コメディ・ライト小説(新)
- Re: 透明なもの。【感想募集中(´○`)/】 ( No.41 )
- 日時: 2018/08/25 00:04
- 名前: sara (ID: f4.sojV4)
第一章完結記念
涼とはるのはじまり
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「オムライス、美味しかった、ありがとう」
はじめは言った。
「ん」
「なぁ、さっきの話にもどるけど、中学生のとき、はるになんて告ったの?」
「なんではじめに教えなきゃなんないの」
「いーじゃん、おしえてくれたらなんかするわ。しかも、昔だよね?それに俺口硬いから大丈夫」
「んー……」
「ね?頼む」
「わかったよ、その代わり、誰にもいうなよ?」
「俺と涼の仲だし、安心してどーぞ」
おれは、いつからか、はるが好きだった。
小学校に上がる頃、俺がはるのアパートに引っ越してきた。
それから、クラスも一緒、帰りも一緒にだった。
中学生になっても同じクラスだった。よくひやかされた。
中2になって、クラス替えがあってもクラスが同じだったから、ひやかされたし、陸上部の後輩達からもいじられた。
中3。
修学旅行が俺達が付き合い始めた日だ。3日目のディズニーランドの日。
クラスのみんなに協力してもらって、考えた作戦だった。夜、「ワンス・なんちゃら」が始まって先生もみんなそっちにいる頃、はるを前日のうちに呼び出していた。
クラスメイト達が壁の後ろで隠れ見ていたが、一応2人きりになれた。
「はる、来てくれたんだね」
って俺が言って。
「うん、だってみんなワンス・アポン・ア・タイム見に行くって言ってたし、テスト対決でまけたらいうこと聞くって約束じゃーん」
はるは笑った。
「で、どしたの?」
「急だけど、はるの理想の彼氏像ってどんな感じ?」
「ホントに急だね。うーん、爽やかな人がいい!あと、優しくて、面白くて、いっぱい話してくれる人!」
「結構多いな」
って、俺が言ったんだっけ。
ここら辺から、告白ムードにはなっていたと思う。
「涼は?」
ってはるは言った。
「かわいくて、優しくて、面白くて、思いやりがある人」
「そっちだって多いじゃん!」
はるが笑った。
「でもやっぱ、世の中かおなんだね」
はるは下を向いた。
「なんで?はるかわいいよ?」
これを言い出すには、少し勇気がいった。
壁の後ろでキャーだの、すげーだの、やば、だの聞こえたし。
「え?ほんと?」
ってはるが笑って、
「うん、かわいくて、優しくて、面白くて、思いやりがある。俺の彼女にぴったり」
「えっ?」
「はるが好きなんだ。俺の彼女になってほしいんだよ」
はるは驚いていた。
「俺じゃだめかな」
俺は頭を下げ、手を出した。
壁の後ろからみんなの視線を感じながら。
心臓が、こわれそうだった。
………………。
しばらく返事がないので、俺が顔をあげると、はるが俺と目を合わせて、
「ダメじゃないよ、大好き」
と言って抱きついてきた。
途端に
「キャーーーーーーー!」
という女子の声と、
「よっしゃあーーーーー!」
という男子の声が聞こえ、
あっという間にみんなに囲まれた。
俺達はかき消されそうになりながら、「これからよろしくね」と言い合い、「ワンス・なんちゃら」の花火が俺達を祝福するように上がり、みんなでそれを見ながら、楽しい夜を過ごした。
「こんなにロマンチックとはねぇー。涼って性格もイケメンなんだね。カッコイイ」
はじめは俺のベッドの上であぐらをかいていった。
「なんだよそれ。約束通り言ってやったから、ジュース3本おごりな?」
「もー、しょーがないなぁ」
俺達は笑いあった。