コメディ・ライト小説(新)

#27 めっせっーじ ( No.34 )
日時: 2019/03/27 16:27
名前: 空巫女 (ID: joMfcOas)

<#27 めっせっーじ>

<<千影side>>

中部大会が終わり数日後。
吹奏楽部では中部大会が終わって直ぐ様、次の大会のCD審査に出すCDを録音した。まだ結果は知らされてないが、もし審査に通ったなら10月に東京で全国大会があるそうだ。

その為、ここ数日はいつも以上にハードスケジュールだったが、夏休みが終わる2日前である今日は久々の休みだ。
夏休み始めにプール云々の話しがあったが、それは結局、吹奏楽のハードスケジュールのせいで中止となった。

そして今、私と海猫は自宅で来月にある前期期末テストに向けて勉強していた。因みに、課題に関してはとっくに終わっている。

「千影っー!消しゴムが消えた!」
「私に聞かれても...そこら辺に落ちてないの?」
海猫は、中部大会があった日から少し様子がおかしかったが、ここ数日はそんな様子はない。演奏後に泣いていた印象が強くて、勘違いしちゃったのかな?
いや、それは無いな。あんな海猫、初めてみたもの。大会後の数日はあの出来事が頭から離れなかったのだろう。
「海猫がまた辛い思いをするようなら、私が助けてあげなくちゃ」
「千影?」
「な、なんでもないわ!」
海猫に不思議そうな顔をされたので、自分の考えてが声に出てきた事に気づく。必至に取り繕うとすると、スマートフォンが“ブーッ”と鳴った。
この音は、SNS等々の通知機能だ。
「紅実からか...」
私はアプリを立ち上げ、紅実からのメッセージを確認する。

『千影、中部大会どうだった?』
そんな、短いメッセージだったので、私も簡潔に送り返した。
『今更過ぎるわね。結果は金賞よ』
『そっか、全国は駄目だったかぁ』
『ちょ、何で全国行けなかったって解ったのよ!?』
伝えてない筈なのに、全国に行けなかった事を知られ、慌てて送り返す。

『いや、だってさ?今まで全国に行けたって解った時“ねぇ紅実!全国よ全国っ!”ってうざい程何度も送ってきたじゃないか』
そんな、若干事実が混じっている嘘が来たので、どう返事するべきか困る。
ふと思いつくと、私は指を動かし、送り返した。

『私が送ったのは“紅実!なんと全国行けるわ!”よ。あと、1回しか送ってないわ』
『あ、そういや、私、剣道で秋に全国大会行くことになった。海世先輩に勝った!』
無理な話題転換をしながら、文の後にドヤ顔があるメッセージが送られてきた。

『こら、話をそらさないで。でも、おめでとう紅実』
『へへっ、ありがと。千影』
私が祝福の言葉を、送ると、お礼の言葉が帰ってくる。

『まぁ私達はもう1つ大会があるんだけどね』
『ダニぃ!?』
ドヤ顔を送ってやると、紅実はどっかで聞いたことのあるセリフを送ってくる。
そこから、私はドヤ顔のスタンプを送る。

『こんなの絶対おかしいよ』
『知らないわ。大会委員会に訴えなさい』
某アニメのスタンプと、セリフが送られてきたので、私は送り返した。

『じゃあ私は勉強の続きするから。用件はこんだけ?』
『まだ1つ残ってる』
私がメッセージのやりとりを終わろうかと問うも、次のメッセージが秒で帰って来た。
なんか、嫌な予感がする。

『まだ1つ...って何?』
『かだいてつだってくださいおねがいしますまださんぶんのいちものこってるんです』
全て平仮名の文面が送られてきた。
読みやすくすると、
“課題手伝ってくださいお願いします。まだ3分の1も残ってるんです”となる。

葵に頼んだのに...あれ待てよ?
残り3分の1?いつもはほぼ全部なのだから、頑張ってるのか。

『解ったわ。大会も勝ち進んだ様だし、残り3分の1くらいなら手伝ってあげる。今夜、葵も連れて泊まりにきて?』
『やった!ありがと!じゃ、また今夜!』
了解をすると、紅実がやりとりを終わらせた。

「ね、海猫。今日紅実と葵泊まりに来ることになったわ」
「へ?」
決定事項を海猫に伝えたら、海猫は唖然としてしまったのであった。