コメディ・ライト小説(新)
- #24 たいかいとうじつ ( No.29 )
- 日時: 2019/03/23 08:41
- 名前: 空巫女 (ID: XetqwM7o)
<#24 たいかいとうじつ>
<<海猫side>>
時が変わってお盆休みも終わり、夏休みも後半に。
余談だが、瑠未は夏休み後に転校するという事で、まだ居ない。あれ、でも瑠姫はいるから、瑠未は家で1人なんだ。
今日は部活がある日だが、朝から慌ただしく、部活開始時間はいつもより2時間ほど速い。
なんせ、今日は吹奏楽の大会なのだから。
「海猫、樹李!楽器運搬頼む!」
「「はいっ!」」
私と、鳥...じゃなかった、巽先輩は獣人なので、パートリーダーから楽器運搬を任せられる。
「先輩、そっち持ってください」
「よしきた!任せなさい!」
そうして、二人ががりで打楽器のティンパニを持って階段を降り、外に出てトラックに乗せる。楽器を運び終えると直ぐ様階段を登り音楽室へ。そしてまた楽器を二人ががりで運ぶ。これのループだ。
「持つこと自体は対した疲労にはならないですけど、何度も階段を登るのって、疲れますね...」
「こらこら、弱音を吐かない。これラストだから頑張って!」
私がため息を吐くと、先輩は私を励ましてくれる。
その言葉があってか、何とか運び終える事が出来た。
その後電車で移動し、会場へ。
実を言うと、県大会はお盆前に終わっていて、見事金賞&中部大会出場権を得ていて、今回の大会は中部大会である。ここで上手くいけば全国に行けるのだ。
私達の学校は9番目であるので、出番が来るまで他の出場校の演奏を聞いている。
どの学校も上手い。流石中部大会だけある。
やがて、5番目の学校の演奏が終わると、私達はチューニングや、最終確認の為に移動した。
そして、数分後...
現在、8番目の学校が演奏が終わり、私達は舞台裏で待機している。
うう、大会は2回目なのに緊張する...
私は巽先輩の隣で、ホルンを持ってまっていると、瑠姫を連れた千影が話しかけにきた。
「瑠姫、海猫、がんばろうね。海猫、緊張してるだろうけど、無理しずに、楽しんで」
「楽しむ...?」
大会を楽しむ?私には千影の言葉の意味が解らなかった。
すると、隣で会話を聞いていた巽先輩が、割り込んでくる。
「そうよ、折角の大舞台なんだから、全力で楽しみなさい。今は何言ってるんだって、思うけど、そのホルンを吹いたら解る。県大会では感じられなくても、この大会なら解るわ」
巽先輩は、私の肩を、ポンッと叩いた。
そして...
『9番、○○県、○○○高校吹奏楽』
アナウンスが聞こえた。
すると、部長が皆を集めていた。
円陣だ。県大会の時もやった。皆の思いをひとつにするために。
「絶対、金賞取って全国いくよ!」
『おー!』
こうして、私達の中部大会が始まった。