コメディ・ライト小説(新)

Re: ハーバリウム ( No.9 )
日時: 2019/04/20 16:19
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

夕方、事件は始まった。日が沈み始めフードを外したウィールは村人たちと
共に見回りに出かけた。突然テレパシーによりリヴから連絡があった。
リヴ『人手が欲しい、話は聞いてくれそうもねえし村長に報告したほうが
良いと思ってな。急げよ、結構ピンチなんだからな!』
一方的に連絡され一方的に切られた。だがリヴの声からして切羽詰まっていた
のかもしれない。急いだほうが良いかもしれない。部屋を出て村を出ていく。
そして走る。遠くから投げ飛ばされたリヴが近くの大木にぶつかる。
サクラ「リヴ!」
リヴ「前!!」
サクラは横に跳んだ。炎が放たれた。数人の鬼がいる。空中からウィールは
着地した。
サクラ「あれって…まさか!」
ウィール「戦闘種族の鬼なだけあって能力が高い。周りは眠らされてる
だけだ。怪我はしていない。サポートに回ってるのは一人だ。残りは
全員前線で戦ってた」
6人か…。実戦なんてしたことないけど頑張れる気がする。上手く事を
運ぶことが出来れば全員仲間に出来そうだ。それならやってみるしかない。
考えを感じ取ったのかウィールはサクラのほうを見て頷いた。
サクラ「ここは一旦落ち着きませんか?私はこの近くの村の村長
サクラ・クランベルです」
鬼たちの若大将ツバキ、妹モモカ、幹部キキョウ、アヤメ、ヒスイ、クロハ
この6人だ。
モモカ「やっぱりそうです…人間が魔物を従えているなんて」
ツバキ「なら…殺すだけだ。どうせ嘘を吐くだろうしな」
サクラ「え!?か、勘弁してよ!私、何も分かってないんだけど!!ッ!?」
何かを感じ脚を開き下に屈んだ。
ヒスイ「人間としては能力が高いな。スキル持ちってところか。若しくは
直感、かな」

Re: ハーバリウム ( No.10 )
日時: 2019/04/20 17:08
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

ウィール「悪いが大人しくしてもらう」
ウィールはモモカの背後から手刀を落とし気絶させる。
ツバキ「なっ!?ダンピール、いつの間に…」
ウィール「お前らを相手しているのはサクラ様だ。余所見はしない方が
良いと忠告しておこう」
ウィールは微かに笑みを浮かべた。サクラを負かすことは出来ない、
そう言っているような笑みだ。二人の間に気絶したヒスイが地面を転がって
来た。アヤメの弓矢の雨を前にサクラは片手を前に突き出した。
大きな魔法陣から青い光の線が幾つも放たれる。その光は弓矢の勢いを
殺していく。この魔法もオリジナルで飛び道具、魔術の力を殺すことが出来る。
アヤメの足元と頭上に二つの魔法陣が現れる。そしてアヤメは檻で
捕らえられた。休んでいる暇はない。影から現れたキキョウの二本の
小太刀を躱しすぐに相手の背後を取り背中に手を当てる。キキョウの身動きを
封じることが出来た。一息吐いてツバキのほうを見た。呆気に取られている。
ツバキ「そういえばアンタ…クランベルって…」
サクラ「うんサクラ・クランベルって…」
魔術を解除し、そう言うとツバキが深く頭を下げた。な、何だろう…?
ツバキ「あのクランベル様だったか…申し訳ない!」
サクラ「あ、あー否!わ、私も悪かったって。大丈夫だから。死人もいないから
大丈夫だって」
彼らを村に招き、そこで詳しい話を聞くことにした。


Re: ハーバリウム ( No.11 )
日時: 2019/04/20 19:28
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

ウィール「オークとソードボアの群れか…随分と面倒くさそうだな」
ウィールは呟いた。逃れたツバキたちに一人の男が現れたという。その男の
魔力は何処となくサクラにそっくりだった。その男は鬼たちにこの村の
場所を教えクランベルの名前を持つ人物に従えば良いと伝えられたらしい。
モモカ「それにしてもダンピールが人間と共に行動しているなんて
驚きました」
サクラ「うん私も驚いてるからね。あ、ツバキこれからどうするの?鬼の村は
無くなっちゃったんだよね。困ったらお互い様だし良かったらここにいても
構わないよ。衣食住はちゃんと用意するから」
ツバキは黙り込んだ。衣食住、揃っていなければ安定して暮らすことは
出来ない。考えておくと言ってこの日は終わった。翌日の朝、ツバキたち
鬼6人が配下になると決断した。
サクラ「あの…クロハ、大丈夫なのかな?」
ツバキ「いつもあんな感じですよ。俺たちとは少し違って結構辛い家庭で
育ってましたから」
サクラ「な、なら詳しく教えてくれない?仲間になるんだから知っておかないと
と思って…」
ツバキ「俺たちよりも鬼らしい鬼なんです。魔術は軽く使える程度らしいけど
筋力じゃあ俺たちでも勝てる奴はいませんよ。加減間違えたら破壊
しかねませんからね」
納得した。その怪力で迷惑をかけないために必要最低限で関わるように
しているのか…ならこのスキルが役立つだろう。サクラは外に出て
クロハに声を掛けた。
クロハ「?」
サクラ「これからよろしくねクロハ」
手を差し出すもクロハは手を出さない。やっぱりそうだ。逆に考えれば
人間の骨を軽く握り潰せるほどの怪力を持っているということだ。
サクラ「大丈夫。私のスキル調整者で力を調整できるはずだよ」
クロハはそっとサクラの手を握った。

Re: ハーバリウム ( No.12 )
日時: 2019/04/20 21:43
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

食堂にやってくるとそこには地獄絵図が広がっていた。困ったように苦笑
しているアヤメと完全にのびているユータ。彼の前には料理とは言い難い
料理が置いてある。もうこれはお決まりのパターン、料理が苦手どころ
じゃないよ?何をどう料理すればそんな見た目と毒になるの!?ここは心を
鬼にして注意するか。
サクラ「アヤメ、これから料理を作るときはツバキに許可を取ること!」
近くに座っていたツバキを指差した。嫌そうな顔をしているツバキだが
そんなことはどうでもいい!兎に角、料理での犠牲者を無くすことが
大事なんだ。突然、キキョウから連絡が入った。リザードマンが来ているので
来て欲しいとのこと。言葉の通りその場所に来るとトカゲのような姿の
リザードマンの中にたった一人、人間に近い姿をした人物がいる。
アヤメ「ドラゴニュートですね。あ、因みにドラゴニュートより人間に
近い容姿をしているのをドラゴニア、竜の加護を受けて竜人化した
種族をドラゴノイドと言うんですよ。ドラゴノイドは竜の守護者の役割を
持つんです」
サクラ「竜人にも色々あるんだね。で、私がサクラ・クランベルだけど」
リザードマンのリーダー的な奴バジルはそれを聞いて首を傾げた。
バジル「は?いやいやサクラ・クランベルという輩は女だと…ンん?」
失敬な!私は女だよ!?バジルは全身を見る。胸を見てやっと理解したようだ。
そこを見てやっと女だと分かったらしい、失礼な人だ。ドラゴニュートの
オレガノはフッと笑い謝罪する。
オレガノ「すまないねバジルが失礼なことを言って…でも俺も一瞬男だと
思ってしまったよ」
サクラ「あ、いや大丈夫です。中性的なのは分かってますし気にしてないから
それで何用ですか?」
バジル「貴様らを我らの配下にしてやる!」

Re: ハーバリウム ( No.13 )
日時: 2019/04/20 22:23
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

怒りのゲージが極限に近いところまでに達したのはサクラとウィールと
クロハ以外。彼らの元に歩み寄りオレガノはサクラの耳元で囁く。それを
余所にバジルは自慢げに「我らの配下になれば…」などと色々話始めている。
オレガノ「俺たちの目的はサクラ・クランベル殿と同盟を組むことだ。
すまない彼はお調子者でね」
それを聞いて少し笑って頷いた。その二人をバジルは指差し「聞こえてるぞ!」
と指摘する。
バジル「そんなことでは舐められてしまうではないか!」
オレガノ「お前は態度がデカすぎるんだ。もういい、この件については
俺がちゃんと話しておく。お前は国に帰り王に報告しろ、いいな!?」
少し厳しい口調でオレガノはそう言い放った。それを聞いてバジルは
トボトボと歩いていった。そんな彼を彼の配下たちが「何だよオレガノ様
リーダーじゃないのに」「バジル様、気を落とさないで」などと慰め
ながら帰っていく。
オレガノ「さて…改めて俺はオレガノという。よろしく頼むよ
サクラ・クランベル殿とその従者殿。知っている通りオークとソードボアの
群れが暴れ回っている。我らの軍勢も人数は多くいると言えど奴らの数には
到底及ばない。そこで我らと貴殿達と同盟を組み共に奴らを討ち倒さないか?」
オレガノの口調、相手を上に見る謙譲語だ。さっきのバジルとは大違い。
彼がリーダーかと思いきや彼ではなくあのお調子者バジルがリーダーだった
ことに正直驚きを隠せない。本題に戻って確かにいいかもしれない。数は
多い方が良いし彼オレガノの戦闘力もかなり上位だ。同盟を組む以外の
手はない。
サクラ「分かった同盟を結びましょう。ですがお互いに王の顔合わせは
したほうがいいですよね?なので七日後辺りに私たちがそちらの湿地帯に
行きます」
オレガノ「了解しました。王にはそう報告しておきます。そして同盟を
組んでいただき有難うございます」
そう言ってオレガノは白い軍服を包む外套を翻し村を出ていく。

Re: ハーバリウム ( No.14 )
日時: 2019/04/21 11:58
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

鬼6人とウィール、オレガノ、森の管理者ティターニア、リヴとソアラそして
サクラが集まった。
ティターニア「オークやソードボアは基本的に飢えてきたら何でも食べます。
死体でも生き物でもね。その食べた物の能力を彼らは得ることが出来る」
ソアラ「数百の時を得てそのスキルを同種族に共有できるスキルを
オークたちは持っていない。だが別の人物がスキルを複製して分けることは
不可能ではない」
その言葉で誰が糸を引いてるのか、なんとなく察しがついた。この世界には
魔王が何人かいる。きっとそのうちの誰かだろうと…。トボトボと歩いていた
バジルたち一行に二人の男が声を掛けてきた。一人は仮面をつけた道化師、
もう一人はほとんど顔を隠されている。口元はマフラーで片目は包帯で
黒いローブに身を包んでいる。
バジル「むっ、何者だ」
シュリット「シュリットや。こっちのむちゃ無愛想な男はファントムやで」
仮面の道化師シュリットは自分の名前と男の名前を伝える。シュリットは
バジルの耳元で囁く。
シュリット「オークとソードボアの群れの相手、御父上には荷が重い
そう思いますよね~?そ・こ・で~…どうです?貴方が倒せば万々歳です」
そう言ってシュリットはファントムを置いて消えた。ファントムはバジルを
見据える。
ファントム「彼らを侮ってはならない…俺は忠告したぞ」
そう言って彼も闇に溶けた。そのファントムの魔力はこの日に見た村長に
似ているような気がした。

同盟を結んだ4日目、私が何となく新しい服が欲しいな~っと呟いたのが
聞こえていたようでモモカは新たに服を作っていた。
モモカ「少しサクラ様はフワフワとしたような可愛らしい服は好まないと
聞いてデザインはカッコイイ感じにしてみました」
サクラ「わぁ!好みなデザインだよ!ありがとうモモカ」
声を荒げるオレガノがいた。伝達魔法のようだ。
オレガノ「バジルが王を幽閉だと!?馬鹿な、俺は彼にはしっかり言い聞かせた
はずだ!」
微かに相手が「い、いや事実です」と反論しているのが聞こえた。

Re: ハーバリウム ( No.15 )
日時: 2019/04/21 12:21
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

仲間を引き連れ森の中を進む。湿地帯を目指している。オレガノは俯いている。
オレガノ「すまない。俺がもっとしっかりバジルのことを監視していれば
貴方たちに迷惑をかけることなど…!」
ヒスイ「あんまり気にしない方が良いんじゃないかオレガノさん?最初から
湿地帯に行くことは決まっていた」
サクラ「そうそう。少し予定が早まっただけ。大丈夫だって!」
サクラは笑った。オレガノは顔を上げ苦笑し「面目ない」と言った。
傷だらけの一人のリザードマンの女性がフラフラと走りながらやってくるのが
見えた。満身創痍か。奥からは彼女を追うオークたちがいた。
???「お、オレガノ様!」
オレガノ「セレア、無事だったか!」
前のめりに倒れ込んだセレアをオレガノは抱き留めた。オークを
足止めするためキキョウが糸を張る。張った糸に気付かなかったオークは
困惑する。
キキョウ「死ね」
糸を弾くと血を吹き出しオークたちが倒れた。手持ちの回復薬を彼女に
飲ませた。
オレガノ「セレア、何があったか詳しく話せ」
セレア「は、はい!兄バジルは謀反を起こし王を幽閉しました。彼は
オークたちに挑んでいきました。私は王に頼まれオレガノ様の元へ
行くよう伝えられました」
オレガノ「話は理解した。よくここまで来てくれたなセレア」
セレア「は、はい…有難うございます」
セレアは深々と頭を下げた。
サクラ「キキョウはセレアさんと一緒にその城に向かって王様を助けて
あげて。他は急いでその戦場に行くよ」

Re: ハーバリウム ( No.16 )
日時: 2019/04/21 13:47
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

先陣を切ったのはツバキ、彼の放った黒炎がオークたちを焼き尽くす。
広範囲で高火力、流石としか言いようがない。逃げ惑うオークたちを
素早く切り裂くヒスイと斬撃で圧倒するアヤメ、あ、もしかして本来の武器は
大きな太刀ですか。上から見えたクロハはオークたちを素手で殴り倒していた。
凄すぎでしょ!ウィールも銀の剣を魔力でコーティングして戦っている。
彼の魔力はこの面子の中で邪悪な魔力だ。彼の魔力を見ただけで恐らく
暴れている彼らも何かを感じているに違いない。そして辺りを包む
黒い瘴気…。あのオーク軍の中心に立つ一際目立つ大きな白いオークが
上空にいる私のほうを見ている。大将対決ってワケか…。白オークが
大きな斧を投げつけた。それを躱し魔力弾を放つ。それだけで終わる訳が
無い。白オークの耐久力はかなり高い。かなり火力が高くないと効率よく
ダメージを与えることは出来ない。魔術の連鎖、見せてやります!
サクラ「その矢、豪雨の如く―サジテール!!」
手に握っていた剣を上に掲げる。上空に大きないて座の星が刻まれた
魔法陣が現れる。剣を振り下ろすと黄緑の弓矢の魔弾が呪文通り
豪雨のように降り注ぐ。これで少しは怯んでくれるか?煙が晴れるとその巨体が
突進してくる。ギリギリで躱し地面に着地してすぐに横に転がる。
サクラ「王の光をここに!―レーヴェ!!」
剣が金色の光を纏い大きくなる。その剣を振り下ろすと金色の斬撃が
放たれた。その斬撃を受け止めようとするも白オークの剣が先に折れて
諸に喰らう。
ファントム「その程度か…白オーク」
白オーク「ファントム、サマ」
アヤメ「なっ!?あの男…」
ファントムが白オークに触れる。黒い瘴気がオークを包み込む。
ファントム「サクラ・クランベル、その名を持ち鬼をも従わせていると
言うのならこの白オークを倒して見せろ」

Re: ハーバリウム ( No.17 )
日時: 2019/04/21 16:24
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

城に来ていたキキョウはあっという間に侵入していたオークたちを
倒して見せた。
キキョウ「礼を言うなら生きてサクラ様の元まで辿り着いた彼女に言え」
王「そうか…でも礼は言わせてもらうぞキキョウ殿、そしてよくぞ
生き延びてくれたセレア」
王は優しくセレアを抱きしめた。キキョウは影の中に消えサクラの元へ
急ぐ。一方、サクラの前には正気を失った白いオークが斧を振り回していた。
オレガノ「サクラ殿!さっきの男が白オークに施したのは黒化、オルタと
呼ばれる術です。負の部分を大幅に増加させ強化する術」
下級種族の仕返し、鬼たちも手を止め二人を眺めている。全員の視線が
中央で戦う二人に集まっている。長引くのは良くない。
サクラ「そうだね…フィナーレと行きますか!!」
サクラは両手を前に出す。魔力が両手に集まる。どんなものでも呑み込むぞと
言わんばかりに白オークは咆え、地面を蹴る。
サクラ「最大火力!宝石魔法【トパーズ】!」
サクラの魔力は渦を巻き両手に集まり放たれた。眩い光が辺りを包み
弾けた。白オークの思い、オーク族の飢饉が消えて欲しいという願いを
敵に上手いこと利用された。そんなところだ。戦いが終わり本格的に
森に住む種族同士大同盟を結び協力し合うことになった。一週間後のある日、
幹部に新しくオレガノたちが加わった。
前衛部隊【日光】隊長ツバキ
偵察部隊【月光】隊長キキョウ
で、後衛部隊つまり遠距離からサポートする部隊は【残光】と名付けそこの
隊長をウィールに任せることにした。以外にも銃全般や弓などの扱いに
長けている。そしてクロハは意外と知識が深く頭の回転が速い。この村には
子どももいるのが寺小屋を開こうと思いそこの先生を任せることにした。
ヒスイは剣術指南役を任せた。

Re: ハーバリウム ( No.18 )
日時: 2019/04/21 17:02
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

オレガノは後からもう一人ドラゴニュートを呼んできた。
オレガノ「俺が一つの軍を率いていた時、同じように団長をしていた
レジェールだ」
レジェールとオレガノの顔を交互に見る。色違いで少しだけ長さが違う髪
オレガノは碧眼、レジェールは青紫の瞳、それ以外はそっくりな顔と
体格…これは、まさか…。
サクラ「ふ、双子…?」
レジェール「初めましてサクラ様、俺はレジェールだ。オレガノは俺の
双子の兄」
やっぱりか!オレガノは前衛、剣術メインの【日光】に所属している。
そうだなぁ…あ!
サクラ「槍兵部隊【曙光】に所属しない?」
オレガノ「お、いいんじゃないか?剣や弓よりも槍や矛のほうが得意だろ?」
レジェール「ん、あぁそうだな。じゃあ所属させてもらう」
前衛部隊【日光】隊長ツバキ、副隊長オレガノ
偵察部隊【月光】隊長キキョウ、副隊長セレア
後衛部隊【残光】隊長ウィール、副隊長リヴ
槍兵部隊【曙光】隊長バジル、副隊長レジェール
どうしよう…防御部隊が無い。…まぁもう少し増えてから考えればいいか。
バジルもリザードマンからこの戦いで何かを得たのかドラゴニュートに
なって美男子になった。もうカッコイイの次元が違う!アヤメやモモカ、
セレアも美女、美少女だ。

Re: ハーバリウム ( No.19 )
日時: 2019/04/21 17:54
名前: 枢 (ID: s00TEuml)

アヤメ「あのウィール、サクラ様は?今日、一度も見てないんですが」
アヤメはウィールに声を掛けた。
ウィール「大きな戦闘があったからな。疲れたんだろ。熱を出してる」
ツバキ「なっ、熱!?」
ウィール「し、仕方ないだろ。強いとはいえ身体は脆い人間だ。無理も無い。
暫くは休ませてやろう」
そう言いウィールはサクラが眠っている部屋に入り氷水が入った袋を
額に乗せる。
サクラ「本当にごめんね迷惑かけて」
ウィール「そんなことはない。疲れがあって仕方ない」
ウィールは少し微笑んだ。
ウィール「カイラ様がサクラ様の従者になれといった理由が分かってきた気が
する。俺はダンピール、人間と同じようには生きることが出来ない。この
怒りの矛先は吸血鬼、最初はというかサクラ様に従うまでは復讐に
埋もれていた」
不意に襲ってくる衝動のせいでまともに外に出たことも無かった。そして
ある日、吸血鬼の父親が人間の母親を傷つけたことで怒りが爆発した。
サクラの部屋を出た。