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コメディ・ライト小説(新)
- #12 くちょう ( No.14 )
- 日時: 2019/02/27 16:51
- 名前: 空巫女 (ID: VnoP1T29)
<#12 くちょう>
「やべっ、学校いかなきゃ!」
冷めた朝食を食べていたらすっかり時間に。
私は慌てて準備をしようとする。
「何をおっしゃっているのですか?今日は土曜日故に、学校は休校ですよ?」
「......」
ぐうの音も出なかった。
カレンダーを見ると確かに土曜日。恥ずかしいな。
「お気になさらないでください。勘違いは誰にでもございます」
フォローまでできるのか、この狐は。葵は私には勿体ないと思った。
「本日はどのようなご予定で?」
「そうだな.....葵の服を買いにいくか」
だって着物だしな。家に居るだけならよくても、外出する時に着物は....ちょっとな。人の目があるし。
「わ、我のお気遣い等無用です!我は居候の身。主の希望を優先してください!」
うむ...どうやら葵は自分より相手を優先するのか。こういう人って説得させるの難しいんだよな...それに葵ってなんか堅苦しいし。
「葵の服を買うことが私の希望だ。外に出るとさ、人の目とかあるじゃん?それが嫌なんだよ」
「何と!!誠に申し訳ございません!我としたことが主の希望に気がつけず....」
「堅苦しい!!」
葵の長々とした謝罪を一喝して止める。
「いいか、買い物 云々よりな、先にその堅苦しい口調を直せ!従者じゃないんだしさ!お前は狐だろ!?なんで狐がそんな丁寧に話すんだよ!?」
叱った。思いっきり葵を叱った。葵は、驚きで口をパクパクさせている。
もういい。葵がどう反論しようと、葵の口調を変えてみせよう。着物の買い物なんて日曜日でいいし、最悪私のや、千影に借りるなりすればいい。
と言う訳で、私による葵の口調変化作戦が始まった。千影には明日、葵の服を買いにいくからついてきてと、伝えといた。千影は明日初めて会うから解らないけど、海猫が驚きそうだ。
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