コメディ・ライト小説(新)

Re: 乙女ゲーム的な日常…にならない!?  ( No.1 )
日時: 2018/10/13 07:39
名前: *叶* (ID: oBc2cAQb)

~タイムスリップとか聞いてないよ、お母さん!~

え。
何なの、この状況…。

「やっと起きたか」

上から、眉目秀麗なイケメンが私をのぞき込んでる。

ここまでならまだ納得できる。
運命の神様が私の可愛さに気付いたって。

でもさ─────

「何なのここ!?黴臭いし刀あるし!?時代劇ドラマの撮影中とか?」

にしてもリアルだな。

騒ぐ私にしらっとした視線がイケメンから向けられる。

「何を言ってる。怪しげな者だから新選組が捕縛したんだろーが」

「いやいやあなたこそ何を…って…新選組!?」

新選組っておい。
嘘も大概にしてよ、そこのお兄さん。

しかし、イケメンは誇らしげに言い放った。

「知ってたのか。そりゃーそうだろうな、俺ら有名だからな」

えっ…。
これ、まさかの現実…。
乙女ゲームみたいな状況ですと!?          
           


Re: 乙女ゲーム的な日常…にならない!?  ( No.2 )
日時: 2018/10/13 21:25
名前: *叶* (ID: oBc2cAQb)

「俺は副長の…」

「知ってる!」

めちゃくちゃイケメンだったから覚えてたのだ。
理由は不純だけど…

「土方さんでしょう!」

途端に土方さんから冷たい視線を浴びることになった。

「副長と呼べ…と言うかお前、どこからきた?」

呼び方も拘るんスか。
流石というかしつこいというか…。
どこからきたかなんて、私の方が訊きたい。

「家で寝てたら急に黴臭いとこに…」

「黴臭いだとっ!?」

おっと失言。
どうやら副長イケメンを怒らせてしまった。
テヘペロで済むと良いけどなぁ…。

「すいませんでした…テヘペロ☆」

思い切って舌を出してウィンク。
チン、と音がした。

なんと、土方さんが刀を抜いていた。

「貴様…斬るぞ!」

えっ…。
乙女ゲームだったら、テヘペロで惚れられる感じなのにぃっ!

ヤバい。
めちゃくちゃヤバい。

キャッキャッウハウハどころかギャー!なんですけど。

とりあえず逃げよう!
脱兎のごとくかけだした。            
         

Re: 乙女ゲーム的な日常…にならない!?  ( No.3 )
日時: 2018/10/14 11:48
名前: *叶* (ID: oBc2cAQb)

逃げてる間に自己紹介!

仲里春香です!
現在、普通に進級してたら高校生。
しかし、引きこもってたのでいまだに中1の勉強できるかできないかの瀬戸際です。

引きこもってた理由は───

「危ない!」

目の前に人が現れた。
当然、突進した私を避けるなんて難しくて────。

ドン!

おおっ、盛大なドン!が‥

えっ?
なんでこのぶつかった人の可愛い顔が目の前にあるの?

しかも、なんかフニフニしたものが唇に‥。

状況を理解したとたん、私もその人も飛び退いた。

嘘だろ!
乙女ゲームみたいだけど、こんな形でファーストキスを失うとか最悪なんですけど‥。

後ろから鬼が迫っていたけど、私はもう逃げる気がさらさら無くなっていた。                 

Re: 乙女ゲーム的な日常…にならない!?  ( No.4 )
日時: 2018/10/14 14:18
名前: *叶* (ID: oBc2cAQb)

~モテたい願望ありですが?~

「で、この青年は藤堂さんなんですか~」

私は副長おにの部屋で藤堂さんの名前を知った。

雰囲気がというか顔立ちが可愛い。
おそらく童顔。

「まったく‥貴様てめぇのおかげで余計な混乱が起きちまった」

呆れたように嘆かれ、私は海より深く謝罪し数秒で復活。

ポジティブ系のひきこもりはこんなコトで泣かないのだよ☆
(ポジティブならひきこもるな、というツッコミはさておき)

「お前…男と付き合ったことはあるのか?」

ふと土方さんに問われた。
彼氏かぁ。
欲しかったな、うん。

「いませんよ‥これからもいないと思いますが」

言いながら悲しくなってきた。
彼氏ができないのは悲しいけどそれ以前にこれを言わされる私が悲しくなった。

「そうか…」

考え込むように土方さんが腕を組む。
もしや、

『仕方ない。付き合ってやる』

とか!?
わーい、私に春が来るよ~。

しかし。

「どうりで平助とあんな事になってしまって赤くなってたのか」

…いやいや、女子ならみんな赤くなるって。
逆に普通の顔の子が怖いわ!            
      
            

Re: 乙女ゲーム的な日常…にならない!?  ( No.5 )
日時: 2018/10/14 18:30
名前: *叶* (ID: oBc2cAQb)

~甘いものがないと女子の機嫌は悪くなるってモンよ~

その夜。

私はなぜか副長の部屋で寝ることとなった。
私を置いておくか、隊で相談らしく私はたった一人で眠ることに。

───ベッドに入りたいな。フカフカだもん。

固いお布団より現代のベッドが懐かしかった。

思えば、家に帰るかさえわからないのだ。
ずっと幕末ココにいることになるかもしれない!?

思わずぞっとした。

いくらイケメンに好かれようと、必ず帰れる確証はない。

軽いホームシックじゃん、私。
自分で笑ってしまった。
───新選組ココ追い出されたらどうすればいいかな?

疑問に自分で答える。

「美貌を活かしてどこかに娶ってもらう!」

もう一人の私が、

『そこまでモテるかなぁ』

と言うのを抹消する。
大丈夫、大丈夫!!
明日には、なんとかなるさぁ!

一抹の不安を抱えながら、私は眠った。           
           

Re: 乙女ゲーム的な日常…にならない!?  ( No.6 )
日時: 2018/10/14 21:24
名前: *叶* (ID: oBc2cAQb)

翌朝。

「んーっ…」

私は布団の中で腕を伸ばす。
と、腕が誰かの顎に当たる。
えっ────?

「土…方さ…ん」

綺麗な土方さんの寝顔があった。
はぁっ??
どう言うことなの?
緊張というか軽くときめく───。

貴様おめぇ起きてたのか…そうだ」

土方さんは軽く伸びをし、

「しばらく此処に置いてやる。もちろん隊務に加わってもらう」

置いてもらえるの?
嬉しい…。

「土方さん…大好きです!」

思わず首っ玉にすがりつく。

「退け」

冷たい視線と共にべりっと剥がされた。           
  

Re: 乙女ゲーム的な日常…にならない!?  ( No.7 )
日時: 2018/10/15 18:59
名前: *叶* (ID: oBc2cAQb)

「団子食べに行きたいです!」

土方さんに必殺・上目遣いを食らわせた。
土方さんは意にも介さず、

「そうか。平助か総司と行ってこい」

───俺は行かないぞ、的なのがだだ漏れで泣けます(泣)

「え~、土方さんが良いです☆」

私は諦めずに彼に言った。
漸く土方さんは覚悟を決めたらしい。

「仕方ねぇな。…わかった、行ってやる」

やったー!
でも───もしかしてこれって…。

逢い引き(デート)じゃん!

途端に緊張してきたよ…。
             

Re: 乙女ゲーム的な日常…にならない!?  ( No.8 )
日時: 2018/10/15 21:22
名前: *叶* (ID: oBc2cAQb)

「んふ~♡♡お団子美味しい‥」

やっぱりいつの時代も甘いものは女の子の味方なんだとしみじみと体感。

「間抜けだな」

土方さんに笑われようと”美味しいものには素直でいよう“が座右の銘になりつつある私だ。

「甘いものは最高ですよ!甘いもの驕ってくれる人が好きですね」

ちょっと言い過ぎたけど、本音だ。

「単純だな‥おめぇといるとなんか‥」

土方さんが顔を和ませる。
もしや、もしやこれは────!!

『付き合ってくれ』

みたいな───!?

「こっちまで穏やかになる‥いや、骨抜きと言うか間抜けになるな」

誉められてるのか?
私は少し首を傾げた。
土方さんが笑った。
まるで、きれいな花の蕾が綻ぶような優しい笑顔だった。

 
────何だろ、キュンとしてしまった。