コメディ・ライト小説(新)

#23 るみ ( No.27 )
日時: 2019/03/20 00:20
名前: 空巫女 (ID: atRzAmQi)

<#23 るみ>

瑠未るみ...これが、僕の名前...」
名前を貰い、嬉しさで涙を浮かべる狼の獣人こと、瑠未。
「瑠未さん、いいお名前ですね」
樹ちゃんはニコッと微笑むと、お辞儀をした。
「では、私達は課題があるので、この辺で失礼します」
また微笑んだ樹ちゃんは、マンションの、上に続く階段へ向かった。
「樹、待って!」
「お姉ちゃん、遅いと置いてっちゃうよ!」
慌てて後を追う巽先輩と、置いてっちゃうよといいながら、階段でしっかり待っている樹ちゃん。
こんな妹、欲しいかも。私はそんな風に思ってしまったのだった。

二人が帰ってから数分後。
「少し思ったのだけど、瑠未、貴方ってさ、素はどっちなのよ?私達は同じ歳なんだし、無理する必要もないのよ?」
これは答えるまでもなく、僕っ子が素なのだろうが、いちいちわたくしとか言われるとややこしいので、はっきりさせてもらう事に。
「えっと、僕はこっちが素かな。貴方の言葉通り、私の方は、少し無理してた...」
瑠未は耳を動かしながら苦笑いする。
「そりゃそうだよ。だから、もう無理しなくていいからね?さっきの瑠未、涙浮かべてた程なんだから」
海猫か瑠未を撫でる。獣人が獣人を撫でるって変わった感じだけど、それよりさっき涙を浮かべてたのって、罰されるのが怖かったからじゃないんだ。
「ありがと、海猫!」
瑠未が海猫を、抱き締める。
そう言えば、瑠未は海猫に会いたがっていたのは何でなんだろう?
それを見透かしたように、瑠未は話し始める。
「海猫と僕は、郷で親しかったんだ。僕はあまり友達が居なかったけど、海猫はちゃんと優しくしてくれたから、この町に来たら、海猫には合っておきたいと思ったの」
そうなのか。海猫も、瑠未が眠り狼だって知った時は嬉しさで尻尾出てたから間違いないのかな?
再開を果たした二人は、そのまま喋り始め、私と瑠姫は見守る事になったのは、言わない方がいいかな。