コメディ・ライト小説(新)

#10 くるみ ( No.12 )
日時: 2019/02/25 17:01
名前: 空巫女 (ID: F08K/Z64)

<#10 くるみ>

<<紅実side>>

「さて、まずは千影に言われた通り体を洗うか..」
帰宅後。私は両親と住んでいるのだが、親は共働きなの深夜にならないと帰ってこないから、大丈夫だろう。深夜になったら隠せばいいし。そう思いながらお風呂のお湯を沸かす。すると、狐が嬉しそうに私の足に頬擦りをし、鳴く。
「べ、別にお前の為にやってるんじゃないからな。千影ん家には海猫がいるから仕方なく、だ!勘違いするなよ!!」
私は、漫画とかの典型的なツンデレが言いそうなセリフを言ってしまう。言うつもりは無くても、照れ隠しで言ってしまうんだよな....相手が千影だったらそんな事ないのに...
自分でツンデレだと自覚してるツンデレっておかしいよな。うん。絶対。

私は千影に言われた通り、風呂桶に入れたぬるま湯で狐を洗う。その後、今後どうするかについて考える為、狐を風呂桶で遊ばせといて自分は部屋に籠った。

「嗚呼もう!狐は何食うんだよ!!」
考えはじめてから5分。私はもう諦めかけていた。
「そうだ、千影に聞けばいいんだ。こういうのは経験者に聞くのが早いな」
他人任せに、私は千影に電話をかける。
「もしもし千影〜!私だけど、聞きたいことがあってさ。狐って何食うの?」
『自分で考えなさい。私だって狐が食べるものなんて知らないのだから』
千影からの返答は役に立たなかった。まぁ、そりゃあな、千影の場合拾ったのは猫だしな、猫と狐は違うもんな。解んないし野菜とかでいいな。私は電話を一方的に切ってお風呂と夕食の準備に取りかかるのだった....










「んん.....朝?」
私は目を覚ます。部屋を見渡しても、狐の姿は居ない。夕食の後、狐が隠れる様に用意した段ボールも無かった。
「昨日は学校が終わって以降、記憶があやふやだつたから、夢か?」
私は動物が好きだけど、流石に狐を飼う夢を見るなんてな...今日は変わってるな。
私は寝ぼけたまま、身支度をして、朝食を作ろうと、キッチンへ向かった。あれ?何だか、キッチンからいい臭いがする。いや、気のせいか。


「おはようございます。我が主。ようやくお目覚めですか?」
「....嘘だろ」
キッチンに入ると、紺色の着物を身に纏った、大和撫子やまとなでしこと言っても過言では無いほどの、女性がいた。ただ、それは狐耳と尻尾が生えてなかったらの話だが。