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コメディ・ライト小説(新)
- Re: うちのクラスには魔王がいる ( No.17 )
- 日時: 2019/06/12 18:08
- 名前: 塩鮭☆ユーリ (ID: 7/pkw8b6)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no
☆麻尾宇くんは友達になりたい 07
一ノ瀬が魔王に仕える魔人だという驚きの情報がはいったところで、別に俺が麻尾宇の見舞いに行かなければいけないことはかわらないわけで。
俺は一ノ瀬を追いかけたりすることもなく保健室に入った。魔人の事情に首を突っ込むなんてバカなことはしたくない。関わらないようにするのが一番だ。
「入るぞー」
保健室の先生はいない。
すでに確認済みだ。
保健室の先生がいると、仲がいいのだと勘違いされてしまい、今度麻尾宇になにかあったとき呼び出されてしまいそうだから、少し小細工をしておいたのだ。
「……ウォータードラゴンか」
「ウォータードラゴンじゃないっつーの!」
思いっきり否定しながら、ベッドに横たわる麻尾宇の隣に腰をおろした。見舞いなので、五分くらいはここにいなければいけないだろう。
「我は勤勉だからな。人間が自分で心臓を止められないことを知っていた。人間たちは大騒ぎしただろう?」
約一名、人間じゃないヤツも大騒ぎしていたな。
たしか名前は一ノ瀬とかなんたら。
「仮病が成功したのはいいがやり過ぎたか。我はどうにか病院には行かなくていいことを説明したが、説得は大変だった」
そうか。
……それにしても、と麻尾宇が顔を綻ばせる。
「お主が見舞いに来てくれるとはな」
子供のような笑顔で。
そんなのを見ていたら、嫌々来たとは言えないような。
「礼を言うぞ、リュウタ」
芯の通った声に俺は何も言えなかった。
その笑顔をどこかで、見たことがあるような気がして。
大好きな誰かの笑みと重なって。
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