コメディ・ライト小説(新)
- Re: 俺のメイドは龍神様!! ( No.8 )
- 日時: 2019/04/30 10:53
- 名前: 闇夜 (ID: QDgN7dji)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
第2章 尋ね人
「戻ったぞ~」
アレンは着替えた状態で首にタオルを巻きやってきた。リリナはソファで横になり眠っていた。だがその表情は良いとは言えなかった。むしろ顔色が悪く、悪夢を見ているような表情だった。
「風邪引くぞ…」
リリナを抱いたアレンは、リリナの部屋に運んでベッドに寝かせた。
目覚めたのは翌日の朝空け前だった。
「痛い…」
「痛い…?」
寝言に気付いたのか、アレンは首を傾げた。リリナのうなされた悪夢には気付いていなかった。するとリリナは目をうっすら開けた。悪夢から目を覚ました。
「起きたか」
アレンはベッドの横で見ていた。リリナの顔は真っ青で貧血のように顔色が酷く悪かった。
「変なものでも食ったのか?」
「いえ…悪夢を見てただけです…」
リリナは俯いたまま答えた。
「ん…そうか…」
すると屋敷のバルコニーからノックする音が聞こえた。
「悪い。客だ。見てくる…」
アレンは部屋から出て、バルコニーに行き扉をあける。そこには、紫色のローブにフードを被っており、綺麗な桃色の長い髪の女性が立っていた。
「エルカと申します」
「はい。こんな朝にどんな用件で?」
「ここに、リリナと言う女性は居ませんか?」
エルカは優しく微笑む。だがアレンはエルカを不審な目で見る。
「いや、そんな奴知らねぇぞ?この屋敷には俺1人しか住んでないからな」
エルカはアレンを疑ったのか「私の占いに外れはなのに…」と独り言にように言い出した。すると階段からリリナが降りてきた。
「誰か居るの…?…っ」
リリナの背中は一瞬凍りついた。エルカはまた優しく微笑むと「悪いけどお邪魔するわ」と言い屋敷の中に入っていった。
「なっ!おい」
リリナは何事も無いようにエルカを屋敷の中に入れ、客室へと招いた。エルカはソファに座るとローブのフードを脱いだ。
「エルカ様…でしたっけ?お茶をお持ちいたします…」
リリナは一礼すると台所へ向かった。するとエルカは静かに微笑みアレンを見た。
「リリナも居なくなったし話でもしましょうか。私はエルカ・ナズマートです。」
エルカは自己紹介をするとまた微笑んだ。
「さてと…アレンさん…不審に思わないで下さい。ゴホン、それでは本題に入ります。貴方はリリナの正体を知ってますか?」
「あぁ、人間じゃないのはすぐに分かった」
「あの子は、あの子の育った国の大臣や兵士を殺した連続殺人犯です。アールトア・リリアーナ・レイミア…。あの子の本名です。あの子は危険が迫れば、
その人を殺し、知ったものを始末するのです…。貴方もいずれか彼女の正体を知り、リリナに殺されるでしょう…。」
エルカは難しい顔をしながらアレンに説明した。エルカは机の一枚の紙とペンを置いた。「サインをお願いします」とエルカは言った。紙の内容は細かすぎて良く読めてはいなかったが、アレンは無言で紙にサインをした。
『アールトア・リリアーナ・レイミアの暗殺に協力をいたしますか?
サイン: アラン・ノア・フルバート』
アレンはリリナの暗殺のことを今は知らなかった。エルカはにっこりと微笑み紙とペンをしまった。アレンはその笑みが不吉な笑みに見えたのだ。