コメディ・ライト小説(新)

#8 がっきたいけん ( No.10 )
日時: 2019/02/24 14:45
名前: 空巫女 (ID: 1.75.8.2)

<#8 がっきたいけん>

瑠姫が話に割り込んできたのをきっかけに、他のパートの方々も、海猫に自身の楽器を体験させようと話に割り込んできた。
どう止めればいいかと困っていると、部長が「こら、貴方達。そんなに強引にしてたら、駄目でしょ。困ってるじゃん」と、声をかけてくれた。出来る部長だ。

そんな事があって、今海猫は音楽準備室で楽器を順番に体験している。私は、桐谷先輩に「練習していていいよ」と言われたので、先輩に任せて練習している。しかし、任せた事を直ぐに後悔する事になった。

数分後。
「千影ぇ!助けて〜!」
突然、大声と共に、猫耳と尻尾を生やした涙目の海猫が私に抱きついてきた。
「海猫さん、逃げちゃ駄目ですよ?」
左手に持つ猫じゃらしを振りながら、瑠姫をはじめとする、音楽準備室に居た人達が近づいてくる。
「ちょ、どういう事?」
私は状況を飲み込めず、唖然としていた。

海猫曰く、最初のうちは、皆に教えて貰いながら楽器を吹いていたのだけど、ホルンが特に上手かった
ようで、ホルン担当の先輩が頭を撫でてくれたそう。それを見たある人が“海猫って名前だし、顎を撫でると喜ぶんじゃない?”と言い出して、じゃくてんを撫でられて、気が抜けて、猫耳と猫尻尾が出てしまったそう。
「それで、耳と尻尾を見つけて、海猫が嫌がる程もふもふしたという訳ね」
「うん。付け足すと、一番もふもふしたのは瑠姫だった」
名前を出させて、“自分は知らないぞ”と言わんばかりに、視線を反らす瑠姫。それでいいのか学級委員!

余談だが、後日海猫の事について、問い詰められた。それで全てを話した為、海猫が獣人と言うことは、学校中に知れ渡ってしまった。


部活終了後。
「この部活に入るんだったら、楽器はホルンを担当したいです」
海猫はホルン担当の先輩にそう言った。ホルンパートは全員嬉しそうで、反対に他のパートの人は残念そうだった。