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コメディ・ライト小説(新)
- 君に捧げた初恋(処女作) ( No.0 )
- 日時: 2018/11/16 22:16
- 名前: 華憐 (ID: esFsElNI)
▽プロローグ
「懐かしいな。俺、初日、ちょっと遅れてきたんだよな。」
「そうだっけ?覚えてないや」
「そうだよ。入った瞬間、みーんな座っててさ、オタクみたいな奴らばっかりで、もう終わったなって思ったよ」
結城がクスクスと笑うのにつられて、私も笑う。
そうだった。私もあの日、この教室で、同じようなことを思ったんだった。
「でも、あの日来た教室が、この教室じゃなかったら、俺たち出会ってすらなかったかもしれないんだよな」
結城が、私と繋いだ手にギュッと力を込める。
「出会えてよかった」
結城は、まっすぐ私の目を見て言う。
私の頬に、涙が伝った。
「ちゅーしていい?」
いたずらっぽく結城が笑う。いつものトーンなはずなのに、少し声が震えている気がする。
目を閉じる。2人の小さな隙間を、暖かい風が吹き抜けた。
走馬燈の様に、今までの出来事が頭の中で駆け抜ける。
4階の、1番隅の教室。
私たちは2年前、ここで出会ったんだった。
そして、私たちは今、同じ場所で
卒業の時を迎えていた。
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▽目次
*プロローグ >>00
*第1話 出会い >>01 >>03 >>04 >>05 >>06 >>07
*第2話 事件 >>08 >>09 >>10
*第3話 縮まる距離
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