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☆『麻尾宇くんとツッコミ龍』02




　挨拶をしながらも、俺はいつどのようにして麻尾宇から自然と離れるべきか模索していた。

「うむ、挨拶をするのは良きことだ。今日は清々しい朝だな」

「どこが清々しいんだ！上を見てから言え！どんよりと曇っているだろうが！」

　……。
　沈黙。

　えっと。

「ごめんなさい」

　とって食っても俺なんか美味しくなんてないのでどうか見逃してほしい。
　俺のツッコミ癖はしょうがないものなのだ。『あの人』のせいで変な癖がついてしまっている。

「さてはお主、勇者か？」

　……えーっと。

「違います」

「勇者に決まっておる。我にツッコミをいれるなど、常人にはできぬことだからな。ふっ、勇者よ、光栄に思え。名乗らせてやる」

　名乗る。
　それは、友達へ一歩前進しちゃうコースじゃないだろうか。

「クラスメイトAから進化できるのだぞ。何を迷っておる」

　迷っているっていうか、名乗りたくないんだけど。
　迷うどころか一瞬で『嫌だ』と答えがでているんだが。

　……困った。