コメディ・ライト小説(新)
- #32 ぷーる ( No.39 )
- 日時: 2019/04/20 18:16
- 名前: 空巫女 (ID: 7I10YEue)
【やばい、10日以上も投稿してなかった!
というわけで、大変お待たせしました。色々とリアルが大変なので大幅に投稿スピード下がりますが、引き続き宜しくお願いします】
<#32 ぷーる>
古波蔵家にて。
「千影、遅いぞー」
「いや、紅実が早すぎるだけでしょ」
私達が家に着いた頃には既に庭にビニールプールが用意されていた。
紅実達が私の家を出てからまだ20分も経ってないからね?
「だって時間は限られてるからさ。急がなくちゃって思って。ホースを何本か用意してドバーって水入れた」
無茶苦茶じゃないの。内心でそう突っ込んだ。
でも紅実の言うとおり、私達が海猫と葵と居られるのは今日が最後だから気持ちは私だって同じだ。
「さて。せっかく紅実と葵が急いで準備してくれたんだし着替えてプールに...ってあれ?海猫と葵は?」
私は辺りを見渡すも、二人の姿は見えない。
「葵達なら家の中に入ってったぞー」
「成る程」
言われてみて、玄関を見ると、扉が開いている。そのうえ二人の靴はしっかりあった。
「千影も入るだろ?外で着替えたりしないよな?」
「あ、当たり前よ!変なこと聞かないで!」
紅実の冗談にしかりつつ、私は先に家に入る。
「お、置いてくなよぉ!」
*
ほぼ同時刻。古波蔵家の室内。
「千影達、私達の為に色々してくれてるね。...なんか、申し訳ないや」
「確かに、良心が痛みます。いや、我らは嘘は吐いてないのですがね。その、言い方のせいで認識の違いが...」
「だね。でも今更言えないよ。長からの伝言で私達が郷に戻るのは一週間だけでいいって。そんでその後、望むのならまた千影達と暮らしていいって」
「部屋の隅っこで何やってるの?」
「にゃぁぁ!?」
「コォォォン!?」
私は部屋の端でこそこそ話して居た二人に声をかけると、二人はそれぞれ、独特の叫び声を漏らす。
「何か話してたけど...」
「な、なんでもないよ!そうだよね、葵!」
「そ、そうれすよ!少しこれからの事について話をしてただけですよ!」
何故か狼狽える二人。
先ほどの話の内容は聞こえなかったけど、郷に戻ってからの事を考えているのかな?
「そっか。別れは辛いのに、それからの事を考えてるなんて二人はしっかりしてるわね。でも、話すのはいいけど、水着への着替えは?」
「わ、我は海猫殿と千影殿をお待ちしている間に服の下に着ましたので!」
「わ、私はこれからかなっ!千影、向こうで一緒に着替えよっか!」
なんだろ...この二人、私に何か隠している。
そんなことを思いつつ、海猫に腕を引っ張られ、別の部屋で着替えたのだった。
あの後、紅実も着替え、庭のビニールプールへ。
「四人じゃ狭いなぁ...」
「まぁ当然と言えば当然ですがね」
紅実と葵がそんな事を、言っている。
うん。私もそう思うけどさ、そう言うことって言うと余計そう感じちゃうんだよね。
「でも結構冷たいわよね。四人で入ってると水がすぐ温くなるかと思ったけど」
「ですね。尻尾とかを出してしまえば温くなってたかもしれません」
「いや、葵の尻尾を出したら温くなる前に水が毛で溢れるんじゃないか?」
「な、酷いですよ主!」
うん。それは私も思った。
ペット飼ってないから解らないけど、毛は言うほど抜けないんじゃないの?
「そんな酷い主にはこうです!」
怒った葵はかなりの量の水を紅実にかける。
「やったなぁ!お返しだぁ!」
「コン!?」
紅実はお返しで葵に水をかける。
葵は怒ってかけたけど、紅実は楽しんでるわね。あれは。
「こちらだって!」
バシャァ!と音を出しながら再度葵は水をかける。
これは本気でやったようで、私にも大量の水がかかってしまった。
頭乾かす手間が増えたじゃないの...
それからも、二人の水の掛け合いが続く。
一度は止めようかとも思ったけどもういいや。
それよりも、海猫が気になった。
だって先程から一度も喋ってないし。
「海猫、どうした?」
「にぎゃあ!?な、何でもない!わ私は先に出るね!」
海猫は先程のような声をあげ、1人先に出てしまった。
うーん...怪しい。やはり何か隠してる。
「二人とも、私もそろそろでるわ」
「ん、了解」
「なら我らはもう少ししたらでますね」
私は二人に一声かけた後、海猫に続きプールから出る。
何を隠してるか問いたださないと。