コメディ・ライト小説(新)
- Re: 俺のメイドは龍神様!! ( No.5 )
- 日時: 2019/04/25 19:17
- 名前: 闇夜 (ID: QDgN7dji)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
今から何年前だろうか。私は、生まれた。
だけどすぐに捨てられた。パパとママとは何処も共通点が無かった。だから捨てられた。
川の中に。
目が覚めたら、ベッドの上に居た。
「起きか…」
目に前に居たのは若い男性だった。高貴な服を着ていてお金持ちらしき人。
まだ赤子だった私を助けてくれた。
私は、その男性に育ててもらった。だけど、彼はある裏の顔を持っていた。それに気付いたのは、私が成長してからだった。
「この世に龍神が存在するだと?そんなの怪しからん!そいつをすぐに排除しろ!」
この国では龍神が悪いイメージだったため、男性も怒りを抑えてはいられなかった。その理由なんて分からない。その前に怖くて聞けない。男性はこの国の総理大臣。私は血の繋がらない娘。
私はこの場では、使用人として働いている。私の存在を気付かせないために。
「はい。大臣様の近くにおらっしゃる人が龍神だと思われます」
紫色のフードを被った若い女性。彼女は占い師だった。このままでは私は、殺されてしまう。
そう、私。「アールトア・リリアーナ・レイミア」が龍神。私が川に捨てられた時、私は一度死んだ。だが龍神様が私を救ってくれた。だから私は男性に拾われたのだ。龍神の伝説は、「助けられた者は、その者にも龍神の力が宿る」。
私はこの晩、男性を殺すことを決意した。
「今日も良い夜だ…」
大臣はテラスに出て月を見上げていた。今日は綺麗な満月だった。
「大臣様、さようでございますね。」
「おう、リリナじゃないか。どうしたんだい?」
私は「アールトア・リリアーナ・レイミア」のため「リリナ」と呼ばれている。
「そろそろ深夜ですね。寝室のご準備をいたしてきます」
私は一礼をしてその場を去った。途中で厨房により、私の愛用の包丁を持っていった。
寝室の準備を整えて、部屋を片付けて、寝巻きなどを畳んでベッドに置いた。廊下から足音が聞こえる。大臣が部屋に来る。私はすぐに包丁を後ろに隠した。
「あぁ、片付けてくれたのか。助かる。もう下がって良いぞ」
「はい…」
私は大臣が後ろを向いた瞬間に自分の持っていた包丁を背中に突き刺した。
それからの記憶は分からなかった。
私が、意識を取り戻した時には、金色に輝いていた時計に赤いものが付いていた。私の足元には背中や胸元から血を流した男性が倒れていた。