コメディ・ライト小説(新)
- Re: 妖怪が集まる宿 ( No.4 )
- 日時: 2019/04/15 20:08
- 名前: 来海九重 (ID: s00TEuml)
若女将で雪女の雪、猫又の幽、九尾の烈、大旦那で鬼神の縁、同じく鬼神の
紅緒、そして常連客の大天狗の薫、そして新米従業員の人間の勇。薫以外は
全員天津屋で働いている。だが六人以外にも働いている人物はいる。
紅緒「よぉ見に来たぜ勇」
勇「紅緒さん!こんにちは」
紅緒「いやぁ時間が出来ちまってねぇ…雪に幽に烈、そして縁それ以外にも
紹介したい奴はいるからさ来な」
紅緒は勇の腕を掴んだ。紅緒は歩きながら大きな葉っぱを渡した。
紅緒「ついさっき大天狗の薫が来てね、それを勇に渡してくれって
頼まれたんだ。それは天狗の宝、大事にしておきな。あ、オイ」
のっぺらぼうの三人の女が振り向いた。
のっぺらぼう「まぁ紅緒様」
紅緒「悪いねぇ仕事を邪魔して」
のっぺらぼう「紅緒様に声を掛けられたら返すのは当然です」
紅緒「蓮は何処にいる」
のっぺらぼう「一階の受付でございます」
紅緒は彼女たちに感謝して勇を連れて階段を降りる。受付のカウンターでは
赤紫の長い髪を結んだ青年がいる。彼が蓮。
蓮「お前か竹取勇雄の孫ってのは…」
紅緒「あぁコイツは孫の勇だ。勇、コイツは土蜘蛛の蓮だ」
蓮は勇を睨む。
蓮「胸糞悪ィな…あんな奴の孫なんてイライラする」
蓮が片手を勇に向ける。瞬間何かが飛んできた。勇は目を伏せる。だが勇を
抱え紅緒は片手を何重にも巻かれる。土蜘蛛の糸。
蓮「丁度いいぜ、腕試しにはな!」
紅緒「俺にとっては準備運動にもならないがな」
紅緒は勇を放しもう片方の手で糸を掴み引きちぎった。
紅緒「勇だったら引きちぎれなかったがお前が俺を捕らえるなんて百年
早いぞ蓮!…あ、言い忘れてた。勇お前、縁の許嫁ってことになってるから」
勇「え…えぇ!?」
初耳だ。いつの間にそんな話が出ていたんだろうか…。夜になり勇は
紅緒に料理をふるまう。といっても簡単な物だが…。酒を飲みながら勇の
作った料理を食べる。
紅緒「美味いなぁ…宿屋の料理も悪くはねえがお前さんのは格別だねぇ」
勇「そう言ってもらえると嬉しいです。といってもまだまだですけど」
紅緒「これだけの腕があれば充分だろうよ。満腹になったことだし今日は
これでお暇する」
紅緒は席を立ち家を出ていった。