コメディ・ライト小説(新)

Re: 透過探偵Ravi ReLive ( No.8 )
日時: 2018/10/23 00:05
名前: リセ ◆5JU.BStCfg (ID: XGjQjN8n)












 「食堂ってここかな?」
 「そうじゃないですか? 大きなテーブルや燭台も沢山ありますし」

 リサ達はもう一人のメイドに会いに食堂へとやって来ていた。そして、彼らが食堂へやって来たのを察したのか使用人らしき人影が彼らの方へとやってきた。

 「あら? 貴方達が探偵さんですか?」

 リサ達に話しかけてきたのは綺麗な長い金髪を持つ女の子であった。

 「そうですが? もしかしてアルマーニさんが言ってたもう一人のメイドさんかしら?」

 そうサクラが答えると、使用人────もとい、メイドは話を続ける。

 「はい! そうですよ。私はアルマーニと一緒にメイドをやっているメアリー・スミスです! この屋敷について知りたいことならなんでも聞いてください。私はこの屋敷屈指の敏腕メイドですから!」

 そう答える彼女の顔は自信に満ちている。きっと相当優秀な人材なのであろう。

 「へぇー。凄いですね! あ、私たちは今屋敷にいる人達に聞き込みをしているのですが、お話を伺っても?」
 「はい、どうぞ!」
 「ありがとうございます。では初めに、貴方は博士の最期の作品を一度でも見たことはありますか?」
 「そうですねぇー……。私たち使用人は基本的に研究室には立ち入り禁止なので見たことはありません」
 「そうなんですか」

 サクラが聞き込みをしているすぐ近くで、ラヴィは心を読むタイミングを伺っていた。

 (さてさて……。こいつは心ではどんなことを考えているんだろーか)

 《はぅぅ……。私が博士の作品を沢山壊しちゃったから使用人全員立ち入り禁止になっちゃったんですよね……。掃除しようとして少し移動させたら落としちゃいました……》

 (さっき、メアリーは敏腕メイドって言ってたよな……? まさか自称なのか?)

 「それでは次の質問ですが……。最期の作品を見たことはなくてもどんなものを作っていたか分かることがあれば教えてください」
 「……うーん。私の目の前で博士は作品のことについては話さないので分かりません。でも、大きめな作品だったような気がします!」

 (ふむふむ。これが本当なら作品は楽に手に持てるサイズでは無さそうだな)

 《今考えたら立ち入り禁止にされなかったらそれも壊してたかも知れません……。ドジを直して立派な敏腕メイドになりたいです!》

 (やっぱり敏腕メイドは自称だったのか。まぁ、頑張れ)

 「質問は以上です。仕事中ありがとうございました」
 「いえいえ!」

 メアリーと分かれ、食堂奥の扉へと進む一同。そして、彼らが扉に手をかけた、その時。

 「ま、待ってくださーい!! 北館そっちは今、一ヶ月前に老朽化と自然災害が相まって崩れてしまったんです。ここが北館に通じる唯一の道なので、そちらには誰もいないはずです」
 「え、そうだったのか!?」
 「そうだったのですか……。教えて下さりありがとうございます。じゃあ別の場所を探そうか」
 「そうしましょう」


 彼らの調査は、まだ始まったばかり。

* Day one - Second part fin.