コメディ・ライト小説(新)

Re: Death Worldへようこそ ( No.1 )
日時: 2019/04/23 17:00
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

「行ってきまーーーーすっ!!!!」

大空に向かって声を張り上げた僕は少しのワクワクと大きな恐怖で心を締めくくられている。

「行ってらっしゃい。」

ニコッと笑った母さんはちゃんと僕を信頼していた。村の皆も。
でも、分かるよ。

母さんは不安な気持ちで心を押し潰されそうなんでしょ...

────そんな母さんのためにも僕は、やらなくちゃいけないんだ。父さんのために

父さんはおっきい病気で、その病気を治すためには珍しい薬草がいるらしい。

僕は薬草を探すため旅に出る。

必ず帰ってくるからね

Re: Death Worldへようこそ ( No.2 )
日時: 2019/04/23 17:01
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

「そう、偉いわね。そうよ、人間ってのはすぐに死ぬ。とーっても柔らかいのよ、いーい?まずはこれを...」

グチャァ...

「できたっ!オレできたよ」

「...うふふ、さすがよ。トート」

オレは3歳の頃にヒトを殺した。

なーんかツボにハマっちまって殺るのが楽しくなってきた

「トート、次はエクトっていうヒトを殺るの。見張りがすごいわよ、できるかしら?」

母さんの声が頭の中で響く

『殺れる?』『殺れる?』『殺れる?』

「『殺れる』かしら????」

いつものように即答で

「う、うん。──できる...よ」

と、答えた

Re: Death Worldへようこそ ( No.3 )
日時: 2019/04/23 17:02
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

風でペラペラと地図が舞う

西大陸に行きたいから、この大きな街を抜けなきゃ

──それより

「風が強い...っ、うわぁ!」

ヒュオオオオオオッ!

大きな風で持っていた地図が吹き飛んだ

「どうしよう...」

「キミ!」

『カフエント』と書かれた看板の店からお姉さんが顔をだす

「僕のことですか...?」

バランスをたもちつつ、自分に指をさす

お姉さんは怒ったように

「キミ以外に誰がいるんだいっ!!早く中へ入りな!」

と、怒鳴った。つまずきながらも中へと入った

Re: Death Worldへようこそ ( No.4 )
日時: 2019/04/23 17:03
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

「あ、ありがとうございます。」

息を切らしながらその場にへにゃりと力なく座り込む。

周りを見るとたくさんの人がいた。僕のようにお姉さんに声をかけられて避難してきた人かな?

「んもぉ、気をつけなよ!」

「は、はーい」

「えへ」と自分の頭をかいた。

お姉さんはあきれた顔でお茶を差し出してくれる。

「ありがとー」

「エクト様、お茶はどうですか?」

『エクト』という人はかなり歳をとっていて「あぁ、いるとも」とうなずいた。

エクトさんは偉い人なのか、とーっても高級そうなお茶をごくごくと飲み始めた

お茶を飲み終わり、エクトさんがグラスを机に置いた瞬間──

グサッ

にぶい音がした、と思ったら店内は一気に真っ赤な血が飛び散った

それと同時にお姉さんもその場に倒れ込んだ──

Re: Death Worldへようこそ ( No.5 )
日時: 2019/04/23 17:04
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

「きゃぁぁぁっ!」

悲鳴たちが店内を包み込む

グサッ、グサッ、グサッ

いつの間にか店内は静まりかえって、辺りは真っ赤に染まっていた

「な、に。こ...れ」

「あーあ、この匂い嫌いなんだよな」

静まり返った店内に声が響く

「もうこんな仕事、やめちまったら楽なのにな」

どんどん声は近づいてくる

「どうだ?1人になった気分」

女の子は光を失った僕の目をじっと見つめて、つぶやいた

「ばいばい」

刃物が一気に振り下ろされた

Re: Death Worldへようこそ ( No.6 )
日時: 2019/04/23 17:06
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

ぎゅっ、

僕はいつの間にか女の子の手を力強く掴んでいた

「やるじゃん」

「ふざけるな。人を殺してなにが楽しいんだっ!!」

女の子は余裕の表情で話し始めた

「ヒトを殺すってさ、豆腐を切ったみたいに気持ちいんだよね。分かる?」

ぐぐぐ...

手に力をこめる

「キミも人間なのに?」

震えた声で女の子に問いかける、いつ殺られるか分からない。

「オレは強い!弱い奴らと一緒にすんじゃねぇよ!!!」

怒鳴った声は力強く感じたのに、どこか寂しそうだった

「弱いよ!キミは!」

「...殺すぜ?」

やっぱり怖い。殺されるのは...

──でも、この真実を言わないと。この子は生きて行けないと思うんだ

最後の勇気を振り絞って僕はすぅと息を吸った

「キミは自分に嘘をついている。『殺したくない』『そんな辛そうな顔すんなよ』...でしょ?本心」

女の子は図星をつかれたようにビクッと体を震わせた

「うるせぇ!!!!オレは...」

「あともう1つ。『普通に生きたい』」

「ちげぇよっ!!!!!」

女の子は、もう片っぽの手から刃物を出した

やばいっ...殺られる

Re: Death Worldへようこそ ( No.7 )
日時: 2019/04/23 17:07
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

女の子は刃物を上に突き上げて、一気に下へ振り下ろす

ドンッ!!

女の子はなぜか僕の数センチ横に刃物を刺した

「えっ...?」

うつむいているから表情が分からないが、床にしずくが落ちていく

「なんでオレ...泣いてんだろ」

女の子は覚悟を決めたように顔をあげた

その顔はやっぱり可愛げのある普通の女の子だった

「オレは——バカげたことをやっていてもいいからさ。」

「『友達』がほしいんだ」

やっと素直になった女の子に僕は優しく微笑みかけた

「なーんだ、簡単じゃん。僕がなってあげるよ。友達」

「な、何言ってんだよ!オレはお前を殺そうとしたんだぜ?」

顔を拭きながら女の子は「泣いてない」と言っているように強がった

「うん、殺そうとした」

「そんなオレと友達になる?バカじゃねえの!?」

目を丸くして僕を疑う。

でも、嬉しそうな目をしていた

「バカだよ」

「...くっ、あっははっ!」

女の子は腹を抱えて大きな声で笑いだした

「殺そうとしていたやつと友達になる...か。オレもバカだ。オレはトート、よろしくな」

「僕はライン、よろしく!」

Re: Death Worldへようこそ ( No.8 )
日時: 2019/04/23 17:09
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

「トート」

その場に立ち上がる

「なんだ?」

トートが振り向いた

「僕はキミをまだ許してないからね——」

〜〜

「トート、僕キミに聞きたいことあるんだけど...」

「なんだ?」

もぐもぐとリンゴを頬張ほおばりながらトートは振り返った

「トートって...いや、やっぱりなんでもないや」

「なんだよそれ!聞きてぇじゃねーか!!!教えろよ!」

「やーだねー!」

トートの性格はどっちかって聞きたかったんだ。

見るからに可愛い女の子なんだけど自分のことを『オレ』って呼んでるし...聞いたら傷つくかなって思っただけだから聞くのやーめた

これからわかっていく...はずだよね

ずっと一緒にいれば

———って話だけど

Re: Death Worldへようこそ ( No.9 )
日時: 2019/04/24 07:18
名前: NQ (ID: J69v0mbP)

「んでラインってどこに住んでんだ?」

ふふーん、と鼻歌を歌いながらトートはなんでも聞いてくる

「えっと、リング村。村が円状になってるからそう呼ばれてる」

「行ってみて...ぇ。どこにあんだ?」

目をキラキラさせながら聞いてくる

「あー、結構遠いし、今のおこずかいじゃ難しいかも」

「まじかよ。じゃ、風呂にでも入りに行かねぇか?さっぱりしたいし」

「そうだね」

...やっとお風呂に入れる!!ってあれ?トートって体は女の子だから。

〜〜

「入っちゃだめだよ!!」

ぐぬぬ...とトートの体を引っ張る

「なんでだよ?オレは男だぜ?男湯に入ってなにが悪いんだよォ!!」

「キミは女湯!早く入って女湯にー!」

「無理無理!裸姿なんて見たくねぇよ」

「僕だって見たくないからぁぁ!」

いきなり店員が「お客さま...」と話しかけてくる

「んだよ」

「おっ、お客さまは女湯かと...」

「ってことだからぁ、トートは女湯だよぉ?」

トートはガーンと肩を落とした