コメディ・ライト小説(新)

Re: アリスのアリ方!(修正版・こっちをみて下さい) ( No.1 )
日時: 2019/04/16 17:37
名前: 夜神 まな (ID: 3KWbYKzL)

1.アリスのねこかぶり

いたって今日は平凡だ。いや、今日「も」が正しいのだろうか。
「アイツまた空眺めてやんのー」
一気に俺の方に視線が集まる。だが気にしない。
「人形みたいw」
「きっもw」
「誰があんな人形買ったんですか〜」
「自分から歩いてきたんじゃね?」
「こっわwきもw」
こんな連中、俺と噛み合わないだけだ。無視してればいい。
『何を言われようと』。
「こいつ、死んでんの?ぴくとも喋ろうともしねえぞ」
「はぁ…」
「あ、生きてたw」
ため息をひとつ。俺はムカついたり、心が折れたりしてもいない。
ただ、うるさい。それだけだった。
「何だよ、ため息ついて終わりかよw」
「やっぱコイツ、人形…?」
「あり得るかもな〜w」
その時、ガラガラっと音がした。教室の扉だった。
「はーい、みんな席について〜」
「あれ?なんか先生今日綺麗じゃね?」
クラスの男子がそういった。
「!い、いつもと同じですよ!」
妙だな…いつもは地味なのに。
「はいはい、そういうのは良いから、今日はみなさんにお知らせがあります」
「なにー?」
「転校生が来てますー!入って〜」
コツ、コツ、コツと靴の音がした。一歩一歩、また一歩と。
「自己紹介してね!」
「皆様はじめまして!語花さとりばな高校から来ました!アリス・ティアナです」
「え、あそこお嬢様高校じゃないっけ?」
「そうだよ!お姉ちゃんあそこに入れるのは金持ちだけだって言ってた!」
「マジか、確かに礼儀めっちゃ正しい。俺らとは全然違うな」
「えーと、アリスさんのご家庭はお父さんとお母さんが働いていて、帰る日も少ないそうです。アリスさんのご家庭の事情でお引越しすることになり、学校も変えたんですよ」
家庭の事情…ねぇ……お嬢様とかそういうのには興味全然無いし。
こっちを転校生が向いて、にこっと微笑んだ。
俺はそれに気づいたが、やはり窓の景色の方が落ち着く。
「えーと…アリスさんの席はそこね」
「は!?俺???」
「アリスちゃんこっちの方がいいよー?アイツ全然喋んないしつまんないよ」
「……いえ、結構ですよ。それに先生に言われましたし」
「そっか、まあ来たくなったら先生に言っていいよ。私が手伝ってあげる」
「こら!ごめんなさいね、アリスさん。さあ、座って」
おいおい先生!?あえて落ち着いた俺にしたのか?皆荒れているからか?
「いえ、大丈夫ですよ…柳沢さんと言うんですね。よろしくお願い致します」
「……おう」
視線が集まって、俺を恨むように全員が睨んできた。
「ちっ」
「さて…今日の授業ですが…………」

そして6時間経った。何も彼女とは話していない。
休み時間はヤバくなるだろう。俺の周りには来て欲しくないな…。
「はい!休み時間です!」
「うおーー!」
「ねえねえアリスちゃん!めっちゃ可愛いよね、何でそんなに可愛くなれるの…!?」
「えっと……」
ほら、2人きた。それどころじゃないだろう。後々騒がしくなりそうだ。
俺は静かに避けようとすると……
「あ、待って下さい。柳沢さん」
「ほら、あいつの事なんて放っておいていいんだよっ」
「で、でも…」
「いいからいいから〜」
「はい…」
なんだろう。まあ、いい。気になるが…。
「柳沢さんって、いつもあんな感じなんですか?」
「そうだよ。あいつみんなに嫌われてるんだよ。お弁当に誘ってあげたりした事あるんだけど、『俺は別にいい』みたいな?ごめんねのひとつも言えないんだろうね」
「それにね!柳沢、物静かでほぼ存在空気なんだよw授業中も休み時間も…ほぼいつも窓の外の景色見てる。バカらしいよね」
廊下で少し聞いてしまったが、まあ無視しよう。
「そうですかね?」
「え?」
「何言ってるの?wバカらしいじゃん」
「後気色悪ぃw」
「うーん、私も窓の外、眺めてるんですよね…いつも寂しくて、一人で、周囲から何言われても気にしないようにしてるんですけど…。周囲から否定されるように思えて、自分だけなんか違うことしちゃってるのかな、何が悪いのかなみたいに自分を追い詰めちゃって…」
何を言ってるんだ?彼女は。
「…なんか、ごめん」
「私も…ごめんね」
「い、いえいえ!謝らせるつもりは…!」
「いや、謝らなきゃいけない事だと思った。そんな風に思われるなんて…」
「全然私は大丈夫ですよ。ですが、本当は『そこの人』に謝るべきなんじゃないですかね」
そこの人と言って、指差した方向は俺。少し気まずい雰囲気になった。
「柳沢???」
「そうですね。」
隠れてるつもりだったけど、バレたか。
「柳沢、そんな思いしてんの?」
俺は無言を貫きたい。
「言わないってことは、言いづらいんじゃないかな…」
「委員長…あんた…」
「私も言いづらいと思うんですよね…そういうこと、私もあります」
「ごめん…」
次々に、俺に皆が謝った。ここで無言になってはいけない。何か言わないといけない。
「い、いや、だだだ大丈夫…」
「面白いww柳沢の声、全然聞いてないし性格も知らないけど、案外面白いかも」
「ずっと変なやつだと思ってた」
????なんなんだ???
「さて、このくらいにしましょう!もう帰る時間でしょう?」
「アリスちゃん家どこ!?」
「◻︎◻︎市〇〇の××です」
「そうなんだ…残念だけど違う方向だわ…」
ん??待てよ…?
「……確か、柳沢そっちじゃないっけ?」
「…そう…だけど…」
「そうなんですね!」
「くぅー、いいなぁ」
何だろう、凄いいつもと違う。こんなの……。
「言っとくけど俺はお前と一緒に……」
「行きましょう!」
「は!?」
「ほら、せっかくなんだから俺らの分も一緒に行ってきてくれよ」
「えぇ…」
何でだ…。なんか今日は……おかしい。
「そうですよ!行きましょう!私も、一人だと心細くて…」
「うっ……」
「ほらぁー!」
「いけよ〜」
「はぁ……分かった」
思わず深いため息をついてしまった。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「ぜ、全然大丈夫だよ…」
苦笑いをしてごまかした。なんで承っちゃったんだろう…。今日はやっぱりおかしい。俺も、クラスも…。
「帰りの挨拶!起立!気をつけ!礼!」
俺は礼をして教室を出た。
「そういえば、お前」
「お前じゃなくてアリスって呼んで下さい!!」
実は俺、人を呼び捨てしたことがない。
少し困惑してしまった。
「うん…あ、あ、アリス…」
「何ですか?」
「俺になんか言おうとしてただろ?」
「あぁ…………言いましょうか」
???
「率直に言って、私はあの学校を変えます」
「は?」
「さてと、猫被りも疲れるし本性出すね」
「お嬢様要素どこ行ったし……」
「ああ、前の高校は普通に近かったから行っただけよ」
「いやいや!?嘘だ!?」
「本当に決まってるでしょ。まずは一人目のターゲットに貴方を選んだんだ」
「理解出来ないんだが……」
何を言ってるんだこいつとしか思えなかった。ただ理解できない。それだけ。
「私知ってるんだよ?貴方の小さい頃からずっと…」
「え?」
「いや、今のは忘れていい。それで、学校を変えたいんだけど…それに手伝ってくれない?貴方は私が選んだ相棒パートナーよ!」
「へぇ…って、うん???」
「一人だけで学校全体を動かすとか絶望的でしょ。貴方わからないの?」
普通にさっきの方がマシだった。誰かと入れ替わったりしてないよな??
「まあ、相棒とこれから一緒に行動していくんだからずっと嘘をつき続けてバレるのも時間の問題なの。だから早めに本性」
「なんで皆にも本性を出さないんだ?」
疑問が沢山ありすぎて、言い切れない。
「とりあえずLINE交換しよ?私スマホ持ってるのよ」
「確かに話長くなりそうだしな」
「…えーと…」
「馬鹿、これをこうするんだよ。もしかして…」
「う、うるさいな!!」
顔を赤らめてアリスはこう言った。
「は…はじめてなのよ…」
「はぁ、まあ俺もだけどやり方くらい知ってる」
「あ、出来たみたい」
「だな。って、話してればもう家じゃないか。じゃあな。俺はあそこなんだ」
「そうなんだね!私はまだ少し先だから…じゃあ」
「あ、質問全部書いとくから、出来るだけ答えといてくれよ」
「ええ…わかった」
そしてアリスは走っていった。
家に着いた俺は、用意されていたご飯を食べた。
「美味しいな。てか…なんであんなに喋れてたんだろう…?コミュ力もそう無いし、人と関わるのが苦手なのに……。今日は色々不思議だった。アリスは、今日、俺を変えてくれた気がする。人生が一変したかもしれない。アリス、もしかしたら…学校を本当に変える気なのか?半信半疑だが、アリスの目は本当マジだったしなぁ…」
食べながらスマホをいじり、アリスのプロフィールを見てみると、『私が正解だと思った道へ進む!なんと言われてもね!それが私の在り方なのよ!』と書いてあった。
「なんだこれ?意味わかんないなw」
面白おかしく笑ってしまった。今度は苦笑いなんかじゃない。
「アリス……か。確か童話にそんなのあったな。たしか不思議な事が起こったりする物語なんだよなwアリスにぴったりな名前だな…。」
俺は少し黙り込んで、笑った。
「『アリスの在り方』かwもしかしたら人を幸せにするチカラがあるのかもな。こんなに人に興味を抱くのは始めてだ。だけど、楽しそう。俺の、新しい人生の第一歩…みたいな感じ」
アリスの在り方、それがどんなものなのかを知りたくなった。
不思議な在り方?おかしな在り方?色々あるけど、アリスはどんなだろうな。
アリスの事ばっか考えちゃうじゃないか…アリスには人を惹きつけるチカラもあるのかな?俺は、俺の在り方も考えてみたくなった。

「俺も、人を変えてみたい」

第1話 終わり