PR
コメディ・ライト小説(新)
- Re: リベンジ インフェクション ( No.1 )
- 日時: 2019/06/12 21:51
- 名前: 柞原 幸 (ID: Ytr7tgpe)
ルヒカラ王国は、伝統的なスープを作ることでよく知られている。
栄養価がとても高く、多くの国で主食となっているイモ類のコロモロ、古代から人々の健康を守る為に栽培されてきた野菜のペリ草、自家製の肉、そして何よりも大切な、それぞれの家族に代々受け継がれてきた特別なスパイス。
ただこれだけの材料で作られるのだが、一つ一つの材料の相性が驚く程良い。
昔このスープを分けられた漂流民が「とろけるような旨さだ。」と涙を流し、そのままルヒカラ王国に仲間を呼び寄せ、王国の発展に一生涯尽くしたという逸話まで残っている。
しかし、ルヒカラ王国は気候に異常がある為、栽培物の貿易が不利であった。
北の都は年がら年じゅう凍えるような寒さが続く。
しかし、南の都はかんかん照りの太陽が一年中顔を見せている。
寒い地域で育つペリ草は、北の都で育てられているが、強い日差しに弱く、凍える北風にも弱い、繊細な植物のコロモロはどうしてもルヒカラ王国で育つことはできなかった。
そこで、ルヒカラ王国は隣国のマストレード王国から大量のコロモロを輸入することにした。
マストレード王国は暖かく、寒くなく、丁度いい気候だった為、世界一のコロモロ生産国としての称号を手に入れた。
だが、それと同時に、土の性質の問題もあり、どうしても野菜が育たない環境にもあった。
ルヒカラ王国はビタミン豊富なペリ草の栽培が盛んである。
マストレード王国は当然ルヒカラ王国のペリ草を欲した。
そんなわけで二国はお互いの食生活を支えることのできる大切な貿易国として長い歴史上、固い絆で結ばれていたのである...。
PR