コメディ・ライト小説(新)

#15 るき ( No.17 )
日時: 2019/03/05 14:32
名前: 空巫女 (ID: j1BtfBJW)

<#15 るき>

服を買いにユニシロに行ってから数日後。黒狐の獣人こと、天竺葵が編入学する事になった。学級に関しては、獣人の力で同じクラスになった。

「我が名は天竺葵と申します。紅実様の家で居候の身の、獣人です」
葵の自己紹介。
後々面倒になるので、獣人だという事は先にバラしておく。獣人の事については、海猫の部活体験の時に、桐谷先輩をはじめとする吹奏楽部員のせいで、学校中に知れ渡っているので問題ない。
「じゃあ、天竺さんは、白鳥さんの隣で」
「わ、私?」
海猫は瑠姫の隣で、葵は私の隣かぁ。
そう考えているうちに、葵は私の隣の席に座る。
「宜しくお願いします、千影殿」
「ええ、よろしくね」
軽く挨拶をすると、どこからか視線を感じた。
視線の方向には瑠姫が。“ずるい”と言わんばかりにこちらを見ている。この学級委員は海猫だけじゃもの足りず、葵までもふもふする気だろうか。そして、その視線に紅実も気づいたのか、“葵はもふもふさせんぞ”と瑠姫を睨んでいた。そして、瑠姫が紅実に睨まれている事に気づいたのか、視線をそらした。
この学級委員は...普通にしている分には完璧で人望も厚いのに、獣人が絡むと駄目になるんだな...


そして昼休み。
「ねぇ、古波蔵さん、天竺ちゃん借りていいですか!?あと千影ちゃんも海猫ちゃん貸してね!」
「「断る」」
貸してといいながら、既にケモミミがある海猫と葵をもふもふする瑠姫。
てか部活体験の時は海猫にさん付けだったのに、今じゃちゃん付けになっている...葵に関しては始めっからだし。
「あ、主!なんですかこの無礼な者は!」
「...」
瑠姫から解放されようと、じたばたしながら紅実に助けを求める葵。一方の海猫は、抵抗を諦めたのかぐったりしていた。
「瑠姫、やめろ。葵達はぬいぐるみじゃないんだぞ」
紅実は葵達を離してもらおうと、瑠姫に声をかける。
「知ってますよ。でもこんなにもふもふなんだから、止めれる訳ないじゃないですか!二人ともお持ち帰りしたい!」
「「うわぁ...」」
私と紅実は二人揃ってドン引き。葵は顔が青ざめているし、海猫に関しては目から光が消えている。
「ねぇ、獣人の子達とはどこで会ったんですか?私も獣人の子と暮らしたいなぁ...教えてくれたら二人は離すから!」
瑠姫は目をキラキラさせて私達に問いかける。
それで二人が解放されるのなら容易いか。流石にあの場所で何人も居るのはないだろうし、仮に居たとしたら、そこに居た子は運が悪いだけだ。
「解った。話すわ。海猫がいたのはね、某公園なんだけど...あ、葵も同じ所だったわ」
「成る程、そこに行けば獣人の子と会えるんだね」
「いや、流石に三人目が来るとは限らないから...」
期待に満ちた瑠姫をがっかりさせない為に一応言っておく。
「じゃあ、約束通り二人は離すね」
瑠姫か二人を離すと、二人とも速攻でそれぞれの主の所に。
「千影ぇ、席変えてもらいたい...」
「そうね、今度先生に頼んでみようかしら」
海猫は涙目で私の胸に飛び込む。
私がそっと撫でてやると、耳をピコピコうごかした。あ、瑠姫が獣人が好きな気持ちなんとなく解ったかも。

そして、昼休みが終了する。尚、席の件については、駄目で後期まで我慢なのと、葵は紅実同様剣道部に入ることになった。