コメディ・ライト小説(新)

Re: 透過探偵Ravi ReLive ( No.1 )
日時: 2018/10/14 20:48
名前: リセ ◆5JU.BStCfg (ID: Bf..vpS5)










 ────僕はそれを探し始めてから、三日は経っていた。




 一週間前、この屋敷で僕とともに研究を行っていたテンダー博士が亡くなった。それと同時に屋敷にいた使用人も二人を残して新たな仕事先を求めて旅立ち、そしてここから遠く離れた場所で暮らす博士の孫がやって来た。彼は祖父である博士が亡くなったと聞きつけ遥々ここまで屋敷を片付けにやって来たという。
 彼も来てくれた事だし、この本館はあと数日で片付くであろう。そう思っていたのだが、この前博士の部屋で見つけた遺書のせいでそうはいかなくなってしまった。


 “私の残した最期の作品を見つけてほしい。場所は────”


 ここで、冒頭へと戻る。遺書に書かれていた場所を探したがそれらしきものは全く出てこなかった。孫とメイド二人、もといライリーさんとメアリー、アルマーニを呼んで四人で部屋中を探したが無い。あったものは、部屋をくまなく探して見つけた奥の隠し部屋と、隠し部屋にある割れた窓ガラスだけであった。この結果を受けたライリーさんはこう言った。

 「もう三日三晩探してるのに一切見つからないなんておかしな話だ。割れた窓から察するに、最期の作品は盗まれたか悪戯で隠された可能性がある。取り敢えず騎士団や探偵に依頼をして本格的に調査してもらうべきだと思うんだ」


 みんなもその意見に賛成した。こうしてライリーさんは騎士団に申請を、僕は最近名を上げているという探偵団に依頼書を送った。明日には騎士団の、明後日には探偵団の人達がこの屋敷に到着するらしい。

 僕は切にこう願う。
 「博士の大切な最期の作品が見つかりますように」と。



*プロローグ-Dr.テンダー最期の作品 fin.