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コメディ・ライト小説(新)
- Re: ハーバリウム ( No.3 )
- 日時: 2019/04/19 22:53
- 名前: 枢 (ID: s00TEuml)
この異世界には魔王もいる、勇者もいる。どちらも自由に名乗れるわけではない
とリースさんは話した。リースさんと繋がりを持つ魔王カイラという男。
大空襲で大怪我をしたリースさんに彼は怪我を治し異世界のすべてを教え
サラマンダーを宿らせた。その力で彼女の寿命は徐々に縮まっているらしいが
彼女は怒りを感じたことは無い。彼女に案内されやってきたのはある城だ。
その中に入ると踊り場に一人の男が立っていた。金色の瞳孔に白髪の美青年
彼が魔王カイラだとリースさんは言った。
カイラ「そろそろ…時間だな。短い時間での仲間はどうだったかい?」
リース「時間軸は違うけれど同じ世界から同じこの世界にやってきた彼女と
話せて良かったと思っています。それと貴方にも礼を」
カイラは首を傾げた。
カイラ「何故俺に礼を言う。お前の寿命を縮めたのは俺、殺したも同然だろ」
リース「確かに正論ですね。ですが大怪我まで治しここのことを教えてくれた
のは貴方でしょう?最初から殺す気なら他に簡単な方法があったはずだから」
リースさんの体が炎に包まれていく。嘘、行かないでくださいよリースさん!
あと少しで良いから!炎に私から触れることは出来ない。リースさんの白い
指が私の頬に触れる。
リース「私、大変だったけど楽しかったの。最後に貴方に出会えて本当に
良かった。この世界に貴方はもう認められてるのよ。私のスキル、貴方に
託すわ。ありがとうサクラ、私の最後の―」
親友、リースさんは消える最後にそう言ってくれた。その言葉が一番
嬉しかった。そこに残ったのは小さな水晶のネックレスだった。
カイラのほうを見ると受け取れと言わんばかりの顔をしている。
ネックレスを首に掛けた。
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