コメディ・ライト小説(新)
- Re: ☆星の子☆ ( No.5 )
- 日時: 2019/10/19 11:33
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: /FmWkVBR)
1章 3話「少年の話」
「お母さん!! 流星群見てたら星が落ちてきて、男の子がぁ〜!」
私は下に降りるなり話し始めた。
「ちょ、ちょっと空! 落ち着いて話して!!」
そんな私の慌て様に困っている母。
とそこへ、例の男の子が降りてきた。琥珀色の髪をなびかせて……。
母は私と同様にポカンと見つめて立っていた。
男の子があまりにも綺麗すぎたせいもあるし、急なことで驚いているのだろう。
でも問いただそうとは一切しない。普通ここは「あなた誰?!」とか「何処から入ってきたの?」だとか質問したいことはいろいろあるはずだ。
すると男の子が唐突に切り出した。さっき私に話したことよりも、もっと詳しく自分がここに来た経緯を説明する。
「僕は如月光聖と言います。さっきはベランダからお邪魔してすみませんでした。僕はさっき、仲間と一緒に光となって旅をしていたのですが……」
「なんですって!?」
母のどでかい声により、如月光聖と名乗った少年の言葉はさえぎられた。
まぁ確かに言っていることの意味がよくわからないが、ここはまず、光聖君の話を最後まで聞き終わった方がいいだろう。
そう思って私は、母に視線を投げかけた。
母は私の言いたいことがわかったらしく、「そうね……」と呟いて、聞きたいことが山ほどあるようだったが先を促す。
「仲間と一緒に旅をしている途中、僕だけ路線からまた外れて、ここのベランダに降り立ってしまったのです。大丈夫です。もちろんちゃんと家の家事などを手伝います。だから、僕を……」
母はしばらくの間「う〜ん……」と考え込んでいたが、光聖と名乗る彼の真剣な表情に心を揺さぶられたようだった。
「話はよく理解できないけど、わかった。家においてあげるわ。少し待てば、その仲間が迎えにきてくれるんでしょ?」
そう言って母はニッコリと笑った。
光聖君はその質問には答えず――あえて答えなかったような気がする――「ありがとうございます!!」と何度もお礼を言い微笑んだ。
光聖君の微笑みはキラキラ輝いていて、親子揃って笑顔に心を奪われた。
――これから毎日幸せな日になりそう……――
私は父が死んでからはじめて、そう思った。