コメディ・ライト小説(新)

Re: 霊障対策・零<改> ( No.10 )
日時: 2019/05/02 21:44
名前: 来海九重 (ID: s00TEuml)

紅牙が目を覚ますと暗い部屋にいた。体は鎖で椅子に拘束され身動きは
取れない。微かに残ってる記憶には殴られたということしか分からない。
鬼童夕陽という刑事に殴られ気絶し確保されたのだろう。微かに声が
聞こえる。
玲音「夕陽君お疲れ様」
夕陽「玲音先輩、あの男を助けるんですね。気を付けてください」
玲音「いやそんな危なっかしい事しないって。でもありがとう」
紅牙「(玲音、ねぇ…名前からして男か。声は中性的だが…)」
扉が開いた。癖毛の黒髪の中性的な男、ではなく女が入って来た。
玲音「初めまして咲風紅牙さん。私は1係の佐伯玲音です」
紅牙「てっきり男かと思ったんだが…違うんだな。で、俺はどうするんだ?
死刑にもできねえだろ」
玲音は小さく頷いた。紅牙に少し近寄った。
玲音「確かに殺すことは出来ません。なので殺しません」
紅牙「このまま終身刑っていうのか?やめとけよ」
玲音「いいえ…人殺しをしたのは事実だし罪は重い、でも被害者だから。
咲風紅牙という人間は骨食いに日常を奪われた被害者。だから私は今から
もう骨を食べなくてもいいようにする」
目の前の女刑事の言葉に耳を疑った。
玲音「貴方の魂と妖怪は憑いてはいるけど分離したまま。魂と霊ってね。
だからその二つを合わせるんだ。正し、妖怪と共に貴方は死んだら転生する
ことも成仏することも無く消えちゃうけど…ごめんなさい」
紅牙「何謝ってんだ?それが俺の罰だろ。早くやれよ刑事」
玲音がゆっくり顔を上げた。泣いてる。何でお前が泣くんだ?俺が
どうなろうと関係ねえことだろ…。玲音は手の甲で目を擦りそして目を閉じた。
紅牙の身体が白い光に包まれていく。魂と霊が融合していく。光が消えた。
融合は完了したようだ。