コメディ・ライト小説(新)

Re: うちのクラスには魔王がいる ( No.21 )
日時: 2019/06/16 10:18
名前: 塩鮭☆ユーリ (ID: 7/pkw8b6)
参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no

☆昔話をしようか 02




 今の夢は、何だったんだろう。
 俺がドラゴンになったーー夢。
 俺が、魔王を乗せて空を羽ばたいているーー夢。

 俺が、死ぬ、夢。

 死の恐怖からなのか、震えの止まらない手足を睨み付け、保健室の先生に作り笑いを浮かべた。

「仲はすっごく悪いです。……こんな時間まですみませんでした」

 じっとりと背中を濡らす気持ち悪い冷や汗をはやくぬぐいたい。

「ほら、お前も起きろよ。元気だろ」

 スヤスヤと眠る麻尾宇に若干呆れながらも、たたき起こしてやった。

「ん……おはよう」

 寝ぼけなまこの麻尾宇をせっついて、保健室をあとにした。すでに麻尾宇が健康なのを知っていたのか、保健室の先生は何も言わなかった。
 
 夕焼け色の帰り道ーー。
 はからずも今日は、登下校一緒である。
 まるですごく仲の良い友達みたいだ。

 ………………違うけどなっ?

 仲はこれでもかというほど悪いからなっ!

 いや、悪いは悪いでなんかライバルっぽいし。
 うん、これはあれだ。
 赤の他人が一番いい。

「麻尾宇」

 俺は、取り敢えず今日みた夢をかいつまんで話した。
 その夢を笑い飛ばしてくれることを願ったーーが。

 案の定、というか。
 なんとなく予想はできたのだけど。

「そうか。思い出したか」

 麻尾宇の口から出てきた言葉に確信する。
 俺と麻尾宇には、『何か』がある。