コメディ・ライト小説(新)
- Re: ☆星の子☆ ( No.23 )
- 日時: 2011/09/29 20:11
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: EZ3wiCAd)
2章 11話「数学」
休み時間になったとたん、私と光聖君の周りには――正確には光聖君の周りなので私も囲まれている――人だかりが出来ていた。
「ちょっと〜空、どういうことよ。」
親友の楓が私を小突く。高めのポニーテイルを揺らしニヤニヤと意地悪い笑みを浮かべる楓とは昔からの幼馴染である。
そして彼女は耳元で囁いた。
「いつの間にあんなカッコいい彼氏、ゲットしたの?!」
「はぁ〜? 彼氏? そんなんじゃないって。ただ家に泊まってるだけだよ。」
楓が変に誤解していたので私はその考えを正す。
そう言って私は(しまった!)と口を塞いだ。
でもその頃にはもう遅く……――
「泊ってるぅ?!」
楓はすっとんきょうな声をあげた。その声をみんなが聞いていない筈がない。とたんに女子が群がってきた。
「その話は本当なの? 天野さん。」
「まぁ、本当っちゃあ本当だけど……」
私は曖昧な返事を返した。早く授業開始のベルが鳴ってくれないかな……。
その願いが聞こえたのか、丁度良いところでベルが鳴っる。
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
(うわぁっ! 次は数学だ……。テンション下がるなぁ……)
私は早く授業時間になってくれないかと思っていたにも関わらず、時間表を見て青ざめた。
焦った私が席に着いた途端、先生が入ってくる。休む暇も無い。
「よーし、授業始めるぞ。今日は負の数と正の数の加法と減法だ。転校生、大丈夫かー? ここらへんは頭がこんがらがるぞ。」
(確かに……光聖君、7歳なのに中学校来ちゃってるし、勉強出来るのかな?)
そんな私の心配はお構いなしに、光聖君はニッコリ笑った。
「大丈夫です。数学は得意ですから。」
「そうか。じゃあ如月、この問題解いてみろ。」
先生が黒板に書いた問題を見て、私は絶句した。
(無理だよそんなの……それ、授業でもまだ習ってない問題だし。先生意地悪!!)
「光聖君、出来るの?」
「空、僕をなめないで。何でもできるって言ったでしょ。」
ニヤッとして立ち上がった光聖君を、誰も止めることは出来なかった――――