コメディ・ライト小説(新)

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.11 )
日時: 2019/03/30 23:11
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

この日クアルタ島にやってきたのは遺跡の調査をするためだ。
それを島の住民に話すと目を丸くする。
住民1「あ、危ないよ!あそこは危険だからと国も兵士を送って
入り口を封鎖してるんだ」
住民2「そういえば黒曜教団が動き出してるって噂じゃないか。なんでも
黒の王の復活とか…」
住民1「あぁソイツらが来ないために強力な奴もいるって話じゃないか」
ゼロ「強力…?」
住民1「あぁ何でもプリーマ島に聖女がいた時からコールドスリープして
今この時代にいるって話だよ」
その時代からいたのなら何か聞けるかもしれない。ユニのみならずゼロの
ことも知っている可能性がある。場所を教えてもらい一同は噂の遺跡へ
向かった。

遺跡の前では一人の兵士がやってきた青年に敬礼する。
兵士「お勤めご苦労様です少将」
少将と呼ばれた青年は特徴的な髪型で右半分は黒く左半分は白い。
青年の名はサイファ大昔プリーマ島で聖女ユニに仕えていた人物だ。
サイファ「お互い様だろう。ここにもうすぐ冒険家が来る」
兵士「はい」
サイファ「少し彼らと話がしたい。ここに到着し次第、君たちは少し
席を外してくれ」
兵士「了解しました少将」

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.12 )
日時: 2019/03/31 10:33
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

大昔、聖女がいた頃プリーマ島の遺跡崩壊が起きるよりも前、黒の大陸。
ビルア「王、本当にその実験を行うのですか?」
黒の王「あぁ面白いではないか。手術で身体能力を最大まで増幅させ
闇の力を私の因子を埋め込むとどれ程の存在が出来上がるのか」
現在、黒曜教団の下っ端たちは慌てながら駆けまわる。
下っ端1「オイ!見つかったか!?」
下っ端2「いや…いない…」

ゼロ「お、あそこか」
入り口の前には両サイドに二人の兵士と真ん中に兵士とは違う変わった
髪型の青年が立っている。
ミーニャ「厳重な警備ね。それだけのことがあるってことかしら?」
ユニ「でも多分、入れてくれるんじゃない?一応冒険家で依頼を受けて
ここまで来たわけだから」
ゼロ「そうだな、すみません」
ゼロが声を掛けると青年も気が付き二人の兵士が席を外す。
サイファ「冒険家の二人だな話は知ってるが少し俺との昔話に
付き合ってくれ。その前に…俺はサイファ軍では少将の座に
つかせてもらっている」
何処か懐かしい雰囲気を醸し出している。「それと」とサイファは続ける。
サイファ「再会できて良かった聖女殿そして王子殿」
二人は驚いた。彼らの前世を知っている。
サイファ「転生後で忘れてしまっても仕方ないだろう。闇に捕らわれ
鎖に繋がれていた俺を助けてくれたのはお前たちだろう?俺はお前たちの
盾、用心棒さ。他にもコールドスリープして今この時代にいる人物もいる。
ユニ殿お前は二つの島国が崩壊するとき仕えていた人物を凍らせる術を
使った。その術は二人が転生したとき解けるようになっていた…さて
二人は冒険家で遺跡を調査するために来たんだろう?ならば俺も同行しよう」
ユニ「いいんですか?」
サイファ「あぁ。さぁ案内するからついて来い」

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.13 )
日時: 2019/03/31 11:20
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ミーニャ「ぎゃあああ!!!な、ナイフとか鎌が…!!」
ゼロ「これが罠か」
サイファ「鎮まれ!!」
サイファから放たれた金色の光が辺りを包み込み鎌やナイフが地面に落ちた。
ユニ「これって…」
サイファ「先を急ぐ。強力な魔術故、長くは持たない。急いでここを抜ける」
道を抜け少し開けた場所に到着した。少しだが記憶が戻ってきた気がする。
ユニたちの元へ戻って来たあの頃のサイファは傷だらけで満身創痍、体中
血で真っ赤だった。きっと守れなかったことを気にしているのだろう。
次こそは護るという心がユニには見えた。
ミーニャ「少しだけ落ち着けそうね」
サイファ「…」
反応がない。
ゼロ「サイファ…?」
ミーニャ「ちょっと!サイファってば!!」
サイファ「ッ、あぁすまん。ぼーっとしていた」
サイファは苦笑して答える。
サイファ「この島は元々黒の大陸だったが大陸が破壊され砕けそして
島が生まれたとされている。聖女は様々な場所を旅していてこの島を
訪れ加護を授けたという物語がある。聖女はいつか自分が来るときまで
自らの宝を守り切るよう島の民に言った。それが謙譲のリングだ」
サイファは胸ポケットから青色の謙譲のリングを取り出しユニに手渡しする。
伝声のジュエルを使ったイヤホンから一人の兵士から報告が入った。
兵士1『て、敵襲!敵襲です!相手はひ、独りですが…すでに十人の兵士が
―ぎゃああああっ』
サイファ「オイ!クソ、たった一人に兵士が負ける?そんなことは無いはずだ
十分鍛えられている兵士がたった一人に…」
ゼロ「大丈夫なのか?」
サイファ「狙いはリングかユニ殿か…?一旦逃げるぞ、このまま遺跡内の
最深部に進む!ちゃんとついて来いよ!」

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.14 )
日時: 2019/03/31 11:46
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

階段を駆け降り地下へ辿り着いた。ユニのほうはかなり息を切らしていたが
ゼロはユニほどではないサイファは軍人だから体力があるのか汗を少しも
掻いていない息も切らしていない。
サイファ「地下10階、隠れ家として俺が使っている場所だ」
ミーニャ「あ、だからこんなに整ってるのね」
ゼロ「ユニ大丈夫か」
ユニは大きく深呼吸してから頷いた。
サイファ「魔術に長けている分、体力や筋力の面では少し劣っている。
気にしなくていいユニ殿は俺たちよりも魔術の腕が良い。弓や銃の扱いも。
いざとなればそれで援護してくれれば良い。少し休め」
ユニ「ごめんなさい」
サイファ「気にしなくていいと言ったはずだ。だろう?ゼロ殿」
ゼロは頷いた。
ミーニャ「ねぇさっき隠れ家って言ってたけどどういうこと?アンタ普段
どんなことしてるのよ」
サイファ「隠れ家って言ってもあまり使ってないさ。で普段は
城に泊まり込んで鍛錬したり書類を片付けたりしている」
ミーニャ「なるほど~やっぱり体力には自信があるのかしら?」
サイファ「あぁ。基礎体力は一般人よりもあると思う…何か来るな」
サイファは上を見上げ席を立った。
サイファ「ッ!走れ!」
全員が席を立ち走り出した。天井が破壊され上から一人の青年が
飛び降りてきた。ユニを庇うようにサイファは前に立った。

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.15 )
日時: 2019/03/31 14:18
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

闇の王自らの因子を持つ青年アルファは黒い炎を両腕に纏う。
アルファ「成程なリングの力を一番理解でき引き出すことが出来るのは
そこにいるアンタだけってことか」
アルファは炎を引っ込ませゆっくりと歩み寄る。そして片脚を上げ
蹴りを放つ。その蹴りをサイファが受け流す。
サイファ「強化手術って奴を受けた人間か?望んで受けたわけじゃないだろ。
嫌で仕方ないから逃げてきた。面白そうだからユニ殿を探してここに来た」
アルファ「随分と察しがいいな嫌いじゃない。アンタの言った通りさ。
あんな奴らのところにいたら頭がイカれちまうと思ってな」

スペクター「探したぞユニちゃん」
ユニ「スペクターさん!」
上から飛び降りてきたスペクターはユニにあることを伝えた。
スペクター「リングを手に入れたのなら早いところ島を離れるんじゃ。
闇が濃くなっておる。どうせだからお主らも来い、悪人ではなさそうじゃ」
一同は島を抜ける。空から見えたその島は見る見るうちに黒い霧に
覆われていく。
スペクター「恐らく島の奴らのほとんどが闇と契約していたんじゃろうな」
アルファ「アンタが黒の王の兵器とか言われてた鬼か。もっと
強面な奴を予想してたが…」
スペクター「予想外なことなんぞ何でもある。あそこは人間のお主には
猛毒じゃよアルファ」