コメディ・ライト小説(新)

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.29 )
日時: 2019/04/03 20:06
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ギムレー島のとある教会の中に一人の男が十字架の前に立っていた。
青みがかった白髪の男は協会から出ることは出来ない。
???「君が言うことを聞いて大人しくしてくれれば僕も君を閉じ込めなくて
澄んだんだけど…」
紫のネクタイを締めた男は白髪の男に歩み寄る。
???「それはお互い様だろうラスト。お互い逃げなければ捕らえなくては
行けなかった」
ラスト「そうだったね白の王ヘイムダル…まさかこんなあっさり捕まえられる
とは思ってなかったけど」
ヘイムダル「理性的な闇族で良かった。君の仲間、ひねくれ者が多いし。
それに預言しておこう、もうすぐ君は僕を取り逃がすことになる」

空を飛んでいるプリーマ島。
ミーニャ「ギムレー島…」
カナン「黒の王、黒の王子、聖女…この三人が揃っているのなら当然
白の王もこの世に存在している。この島は無人島だが黒の王が組織する
組織が統治し白の王を隔離している」
ゼロ「助けに行って仲間になってもらうってことか…?」
カナンは大きく頷いた。スペクター、サイファ、ランマル、ゼロ、ユニの
五名が島に降りることになった。つい最近まで無人島ではなかったのだろう
レンガの道も作られた島だ。道に従って一同は歩いていく。
サイファ「一応ここは敵地のはずだが…不思議だな」
ミーニャ「魔獣もいないからってこと?来ないなら来ないでいいじゃない」
サイファ「それに一理あるけど敵が何も気付いていないというわけでは
無いと思うぞ。俺たちと否ユニ殿と白の王を会わせるのが目的と
見ることもできる」

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.30 )
日時: 2019/04/03 20:43
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ラストの手下は島に侵入した輩がいると報告した。
ラスト「そのまま泳がせておこう」
手下「良いのですか?ラスト様」
ラスト「彼らの中にも僕の計画を予測している人物がいるかもしれないけど
計画は実行する。協会に彼らが到着し次第、聖女と他を分かれさせる」

ミーニャ「ねぇあそこにあるのって協会かしら?」
目の前には白い教会が建っている。神秘的な雰囲気を纏っている。誰かに
呼ばれているような感じがする。一歩、ユニが近付いた。すると薄い
透明な膜が隔てた。
ゼロ「ユニ!!」
ユニ「ゼロ!!」
ラスト「すまないね。白の王には退場してもらったよ正確には退場
させられた、かな」
サイファ「セブンスデリット…!」
ラスト「僕はセブンスデリット色欲のラスト、ついでに白の王を殺したのは
傲慢のプライドだ」
ユニの前には黄色のネクタイを締めた男プライドが立っていた。
プライド「さてと俺は聖女を殺せば良いんだな?ラスト」
ラスト「任せるよ、僕もこれからこっちで手一杯になるからね」
ラストが剣を抜いた。プライドは大剣を構える。
ラスト「言っておこう。君たちが手を出せば彼らより先に君たちの首が
飛ぶよ。助かりたいのなら手は出さないことだ」
スペクター「儂らは手を出せんようじゃな…」
スペクターは大人しく諦めた。ユニとゼロは構える。四人が同時に動いた。

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.31 )
日時: 2019/04/03 21:23
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

ラストはゼロの攻撃を受け流していた。ゼロの攻撃はラストに通じることは
あるのか…?
ゼロ「はぁぁぁぁ!!!」
ラスト「その程度では僕を殺すことは出来ません。貴方が僕を殺すのと
プライドが聖女を殺すの…今のところ後者が有効ですね」
重量のある大剣を片手で振るうプライドとその猛攻を防ぐユニ。
プライドの剣がユニの張る結界に当たる度に地面が揺れる。
プライド「黒の王子を信じるのか?ラストに傷一つ付けられないアイツを…
お前の目は狂ったのか」
ユニ「違う。私もゼロもサイファもランマルもスペクターもまだ
諦めてないから!」
微かに結界が厚くなったのを感じた。プライドは舌打ちし大剣を上に
振り上げた。
プライド「その程度の結界、砕いてやるよ!!」
黒い闇を纏った大剣は振り下ろされた。衝撃に煽られユニは防壁に
背中をぶつける。目を開くと既にプライドは大剣を振りかぶりユニとの距離を
詰めていた。ユニは身体を横に向け剣を躱しすぐに飛び退いた。
ゼロの体勢が崩れる。ラストは体勢を崩したゼロの首筋に剣を当てる。
ラスト「このまま首を飛ばすのは簡単だ。死ぬのが嫌なら、彼女を
護りたいのなら素直に闇の力を使うしかないだろう?」
ラストは笑みを浮かべた。
ラスト「君が今までその力を使わなかったのは扱い切れる自信がないから、
そうだろう?暴走すれば彼女に手を掛けてしまうかもしれないからね」

Re: 空飛ぶ島の冒険家 ( No.32 )
日時: 2019/04/04 13:17
名前: azuno* (ID: s00TEuml)

気を失ったユニをプライドは見下ろす。
プライド「白の恩恵を受けた聖女も…その程度だったか」
直後ユニはゆっくり目を開いた。黒髪に一房だけ純白が入る。今にも
浄化されそうなほど神聖な力を纏ったユニ。完全回復だ。彼女の背後に
消されたはずの男ヘイムダルが見えた。
プライド「貴様!ラストと俺が確実に仕留めたはずだ…何故…」
ヘイムダル『確かに殺されてしまった。だけど聖女が生き続ける限り
僕はこの世から消滅することは無い。彼女は永遠に転生し続ける。理の
半分である僕を殺すことは出来ない』
ヘイムダルの姿はもう確認できない。だがこれはプライドにとっても
ラストにとっても想定外のことだった。ゼロの髪は真っ黒に染まり
紫に染まった瞳に力が宿る。
ラスト「…そうか…誤算だったよ。理を消すには殺すだけではダメらしい」
ゼロ「喰らえェぇぇぇぇ!!!」
ゼロはラストの胴を切り裂いた。結界が消えユニはゼロに駆け寄った。
プライドの肩を借りラストは立ち上がった。
ラスト「少々…君たちを舐めていたようだ…」
そう言って二人が虚空に消える。協会の中に入ると十字架の中心に嵌められた
白いリング知恵のリングがあった。
サイファ「白の王が聖女のユニ殿に残した物…それが知恵、ですか」
スペクター「とりあえず目的は達成されたんじゃ。島を出るぞ」

別の場所に避難したラストとプライド。ラストの胴には包帯が巻かれた。
プライド「相手はお前を殺す気ではなかったようだ」
ラスト「白に染まった者はとことん甘いよ」
プライド「…そうだな」