コメディ・ライト小説(新)
- Re: 仮定したなら反論だ! ( No.6 )
- 日時: 2019/01/27 13:02
- 名前: ゆら葵 (ID: 7YSFrjgb)
※楓視点の話です
ふぁ〜あ。だっりー。今は4時間目。なにあのハゲじじぃ、頭の外だけじゃなくて、中もなんも無いんじゃないの?
国語とか、なにが知りたいのかわからない。この時の主人公の気持ち?そんなん知らねーよ。
私は教室を見回した。かっしーは何かを深く考えているようで手が動いてないし、ケーは普通にノートをとっている。隣の席のシューはノートをとり終えたらしく、教科書を見ている。
「ねぇねぇ、シュー。」
私は隣の机に手を伸ばし、トントン、と叩き、シューに話しかけた。
「ん?なに?」
シューはこっちに向いた。
「かっしー、今なに考えてるんだと思う?」
私は片手で口もとを隠して内緒話の姿勢で言って、同時に、もう片方の手で、かっしーを指した。
シューはちらっとかっしーの方を見てから言った。
「さあな。どうせくだらないことだろ。」
「また、教えてくれるかな。」
「どーだろ。…今、向こうは向こうでイイカンジだろ?そっち方向に考えてたらいいな。」
私はついニヤッと笑ってしまった。
今、私たちは付き合っているわけだが、実は、“ケーとかっしーをくっつけよう大作戦”を実行しているのだ。
2人はいつまで経ってもくっつく様子がないので、わざと2人きりにしたりする訳だが、どうも、それだけじゃ足りないらしい。(自社調べ)それは、彼女たちにとって、当たり前のことだからだ。
だから、私たちは今、試行錯誤をしているわけだ。
「じゃあさ…」
私が話し出そうとした時、
「〜〜であるからしてー。ここ。池田ー、言えますかー?」
なぜか私がさされてしまった。
「はいっ!…ええーと。」
私は勢いよく立ったが、答えが分からないので、ちらちらシューを見ていたら、シューはため息をつき、答えを小声で教えてくれた。
「えっと。〜〜です。」
私は聞こえた通りに言って
「はい。よろしい。」
と言われたので、脱力したように座った。
「おおー。流石だ。」
「池田さんは、やっぱりすごい。」
などの声が、先生が続きを喋り出しているのに、教室内でちらほら聞こえたが、気にしない。
「ふぅ。ありがと、シュー。」
「いつものことだろ。」
わたしは少し反省し、ノートをとり始めようとした時、シューが私の机を叩いて、にやけながら言った。
「やっぱり、流石ですね、池田さん。」
私は顔を真っ赤にした。シューに言われると恥ずかしいし、バカにされてるのが分かる。
「あんな馬鹿どもに流石なんて言われても、嬉しくないよ…!センコーの話を聞かないのはあたしも一緒だけどさ、それで人と比べないでほしいよね。ケンカ売っとんのか。」
「おー、怖い怖い。」
私は途中から恥ずかしさが怒りへと変わり、口調が乱暴になってしまった。
「確かに、お前とあいつらじゃ、天と地の差だよな。」
シューはニコッと笑って言った。
私を心から好きになってくれる人はこの人しかいない。私は改めてそう思った。