コメディ・ライト小説(新)

Re: 路地の少年 ( No.1 )
日時: 2019/04/29 12:06
名前: ナナモア (ID: J69v0mbP)

『路地の少年』

『あたしね、アイドルになるの!』

あーあ、あんなキラキラした虹色の夢はどこにやら...

バッカみたい、「将来コンサートするから来てね」とか...来る以前に来れないじゃん、この世にいないんだし

2人一緒に逝って、あたしだけ追いてって——

あたしも連れていけばよかったのに

プツプツプツプツ

雨が傘に当たる音が聞こえ、周りは車の音、人の声、全部がうるさい

こんなビルがたってるところなんか嫌い、静かなところに逝きたい。

逝きたい———

「ブルー...レッド...イエロー」

うるさい音の中にブツブツと何を言ってる男の子の声が聞こえた

その声に耳を向けると

「死にたい」

ーー

いつの間にかあたしは傘を放り投げて男の子を抱いていた

「死んじゃダメだよ!!!君にも夢があるんでしょ?死んじゃいやっ!!」

「レッド...」

「え?」

体を離すと、男の子があたしと目を合わせてつぶやいた

「お姉さんの心はレッドだよ。血の色みたいに真っ黒の赤」

血の気が引いた———

何この子...怖い

おびえていると、急に男の子は我に帰ったように目に光を戻した

「うわっ!俺何言って...って、お姉さん誰!?触らないで!!!!」

男の子の肩を触っていた手を離した

怯えた男の子は泣きそうな顔であたしを見上げた

「家来なよ」

自然に口が動いた、運命を感じた

この子の心はブルーだったから——