コメディ・ライト小説(新)

Re: ハーバリウム ( No.8 )
日時: 2019/04/20 14:28
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

クランベル「冒険家、ねぇ…なりたいなら好きにしろよリース」
リース「クランベルさんも一緒になろうよ冒険家に」
リースにクランベルはそっと微笑んだ。
クランベル「自覚しているだろうがそろそろ俺のスキルを解こうと思う。
お前はもう大人、充分戦える。俺がサラマンダーの力を抑えなくても良いだろ。
どうなるか、分かってるだろ」
クランベルの少し低い声がリースの耳に入る。彼女は頷いた。
リース「寿命が縮んでいく、それは分かってるよ。ここも楽しいし感謝してる
だけど私、冒険家になりたいって思ってたから」
クランベル「…だったら俺がとやかく言う必要はねえな。頑張れやリース」
クランベルはネックレスと懐中時計を渡した。彼が大切にしていた物。
それを受け取りリースは森を出た。
ルミエル「何だか彼女の父親みたいねクランベル」
クランベル「俺が、か?…俺も寿命ってのがあるんでね」
クランベルが咳き込む。微かに彼の吐き出した血が見えた。寿命が
近付いているようだ。
クランベル「何か感じるんだよ。アイツは最後に良い奴と出会う、ソイツは
彼女と離れた後きっとここに来るぜ。俺もソイツの守護霊になって
帰って来るかもな!」
クランベルは笑った。そんな彼にティターニアは恋をしていた。ある日、
ティターニアはクランベルに話をする。
ティターニア「貴方にはここにいて欲しいのです。森を支えてくれた
貴方に死んでほしくない。それに…私の初恋相手ですから」
クランベル「何だァ?告白か」
ティターニア「えぇそんな感じです。それで寿命を延ばしませんか」
その言葉でクランベルは少し笑みを消した。
クランベル「俺は充分ここで楽しく暮らしたからな。これ以上望んだら
罰が当たるぜ。ってなわけで悪ィなティターニア、俺は長生きしない。
その代わり、此処に来た人間をお前が支えてやってくれよ」