コメディ・ライト小説(新)

Re: 俺のメイドは龍神様!! ( No.10 )
日時: 2019/04/25 20:49
名前: 闇夜 (ID: QDgN7dji)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

バリーン!
屋敷の厨房からガラスの物が割れる音がした。リリナは、さっきの話を耳にして自分で持っていたティーカップを落としてしまったのだ。
「何だ…?」
「カップでも割ったのでしょう…。あぁ、そうでした。アレンさん、これをリリナの食べるものに入れて置いてください。」
 エルカは瓶を取り出した。中には薬のようなものが1粒入っている。
 アレンは怪しいとしか思えなかった。だが、エルカは微笑むと立ち上がり「後日またくるわ」とだけ言い残し屋敷を出て行った。すると厨房からリリナがお茶をもって出てきた。
「エルカさん…帰っちゃったんだ…」
 リリナは一息つくとお茶を机の上に置いた。今日は「カモミールティー」。
「お菓子もって来きます」
 お茶をおいた後リリナはすぐに厨房に戻りお菓子を取りに言った。リリナが行ったことを確認すると、アレンはお茶の中に薬を入れた。リリナは1分も経たないうちに戻ってきた。籠いっぱいに入ったクッキーを机の上に置き、リリナはソファに腰をかけた。
「はい。お菓子もって来ました。今日のデザートです。」
 リリナは微笑むと紅茶を一口飲んだ。リリナは違和感に気付いたのかもっているカップを机に置いた。リリナは揺れる足取りでアレンに近寄りそのままアレンのほうへと倒れた。
 すると何処からか拍手が聞こえた。
「フフフ、良くやったわ。アレン」
 扉のすぐ近くにエルカが立って拍手をしていた。彼女は笑みを浮かべていた。だがその笑みは不吉な笑みだった。アレンはエルカの目も合わせずリリナを無言で受け止めた。リリナの体温はまだ暖かかったが段々と冷たくなってきているように感じた。
「カルラ様。さすが毒薬を作るのもお上手ねぇ」
 エルカは満足げに微笑み拍手を続けた。「勿論貴方もよ」とカルラはエルカに言った。
「ほんじゃ、次はお前な…」
 アレンはいつの間にかエルカの首元に太刀の刃を当てていた。エルカも気付かなかったのか目を見開いた。
「裏切るつもりか…」
「裏切る?はて何のつもりだ…?」
 アレンは微笑むと契約書をエルカのほうに見せ付ける。するとサインの所には「アレン」ではなく「アラン」と書かれていた。「ふざけるな!」とエルカは怒鳴り散らすとベルを鳴らし助けを呼んだ。
「おせぇよ…馬鹿」
 アレンはエルカを失神させ、壁に投げ飛ばす。だがエルカの表情はくたばっていなかった。
「さぁって…。あのメイドの命はいつまで持つでしょうか…解毒剤が先か。それともメイドの命が終わるのが先か…残り10分…」
 エルカは鼻で笑うと立ち上がる。アレンは恐ろしい速さでエルカに襲い掛かる。だがエルカの回避力は純情ではなかった。エルカは得意の催眠術を使う。
「…くたばれ」
 エルカは目を細めアレンの前に手を出す。だがアレンは鼻で笑うばかりだった。
「悪いね。俺もお前と同じ族でね。僕も能力は使えるんだ」