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コメディ・ライト小説(新)
- Re: 僕の声は君だけに。 ( No.57 )
- 日時: 2019/07/25 23:05
- 名前: ゆず (ID: oUAIGTv4)
#番外編
むしむしと熱するこの暑さに。熱の原型である太陽に。どうしようもない苛立ちを抑えながら、ただただ扇風機の小さな風さえも天国からの恵みのように感じる。
机の上にはアイスの棒だけが残っている。
「暑いー」と声を上げる上島は、いよりが用意したバケツ氷に足を入れてぐったりとし、「地球温暖化〜うわぁずいぃぃ!」とゆうは暑さのせいか、もともとなのか、脳まで溶かされているご様子。
でも、まだ七月なんだよな。
俺たちの夏休みはまだ一週間目と始まったばがり。
俺たちのの青春はまだ、今から。
(やばい……眠い……)
刹那、突然の睡魔に襲われる。
うとうとと目が閉じていく。
「はぅっ」
な、何かが、頬にささってる?
「はぅっむにゅう」
頬で何かが動く。むぅ。
目を開ける。すぐ目の前には天井__じゃない。
いより。
「……何ですか、いよりさん」
ち、近い。距離からして10センチもないはずだ。
視線を下に下げれば、細くて白い指がうっすらと見えた。
いよりは少し、ニッコリと笑った。
「なんでもない、よ?」
絶対なんでもないよね?その笑顔は小悪魔のものだ。
でも……かわいいから、いいか。
再び目を閉じる俺に、いよりはずっと攻撃をしてくる。
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