えっと……
ダメだ。次の言葉が浮かばない。
今日は入学式なのに。
友達、できるかな。
ちょっと不安だな。
うーん、でも頑張るしかないし。
そんなことをかんがえながら歩いていたら、もう学校についてしまった。
「入学生はこっちねー!」
女の先生がそういっているのが聞こえる。
掲示板でクラスを確認する。
私は……あ、4組だ。
そして私は無意識に、探してしまう。
……いた。やった、同じクラスだ!
ルンルン気分でクラスに向かう。
ガラガラガラッ、と扉を開ける。
今日から高校生活が、始まるんだ。
- Re: 透明なもの。 ( No.2 )
- 日時: 2018/04/28 14:13
- 名前: sara (ID: xStpW3P0)
こんにちは。saraです。
今回は二話ということで、話が発展していきます。
ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。
では、どうぞ!
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前回のあらすじ
この春、高校一年になる「山本はる」。
1年4組の扉を開けたはる。そこで出会ったのは……
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ガラガラガラ。
扉を開けた私の前には人の背中が。
「えっ?!」
その男子は仰向けで倒れてくる。
とっさに横によける。
バタン!
うっ。痛そう……
「痛たたた……っ」
「あの、ごめんなさい!」
私は頭を下げる。
「いや、大丈夫。ってか俺が扉に寄りかかろうとしてたから……えっと、名前は?」
そう言って立ち上がる男子。
「山本はる。ここら辺の学校じゃないから、なかなか知り合いがいなくて……よろしくね」
「はる、ね。わかった!俺、中川一。ここら辺の中学じゃないのは一緒だな。はじめって呼んで。よろしく」
一くんはそう言って笑った。
「うん!」
私も笑って言った。
「はじめーー、ちょっとこいよー」
と、誰かの声。
一は
「本当にごめん」
と手を合わせ、私の前から立ち去った。
すごーい。ここら辺の学校じゃないのに名前で呼ばれてた。もう友達できてんのかぁ……
って、私なんか教室に入る前にはじめと会ったんだし、と自分で思いながら教室に入る。
ふーーっ。席について深呼吸。周りを見渡す。
キャーキャー騒ぐ女子たち。
はじめと、そのまわりにいる男子。
声かけづらそうなメガネ女子。
うーん、どうしよ。
「あっ、はる!」
私に声をかけたかわいい声の主は……
「かっ……楓!」
- Re: 透明なもの。 ( No.3 )
- 日時: 2018/04/28 14:16
- 名前: sara (ID: xStpW3P0)
こんにちは、saraです。
今回は新キャラ、楓が登場します。
楓っていうのは、私がつけてほしかった憧れの名前です。(あ、本名は違いますよ?)
カキコに投稿するときに、憧れの『楓』と『sara』とで迷ってsaraにしたのでつかいたいなー、と思ってつけました。
私の名前も好きなんですけど、『楓』ってなんかかわいくてかっこよくて憧れなんです~(´○`)
前置き長すぎですね、すいません(笑)ではあらすじから、どうぞ~
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前回のあらすじ
1年4組で出会った男子、一。
仲よくなれたものの、同じ中学の人がいないため次に誰に声をかければ良いのか分からず困っていた。
そこで声をかけられたのは、はるもよく知る楓でした。
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「楓!久しぶりだね!」
私は驚く。
「はる~、楓のこと忘れてなかったんだね~、うれしいよぉ」
久しぶりの再会に、泣きそうになる。
「あれ、楓、この子知り合いなの?」
さっき見たキャピキャピ女子たちが近づいてくる。
「あぁ、ユリ。この子、山本はる!小学校一緒で、中学2年だったかな、それくらいに楓が東京に転校したの」
楓は女子たちに説明する。
「それ以来少し手紙とか電話でやり取りしてたんだけど、そのうちお互い忘れちゃって」
私が笑いながら言葉をひきつぐ。
「これで楓、はると一緒にLINEできるのか!やったーー!」
楓はスマホを取り出した。
「うん!」
私もスマホを取り出してロックを解除する。
あっ、と動きを止める。
これはチャンスかも~!
「ユリちゃん……だよね」
恐る恐るきいてみる。
「うん」
かわいいなぁ、この子。
色白で顔ちっちゃくて細くて。ポニーテールにむすんだ髪はサラサラ。モテそうだなぁ~。
私は女子たちを見渡していう。
「もしよければ、ユリちゃんも、みんなも、LINE、交換してくれないかな」
黙った女子たち。
あ……あれ?なんで?
かーーっとお湯をかぶったように顔が熱くなってくるのが分かる。
「あ、いや、ただ仲良くなりたいなーって思っただけで、あの、そんなに、悪気はないの、ごめんなさい!」
すると女子たちは笑いながら
「フフフ、謝らなくていいんだよ~。こちらこそ、仲良くなりたいなーって思ってたし」
と言ってくれた。
「うん!」
良かった~。
「じゃあ早速~」
と楓。
キーンコーンカーンコーン。
「あ、なっちゃったね。じゃあお弁当一緒に食べようよ。授業中はスマホ使っちゃダメだし、LINE交換はその時にしよっか」
ユリちゃんは笑顔で言った。
「ユリちゃん、ありがとう!」
「ユリでいいよ。仲良くしてね!」
くーっ!ユリちゃん、かわいい~。
美女に癒される~。幸せだなぁ……。
「お、隣だね」
「えっ」
左を見るとはじめがいた。
「ホントだ、よろしく~」
私はそういう。
あれ、今さらだけど、はじめって結構イケメンじゃない?!
きれいな瞳、そしてのびた黒髪は少し癖毛かな。笑ったときの顔とか、結構かわいいし。
「おはようございまーす」
ガラガラ、と勢いよくドアを開けて入る先生。
朝の先生だ、とすぐわかった。
滑り出しは順調!
もっと友達作るぞ~!!
- Re: 透明なもの。 ( No.4 )
- 日時: 2018/04/30 19:34
- 名前: sara (ID: xStpW3P0)
こんにちは、saraです。
今日も頑張ります!
今は雪兎さんにイラストをお願いしています。でき次第、キャラのプロフィールをつくりますのでお楽しみに。
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前回のあらすじ
たくさんの子と仲良くなれそうだと嬉しそうなはる。
さあ、一番最初のホームルームが始まります。
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「ふわぁ~、疲れた」
私は制服のままベッドに飛び込む。
とにかく疲れた一日だった。
お風呂掃除しなきゃ、と立ち上がろうとすると、
ポコッ
とLINEの音。
「どれどれ……」
と立ち上がりつつ、メッセージを見る。
あ、ユリちゃんからだ。
[ところではるは彼氏とかいるのー?]
え!ホントに急だなぁ……
[いないよー。ユリは?]
[いないけど好きな人はいる]
[お、いーじゃん]
ユリなら誰が告白されたってOKするんだろーなー。
打ってから思う。
……私とは大違いだ。
◇
今日のご飯はなかなかうまくできたなー。
湯船にゆっくりと浸かる。
今日はジェットコースターにずっと乗ってたみたいに、怖くて、でもわくわくして、楽しかった。
担任の先生も優しかったし、いろんな子と仲良くなれて。
アイツとだって、少しは話せた。
きっと、なんとかなるよね。
◇
ガラガラッ
あれ、はじめしかいない。
「おはよー……ってあれ?はじめだけ?」
「おはよ、みんな遅いみたいだね」
わー、なにしゃべったらいいんだろ。
「あ、そーだ、はるにずっと聞きたかったんだけどいい?」
「ん?いいよ」
そう言って席につく。
「ねぇっ!」
嬉しそうにこっちを見て来る姿はまるで犬みたいだ。
「はるって、もしかして、もしかしてだけど、作家のHARU?!」
えーーー?!!
しまった。こんなところでばれてしまうなんて。
「いや、人違いだよ。ってか誰?その人」
冷や汗が雨のように出てくる。
「そっかー……」
え、へこんでる?
慌ててはじめの方を見る。大きな瞳が少しうるんでいる。
「大ファンなんだ、俺。最新作の『君と僕』とか本当にいい話なんだよ。最初は主人公がね……」
うそ、ホントに?
急に話を始めたはじめ。
これはガチなヤツか……。いや、でも正体を明かしていいのか?ダメとは決まってないけど……。
「だから聞きたかったんだ。プロフィールが奇跡的に一緒だったんだもん」
ああーーー!、昨日の自己紹介か。
隣同士で自己紹介するってやつ。
うーん、明かしたい、教えたい!
うーん、うーーん………
「そうです。私です、HARUです……」
その後もはじめの話に圧倒され、気が付けば正体を明かしてしまっていた。
そのとたん、はじめの顔がぱあーーっと明るくなって
「ホントにそうだったんだ!やったーー!」
と一人で騒ぎ始めた。
教室の中にはいつの間にか人が増えてきていた。
聞かれなかったかなぁ、大丈夫かなぁ……。今さら不安になる。
「ねぇっ!はる!」
「んっ?」
わ、今度はなんだ!
「今日の放課後、空いてる?」
◇
……まさか。こんなことになるとは思わなかった。
私はドリンクをすすりながらちらりと向かいに座っているはじめを見る。
「ん?どした?」
はじめは首をかしげながらそう言った。
私は慌てて顔を背ける。
かっ…………。
かっ、かわいい……。
男子にきゅんとしてしまう。
はじめのかわいさにもうクラッときそう……。
自分でも照れているのは分かっている。分かっているけど……!
なぜこうなったのか。
私ははじめに誘われ、放課後にハンバーガーショップに来ている。
作家の仕事を教えてほしいとかなんだとか……。
『彼氏いない歴=年齢』となってしまった私は、焦ってここに来てしまった。
ちらり。
はじめはポテトをつまんでいる。
くそっ……下手したら女子よりかわいいんじゃないか?直視できないっ!
「ねーねー」
ひっ!
「さっきからどうしたの?」
くっ……それもかわいい。
「いや、別に……」
目線をそらす。
「はるって彼氏とかいないのー?」
「えっ?!」
び、びっくりした。
「い、いないけどっ」
「なんか気になっただけー」
そんでもって軽いなー!
なんだよー、焦ったー。
「は……はじめは?」
「んー、俺ー?」
ゴクリ。またドリンクをすする。
「いない」
「なんだー、どっちもどっちじゃーん」
少し安心して笑う。
「でもはる、なんかいいじゃん」
「えっ?それってどういう意味?」
しかけられてんの?私。
「やりたいことあるじゃん」
あぁー、作家ね、作家。
ちょっとドキッとして損した。
あーもー調子狂う!
◇
[でー?どうだったの?はじめとのデート]
[デートって言うか、将来の話だけ!ってかなんで楓が?!]
[見ちゃったー]
ポコッ。
送られてきたのはハンバーガーショップでの写真。
えっ!見られてたのか!
ポコッ。
ん?
[はじめのこと好きなの?]
…………。
[いや、好きじゃない!]
すかさずキーボードを打って、家を出た。
これは好きって気持ちではない。
と自分に言い聞かせながら。
- Re: 透明なもの。【感想募集中(´○`)/】 ( No.5 )
- 日時: 2018/05/04 15:04
- 名前: sara (ID: xStpW3P0)
こんにちは、saraです。
今回はいろいろな内容が絡まり、繋がっていきます。
結構長くなりますが、よろしくお願いします。
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前回のあらすじ
はじめとハンバーガーショップに来たはるは、はじめに対して恋愛感情を抱いていることに気づき始めています。
また、はじめに作家のHARUであることがばれてしまい、ますます意識し始めてしまうのですが……
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◇ 2年前
小説投稿サイトに投稿を始めたのは、中2の春だった。
軽い気持ちだった。
趣味で書いていたものを見てほしかったし、誉めてほしかった。
それから『夏は掴めない』というタイトルで、男女6人の友情、恋愛をテーマに小説を書き始めた。
見てくれる人は少なく、他の作品に埋もれるようにひっそりと投稿していた、花畑の中の雑草のようだった。
そう上手くはいかないんだぞ、と誰かがささやいていることに気づき、軽い気持ちで書いていた自分を責めた。
その1年後、『夏は掴めない』は完結。
中3となり、受験生となりながらも、新しく『とある学校』を投稿し始めた。
学校での日常、友情、恋愛など、学校で起こることを、毎回主人公を変えて更新する短編集だ。
小説の書き方をしっかり学んで、頑張って投稿した。
こっちは大ヒットだった。
コメントもたくさん届き、力になったのを覚えている。
図書館、校庭、テスト、文化祭……
たくさんのリクエストが来たため、抽選で選んでは書いていた。
中3の秋ごろだろうか。
小説投稿サイトの運営会社から、『とある学校』の書籍化依頼が届いた。
私は本当に喜び、もちろん引き受け、作家、HARUとしてのデビューを果たした。
それと共に、『夏は掴めない』を書き直しながら投稿していった。
『とある学校』ほどではなかったが、前より見違えるほど良くなっていたと思う。
私は思いきって、作家になりたい、と両親に言ってみた。
両親は、「あなたの好きなことをやりなさい」
と、私を応援してくれたので、地元はなれた東京の文系の高校を受験することにした。
5か間の活動休止をし、毎日勉強した。
そして無事に合格することができた。
そして今は『夏は掴めない』の書籍化が決定し、ネット上では新しい作品を投稿している。
これが私の経歴といったところだろうか。
アンケート用紙に全て書き込み終え、丁寧におって、茶色い封筒に入れた。
雑誌の取材は疲れるなー。
現役女子高生に更新や取材や、いろいろぶっこんでくるっていうのがイライラする。
私はいつものようにベッドに倒れこむ。
はぁーあ。
どうしてはじめにいっちゃったんだろ。
昨日のことは、緊張しすぎてはっきりとは覚えていない。
「でも楽しかったな」
昨日撮ったはじめとの写真を見てつぶやいた。
それだけははっきりと思い出せる。
この気持ちは……!
いや待て。
認めてはいけない。私は別の人が好きなんだ。アイツが好きなんだ。
毎日考えてしまうアイツが……
なんで。
なんで?さっきからずっとかんがえてんのはアイツじゃなくて…………
「はじめ…………」