コメディ・ライト小説(新)

Re: ☆星の子☆ ( No.80 )
日時: 2011/11/24 12:33
名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: JiXa8bGk)

4章     31話「紅茶を飲みながら」


 帰り道、私となっちゃんはカフェでお茶をすることにした。日曜の予定を決めるのだ。
 その日はなっちゃんの部活が休みらしい。そこで、日曜にしたんだとか。

「ところで、何の映画見るの?」

 私はずっとそのことが気になってしょうがなかった。やっぱりデートなんだから、ラブストーリー? それとも感動系かな?

「トイ・ストーリー3だよ。」

 なっちゃんのあっさりした返事と裏腹に、私は予想外の返事でビックリしてむせてしまった。
 ロマンチックの欠片もない。

「ゲホッゲホッ……。ト、トイ・ストーリーなの?」

 てっきりラブストーリーだと思っていたからビックリしたけど……。なるほど、笑いあり友情あり涙ありだもんね。

「それで帰りは美味しいって評判の喫茶店に寄って帰るよ〜。」

 なっちゃんはいろいろと考えていたらしい。プランは完成に近い出来上がっていた。彼女一人にスケジュールを組ませといても大丈夫そうだ。

「じゃあ何時に集合する? 映画見た後喫茶店に寄って帰るだけなら、午後に集合でも余裕あるよね。」
「うん、私は1時半に映画館の前で待ち合わせて、2時10分上映の映画を見たらいいと思うんだけど……。どう?」
「賛成。異議な〜し。」

 私は軽くそう言いなっちゃんはニコニコしながら、もう大分ぬるくなったであろう紅茶を啜った。
 その顔にはまるで“日曜が楽しみ”と書いてあるようだった。頬が少し紅潮しているのは気のせいだろうか?
 反対に私は複雑な気持ちだった。
 楓が思いを寄せている佐藤君と一緒に映画を見て、喫茶店に行く。しかも光聖君がいる前で!
 ……いろいろと大変な一日になりそうだ。

 私は深く溜息をついた。



 ※トイ・ストーリー3は夏に上映した映画ですが、都合により春に上映していることにさせていただきます。ご了承ください。