コメディ・ライト小説(新)
- Re: ☆星の子☆ ( No.90 )
- 日時: 2011/11/26 20:59
- 名前: (朱雀*@).゜. ◆Z7bFAH4/cw (ID: MMm5P7cR)
5章 34話「小さい喧嘩」
「う〜ん……。何着て行こうかな?」
私は今、鏡の前で格闘中。男子とデートなんて初めてから、余計に考えてしまう。全身を映せる鏡の反射した光が私を急かした。
これじゃあ1時に家出るのに、間に合わないよ……。
私は焦燥が混ざった溜息をつく。
デートってどんなことするのかな? ただ、一緒に歩いてればいいの? そんなことを考えながら私は一心に服を選んだ。
そして悩みに悩んだ末、藍色のシフォンチュニック(中はピンクのタンクトップ)にデニムのショートパンツを合わせてブーツを履いた。あ、でもこれは自分で選んだんじゃなくて雑誌に載ってたのをそのまま着ただけ。ファッションには詳しくないんだ……。
自分のセンスのなさにガックリしながら私は昼食を食べに下へ降りた。時計を見たらなんと、もう12時だったのだ。
キッチンには早くも光聖君が普段と変わらぬ格好をして座っていた。いいよね、男子はファッションに困らなくて。
どうやら私を待っていたらしく、私が椅子に腰を下ろした途端光聖君は昼食を食べ始めた。
そして光聖君は私を横目で見ながら、「気合入ってるね〜」と皮肉交じりに言う。その目は何だ。
私は少しカチンときて「そっちは公園にでも行くつもり?」と言ってやる。
すると、それが気に食わなかったらしく光聖君は顔を真っ赤にして言った。
「空こそそんな格好でよくご飯食べれるよな。空ってば食べ方が汚いもんで服にボロボロこぼすのに、食べ終わってから着替えればよかったじゃん。ここが働かないなぁ。」
光聖君はそう言いながらこめかみを指でこつこつ叩いた。
私はというと、自分でもわかるほど顔を真っ赤にして、
「あっそ。じゃあ頭のいい光聖君は私がいなくてもちゃんと映画館につけるってわけだ。ふ〜ん、じゃあ私は遅刻したくないから早く出ることにしよっと。間違ってもついてこないでよ。」
そう言って私はその10分後には家を出て行った。
べーっと舌を出してけんか腰の光聖君を置いて……。