コメディ・ライト小説(新)
- Re: ☆星の子☆ 祝! 参照400突破! ( No.163 )
- 日時: 2010/10/12 20:55
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: gWH3Y7K0)
7章 49話「失われた記憶」
家に帰って部屋で漫画を読んでいると、空がいつになく殺気立ったオーラを醸し出しながら部屋に入ってきた。
そして僕の前まで近づいてきた。ぞっとするような笑みを浮かべて。
「空、どうした?」
僕は声が裏返らないよう注意しながら、何でもないように聞く。
空は僕をじっと見つめた後、ゆっくりと口を開いた。
「なっちゃんの家にこの前行ったんだって?」
僕は言葉を失った。…そんなことあったっけ。それ、いつの話?
何にも言わない僕を睨み、空は口を開く。
「ダブルデートの次の日。なっちゃんが休んだ日だよ。」
「あ〜……」
僕はやっと思い出した。でも靄がかかってるみたいに、ハッキリと思い出せない。
僕はため息をついて言った。
「悪いけど何にも覚えてないんだよ、その日は。……自分でも分からないんだ。」
空は品定めするような目つきで僕をじろじろ見る。まぁ、覚えてないって言っても信じ難いんだろうけど。
「う〜ん…」と空は唸って、もっと説明するよう促した。
「まず、僕はなつみのお見舞いに行こうと家に行った。そこでなつみが出て来て……あれ? 違ったっけ。僕が勝手にお邪魔したんだっけか。……だめだ。思い出せない。その日の学校の出来事は覚えてるんだけど……。何しろ大変だったからね。でもなつみの家に着いたところから記憶が曖昧なんだ。」
そう言って僕はふーっとため息をついた。
何が目的でなつみの家に行ったかもよく思い出せないし、なつみの家にお邪魔して何をしたかも……。
もどかしい――――
「でも、優に2時間くらいはなっちゃんの家にいたんでしょ。私に一言言ってくれないと、ビックリするじゃない。……ただでさえ色んなこと仕出かしてくれるんだから……。」
空は最後の方は呟くように言ったが、全部筒抜けだ。
でも……空が僕のことを本気で心配してくれてることも伝わった。僕が何も覚えてないって言うから、不安になったのだろう。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。僕はピンピンしてるんだから……。」
僕は空を安心させるため、わざと明るい声で答えた。でも空はやっぱり僕のことが気にかかるようで、さっきの怖い形相はどこへ行ったのやら目を潤ませて念を押す。
「本当に、何にもないよね? ちょっと記憶、失っちゃっただけだよね?」
「大丈夫だよ。……でもなんか引っかかるなぁ。今までその日のことなんか考えたこと無かったけど、今空に言われてよくよく考えると怪しくないか?」
「誰が?」
「なつみだよ。」
僕が即答すると、空は「そんなこと無いって!」と笑い飛ばした。でも僕は引っかかる。だって……なつみの家に言ったあとの記憶が失われたのなら、やっぱりなつみが関係してるんじゃないか?
僕はもんもんと考え込んだ。